200ページのほぼ全てにおいて、『読書』に関しての様々な考察が綴られている。『読書』を自分の経験をとおして、自分が読んできた著者の言葉をとおして、あるいは自分の息子が本に向き合う姿をとおして、あるいは読書し経過する時間との関係性を感じながら、はたまた読書している自分自身の姿を俯瞰しながら。そのときどきに映し出される『読書』の多様で深みのある魅力を語り尽くしている。
読み終えた今、この本を振り返っても、よくもこれだけ『読書』だけをテーマにして語り続けることができるものだと思ってしまうし、最後まで読み終えかつ、★を5つつけてしまうほどに、心の奥深くに共感がコダマする文章が素晴らしかった。
それを思うと著者デヴィッド・L・ユーリンの筆力だけでなく、翻訳した井上 里さんの言葉の選択が見事に著者の意図に調和して美しかったのだとつくづく感服してしまう。
著者がこの本を書き終えたときに掬いとった『読書』の姿を引用しておきます。
『わたしたちが物事に向き合わないことを何より望んでいるこの社会において、読書とは没頭することなのだ。読書はもっとも深いレベルで私たちを結びつける。それは早く終わらせるものではなく、時間をかけるものだ。それこそが読書の美しさであり、難しさでもある。なぜなら一瞬のうちに情報が手に入るこの文化の中で、読書をするには自分のペースで進むことが求められるからだ。
時間をかけて本を読むというこの考えは、いったい何を意味しているのだろう?
もっとも根本的には、それによって私たちはふたたび時間と向き合う、ということだ。
読書の最中には、私たちは辛抱強くならざるを得ない。ひとつひとつのことを読むたびに受け入れ、物語に身をゆだねるのだ。さらに私たちは気づかされる。この瞬間を、この場面を、この行を、ていねいに味わうことが重要なのだ、と。
世界からほんの少し離れ、その騒音や混乱から一歩退いてみることによって、私たちは世界そのものを取り戻し、他者の精神に映る自分の姿を発見する。そのときわたしたちは。より広い対話に加わっている。その対話によって自分自身を超越し、より大きな自分を得るのだ。』
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それでも、読書をやめない理由 単行本 – 2012/2/1
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- 本の長さ206ページ
- 言語日本語
- 出版社柏書房
- 発売日2012/2/1
- ISBN-104760140840
- ISBN-13978-4760140848
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登録情報
- 出版社 : 柏書房 (2012/2/1)
- 発売日 : 2012/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 206ページ
- ISBN-10 : 4760140840
- ISBN-13 : 978-4760140848
- Amazon 売れ筋ランキング: - 360,510位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 102,438位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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2018年4月25日に日本でレビュー済み
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2012年6月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
紙と電子、それぞれの媒体での読書の特徴について書き連ねられた本である。
進行はアメリカにおける一読書家の、読書感に対する独白の形式をとる。
そのため著者が「読書中に感じること」に関する皮膚感覚の表現が目を引く。
アメリカではすっかり市民権を得ている電子書籍だが、
日本では、iPad、Kindleに見られる電子ブックリーダーによる読書は、いまだ成熟に向けての過渡期にある。
水面下では利害関係が絡み合っていて、水面上では「紙か電子か!」という読書家たちのこだわりが火花を散らしている。
本書の価値は、我々がそんな日本の現状を横に置きながら、
著者の感覚を通じて読書感というものを落ち着いて検証できるところにあると思うのだ。
はたして著者は電子と紙の本とで、それぞれどのような読書の手触りを得ているか?
その感覚との相違点は、読者である自分の中にどのように存在するのか?
このような観点を持って読めば、なかなか味わうことのできない面白い読後感を得られると思う。
紙、電子による読書が、自分にとってそれぞれどんな存在なのか、よりクッキリと自覚できるようになる体験学の本である。
進行はアメリカにおける一読書家の、読書感に対する独白の形式をとる。
そのため著者が「読書中に感じること」に関する皮膚感覚の表現が目を引く。
アメリカではすっかり市民権を得ている電子書籍だが、
日本では、iPad、Kindleに見られる電子ブックリーダーによる読書は、いまだ成熟に向けての過渡期にある。
水面下では利害関係が絡み合っていて、水面上では「紙か電子か!」という読書家たちのこだわりが火花を散らしている。
本書の価値は、我々がそんな日本の現状を横に置きながら、
著者の感覚を通じて読書感というものを落ち着いて検証できるところにあると思うのだ。
はたして著者は電子と紙の本とで、それぞれどのような読書の手触りを得ているか?
その感覚との相違点は、読者である自分の中にどのように存在するのか?
このような観点を持って読めば、なかなか味わうことのできない面白い読後感を得られると思う。
紙、電子による読書が、自分にとってそれぞれどんな存在なのか、よりクッキリと自覚できるようになる体験学の本である。
2012年5月4日に日本でレビュー済み
電子図書であれ、リアル図書であれ、こと「本好き」にとっては、共感できる部分が多々ある「本」。著者自身、電子版でも読むし、リアルな印刷本でも読むようなので、iPad愛好者にとっても大いに参考になるところがある。とはいっても、この著者、電子図書が出た当初は、素直にその世界には入り込めなかったようだ。
(キンドルに関しては、いまだに画面の色彩が気に食わないらしい・・・・・)
息子の「グレート・ギャッビー」絡みの宿題を手伝う羽目になったことが、そもそも読書たるものをクソまじめに考えるきっかけになったようだ。
で、この手の読書評論の常として、いろんな書物が紹介されてはいるが、決してこれらの本を読みなさい!って推薦しているのではない。そのような本は一冊もない。要は、どのような本でもいいということで、著者自身、複数の本を並行的に読み進んでいる・・・・・。
情報洪水の現代、「今こそ真の読書の出番である、なぜなら読書には時間と向き合う余裕が必要だからだ」という。読書は、避けることができない情報洪水への静かな革命の試金石であり、一人だけの時間と向き合うということなのだ。
大切なことは「読書は本と一体化するのだ!」ということ!
(キンドルに関しては、いまだに画面の色彩が気に食わないらしい・・・・・)
息子の「グレート・ギャッビー」絡みの宿題を手伝う羽目になったことが、そもそも読書たるものをクソまじめに考えるきっかけになったようだ。
で、この手の読書評論の常として、いろんな書物が紹介されてはいるが、決してこれらの本を読みなさい!って推薦しているのではない。そのような本は一冊もない。要は、どのような本でもいいということで、著者自身、複数の本を並行的に読み進んでいる・・・・・。
情報洪水の現代、「今こそ真の読書の出番である、なぜなら読書には時間と向き合う余裕が必要だからだ」という。読書は、避けることができない情報洪水への静かな革命の試金石であり、一人だけの時間と向き合うということなのだ。
大切なことは「読書は本と一体化するのだ!」ということ!
2015年5月12日に日本でレビュー済み
1.内容
著者も大半の人もそうだろうが、電子端末やインターネットの普及で、読書がしにくい現状にある。そんな中で、読書、特に文学を読むことの意味を探り、タブレット端末や電子書籍端末が読書のあり方をどう変えるかを語った本である。
2.評価
本書に書かれていることは、おそらく多数の読者が経験していることだろうから、本書はタイムリーである。本書を読んで、本に没入する感覚を取り戻せればいいのだろう。ただ、邦訳のある本が多いとはいえ(p206〜p201)、外国の本が多く少々実感が持てなかったこと(本書をきっかけに読めばいいだけだが)、 人間の権利 (岩波文庫 白 106-2) も匿名で書かれているのに、インターネットに限り評価が低いのが解せないこと(究極的には内容だろうが、それは匿名性と何も関係ない)、以上2点により星1つ減らして星4つとする。
著者も大半の人もそうだろうが、電子端末やインターネットの普及で、読書がしにくい現状にある。そんな中で、読書、特に文学を読むことの意味を探り、タブレット端末や電子書籍端末が読書のあり方をどう変えるかを語った本である。
2.評価
本書に書かれていることは、おそらく多数の読者が経験していることだろうから、本書はタイムリーである。本書を読んで、本に没入する感覚を取り戻せればいいのだろう。ただ、邦訳のある本が多いとはいえ(p206〜p201)、外国の本が多く少々実感が持てなかったこと(本書をきっかけに読めばいいだけだが)、 人間の権利 (岩波文庫 白 106-2) も匿名で書かれているのに、インターネットに限り評価が低いのが解せないこと(究極的には内容だろうが、それは匿名性と何も関係ない)、以上2点により星1つ減らして星4つとする。
2012年5月1日に日本でレビュー済み
私自身がインターネット分野を生業としていながら、電子ブック等での読書やe-ラーニング全盛には、違和感を感じている。そういう面から、本書のタイトルと新聞で見た書評にひきつけられて購入し読んだ。アメリカ人の文芸評論家の筆だけに、実に広範な書物を紹介しているが、私が見る限り、どれも深く読むことに重要性がある書物ではない。せいぜい、カフカの「変身」くらいであって、実際には電子ブックで読んでみても、こういう書物をただ広く浅く読むだけなら違和感も生まないだろうと思った。この書物で、カーの「ネットばか」が紹介してあるが、むしろそういう紹介本としての意味しかないように思う。実際に私が危惧しているのは、もっと書物を深く読む姿勢と、それを電子化することによって『行間を読む』という姿勢が成り立たなくなって、読書の意味が変質することである。そういう危険性は、この書物でも触れられてはいるが、著者の読書に対する姿勢が異なったものなので、参考にはならなかった。よく学習塾などで流行っている速読術などというものは、たしかに現在の受験対策にはいいだろうが、そういう術を身に付けた若者は、物知り官僚にはなれるだろうが、真に次世代に世界をリードする人材にはならないだろう。この著者からも、速読術を身に付けた人間の面白くない一面を、この著書の範囲では、感じた。ただ、広く浅く、かつ沢山の本を”見る”『速読術師』には、インターネット読書は本心では好んでいるのではないだろうか?その先には、「自動暗記術」くらいが、次世代の人工知能で出現しないかと期待しているのではないだろうか?この書物の本当の私の評価は非常に低いけれど、ひょっとすると、広く浅くを意図していて、現代の受験戦争に毒され切った若者が、逆の側面を見て、自己の方向に疑問を持つ可能性もあるなと思って、☆3つにした。