本書を類書のない秀逸な「魚と貝の総合事典」たらしめるのは次の4つの特徴である。
①魚類の呼称についての和名、学名、外国名(英・仏・独・中など)、古称、異名、別称、通俗名、地方名(アイヌ語を含む方言)、出世名(地方別)さらに和名の語源・語義由来、魚介類学上の分類、分布・形態・生態上の特徴、近縁の同族異種、亜種、変種などについての記述内容が出色であること。
②日本人と魚介のかかわり方の諸相、すなわち生活や産業における利用形態、料理法、俳句・詩歌・文学・説話などの文芸やその他の芸術における魚介の位置・役割、歴史における漁撈や繁殖、伝播記録、逸話などといった広義の文化に係る側面にまで解説が及んでいること。
③480点余の豊富な図版が魚介の図録だけにとどまらずアユ釣り、熨斗アワビの加工、ウニ採り、コイつかみなどの場面を描いた浮世絵や「鯰絵」(地震の護符・守り札)なども収録していること。
④「第二部」掲載の関係資料(魚類分類表、図解/魚の形と各部位の名称、魚介文化誌年表、750を超える魚介の季語一覧、魚介の旬一覧など)及び巻末索引 [魚介和名索引(「アア」<アユの岡山方言>から始まり「ンジアラ」<クロカジキの沖縄方言>で終る3,500超の魚介の和名称が収録されている)、学名索引、英語名索引、和文事項索引] がとても充実していること。
“へー”と思わせる記述は随所に見つかる。例えば“ドジョウ”の箇所に以下のような説明がある。「島根県の安来節はユーモラスな“ドジョウすくい”の踊りで知られているが、もとは特産の砂鉄を精選する作業の“土壌すくい”からきたもので、その様子をまねたのが始まりと言われる。」魚介文化史年表には、737年(天平9年)に「悪疫流行し、アジ・サバなど生ものの禁食を諸国司に命ず」とか1582年(天正10年)「織田信長がクジラの肉を天皇に献上」といったことも記載されており興味深い。
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図説魚と貝の事典 単行本 – 2005/4/1
- 本の長さ543ページ
- 言語日本語
- 出版社柏書房
- 発売日2005/4/1
- ISBN-104760126570
- ISBN-13978-4760126576
登録情報
- 出版社 : 柏書房 (2005/4/1)
- 発売日 : 2005/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 543ページ
- ISBN-10 : 4760126570
- ISBN-13 : 978-4760126576
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