無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
環境先進国ドイツの今―緑とトラムの街カールスルーエから 単行本 – 2004/12/20
- 本の長さ207ページ
- 言語日本語
- 出版社学芸出版社
- 発売日2004/12/20
- ISBN-104761523549
- ISBN-13978-4761523541
商品の説明
抜粋
これは決して、ドイツの環境対策や環境意識の水準が低いということではない。日本が参考にできることは、それこそ無数にあり、だからこそ本書を世に出す意味もあるはずだ。ただ、日本で紹介される「環境先進国ドイツ像」には、概して物事の裏面と本音が抜け落ち、社会背景を考えずに「いいところ」だけを選び出した議論が目立つ。だいたい、当のドイツ人に「環境先進国」という言葉を投げかけると、大抵は「ドイツにもいろいろ問題があるんだけどね…」と苦笑いが返ってくる。理想化された「環境先進国ドイツ」ではなく、課題や問題点も含めた「ドイツの実像」を探ることがこの本の一つめの主題となる。
二つめの主題は、目線を地方自治体の高さに合わせて地域の特色を活かした環境と街づくりの取り組みを紹介すること。その舞台となるのは、筆者の住むドイツ南西部カールスルーエ市。一口に環境・街づくりといっても分野は広いが、テーマを街の緑、都市交通、ゴミのリサイクル、自然エネルギー、エコロジーライフに絞り、それぞれの取り組みが地域の中で有機的に結び付きながら機能している様子をわかりやすく解説したい。
ドイツのことを「大いなる田舎」と評した人がいる。住んだことのある人だと、ドイツの一面をズバリ言い当てたその表現にうなづけるだろう。好意的に書けば「流行に左右されない頑固さ」。意地悪い書き方をすれば「野暮ったくて柔軟性に欠ける」、そして「娯楽の少ない退屈なところ」。初めはそう感じるのだが、だんだんと、時間の使い方の贅沢さや身近な自然に親しむ生活が心地良くなってくる。噛めば噛むほど味が出る、そういう濃厚な魅力を持つ国である。
そんな生活スタイルや100年経っても変わらない街並みなど、保守的と評される場合もあるが、こと、環境保全や社会システムに関しては、驚くほど革新的な実験を行う。その原動力がどこから来るのかと問われれば、筆者の答えは「活発な市民参加」と「地方分権の精神」。主体的にプロジェクトを企画実行する地域の独自性と創造性が、それを可能にしている。
著者について
登録情報
- 出版社 : 学芸出版社 (2004/12/20)
- 発売日 : 2004/12/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 207ページ
- ISBN-10 : 4761523549
- ISBN-13 : 978-4761523541
- Amazon 売れ筋ランキング: - 779,773位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 610位環境問題
- - 1,270位都市開発・都市問題 (本)
- - 1,936位建築・土木工学
- カスタマーレビュー:
著者について
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
読む人は、いろいろな教訓を得るはず。私が面白いと思ったのは。
1)カールスルーエ市の人口30万人、市の公園局の職員300名、うち設計・事務70名。まず、設計重視が素晴らしい。全体設計が良くないと、無駄・非効率・無秩序を招来する。日本の街にはたくさん税金を投入したはずだけれど、美しくならない。
2)公園にはクラインガルテン(市民菜園=総面積316ha)が含まれる。市民の10%程度が楽しんでいる。雨水の利用、安全なコンポストの利用などの規律がある。土と親しめて心身の健康増進になる。野菜などを栽培できる(家計の補助にもなるので、景気浮沈の際にクッションになると思う)。また、コミュニケーションの場にもなっている。
3)水道・水資源の保護の徹底。
4)サイクリング道の充実。トラムにも自転車を載せることができる。
5)自然エネルギーの導入の工夫(現在、ドイツは太陽光発電に力を入れ、世界の先端を走っている) などなど。
他に、エコロジー住宅の話が興味深い。住宅は古くなったけれど、最近また見学者が増えているという。理由は、共同社会の価値が見直されてきたから。みんなが知り合い。料理の材料が足りなくなったら、隣近所から借りてくる。外出時には子供を預ける。そんなコミュニティ社会(設計段階から関与していることも大きい)は、やはり良いなということだろう。
現在、環境問題の深刻化により、このトラムが見直されつつある。そして一部の都市では復活の計画案が挙がっていると聞く。
ドイツ製のトラムは非常にデザインも良く素直に美しいと感じる。
古くの日本製トラムのような夏に暑く、冬に寒く、そして走ればノロイといった悪いイメージは全くない。
まったく新しいマス交通機関としてトラムが復活する日を私は期待している。環境問題を考える意味でも、都市工学を考える意味だも参考になった。