¥3,080 税込
ポイント: 31pt  (1%)  詳細はこちら
無料配送6月10日 月曜日にお届け
詳細を見る
または 最も早い配送 明日 6月9日にお届け(4 時間 40 分以内にご注文の場合)
詳細を見る
残り1点(入荷予定あり) 在庫状況について
¥3,080 () 選択したオプションを含めます。 最初の月の支払いと選択されたオプションが含まれています。 詳細
価格
小計
¥3,080
小計
初期支払いの内訳
レジで表示される配送料、配送日、注文合計 (税込)。
Kindleアプリのロゴ画像

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません

ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。

携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。

KindleアプリをダウンロードするためのQRコード

著者をフォロー

何か問題が発生しました。後で再度リクエストしてください。

フェスの保全と近代化: モロッコの歴史都市 単行本 – 2008/3/1

5.0 5つ星のうち5.0 1個の評価

{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥3,080","priceAmount":3080.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"3,080","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"rZnjLpapXHbp47gJK9CUMh9tFClXXKONzCvlDixt7ZoCA5cH7Px3xwsEGPKoLeyFywdmBjQivuut1HyyQU0aAh7u7Wd5mGziQj2%2BBK%2BM4PWQlpEkHfJLILmUf7VSbHvk","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}]}

購入オプションとあわせ買い

商品の説明

抜粋

モロッコを最初に訪れたのは、一九九七年の夏のことである。大学の同級生の示唆を得た私は、ポルトガル、南スペイン、そしてモロッコという旅程を組んだ。タイルの似合う坂の町リスボンから入って、ムーア城、エヴォラと、オリーブの大地を列車で南下し、アヤモンテでスペイン入りした。セビーリャ、グラナダ、コルドバをバスで回り、それまで経験したことのなかった石造りで稠密な市街地の落ち着きと陽気な人々に驚き、ヒラルダの塔、アルハンブラ宮殿、メスキータ・モスクの力強さに、かつてのモロッコ支配の栄華の跡を思った。
  フェリーでジブラルタル海峡を渡り、モロッコのタンジェに降り立つと状況は一変した。都市や建築の持つ本来の面白さと美しさは確かに共通のもので、勝るとも劣らない。照り付ける太陽の下、距離感をつかめないままバックパックを背に辿り着いた遺産の数々は、忘れ難いものがある。しかし、あまりにも雑に扱われており、埃っぽく、そして人々は貧しかった。多少の知識はあったものの、歴史書や小説で見るモロッコと、実体験として目の前にあるモロッコとの乖離は明らかであった。フェスでは旧市街を徹底的に歩き回ったが、深夜に宿から出てみると、そこらじゅうにゴミが散乱していた。帰国の機内では、旅の余韻に浸りながら、こうした現実的な都市問題に光を当てるような研究をしたらどうだろうと、漠然と考えたのである。
  実際にやってみると、こうした都市問題は、どうやら保護領時代から続く様々な試みと葛藤の中で形成されてきたものらしいということがわかってきた。保護領時代の実践とはいえ、プロスト、ラプラド、エコシャール、キャンディリスといった、後にフランスを代表する都市計画家、建築家達の、若き日の自由闊達とした活躍は、必ずしも一面的に非難できるものではないと思った。一方で、すでに現代の潮流となった感のある歴史遺産の保全も、現実には方法や手段に様々な課題が残されているとも感じられた。歴史都市にせよ近代都市にせよ、結局は人間の営みによって作られるものである。両者を明確に分離して考えることは、手続きとしては有効であっても、それだけで本質的な認識には到達しえないであろう。危機に瀕する歴史都市に対して現実に人が何かをなさねばならない時に、私が考えたのはそういうことである。
  本書の元となったのは、筆者が二〇〇五年に慶應義塾大学に提出した博士論文である。日端康雄先生(都市工学)をはじめ、三宅理一先生(フランス都市建築史)、奥田敦先生(イスラーム法)、梶秀樹先生(国際協力)など、慶應義塾大学の多彩な先生方のご指導をいただいた。多文化の国モロッコについて、都市工学の分野から研究ができたのは、SFC(湘南藤沢キャンパス)の学際的な研究・教育環境のおかげである。

 また、本書執筆の間、多くの学会、研究会の場に参加させて頂き、またフランスに二年、モロッコに二年、シリアに一年半の留学の機会があった。イスラーム都市・建築研究会を指導して下さっている深見奈緒子先生・新井勇治先生、都市の重層化という本質的なテーマを示唆して下さった陣内秀信先生、歴史研究の精神を教えて頂いた黒木英充先生、植民都市の視点を提起して頂いた安藤正雄先生など、お名前をあげれば本当にきりがないが、本書をいち早く送り届けたい多くの先達に恵まれた。留学先のモロッコでは、アル=アハワイーン大学のエリック・ロス准教授を初めとする先生方に、分野を越えたモロッコ学を手ほどき頂き、またロータリー財団フェス・カラウィーン支部では、本書にもたびたび登場したタジモアティ・ハリッド氏、ジャン・ポール・イシター氏らに、財団奨学生として親身のお付き合いを頂いた。シリアでは、日本のODAによる「ダマスカス首都圏総合都市開発計画策定調査」を推進されているコンサルタント、橋本強司氏の後姿に、実務家気質を垣間見せて頂いた。

著者について

1973年神奈川県生まれ。
ロータリー財団奨学生として、モロッコ国アル=アハワイーン・イフラン大学大学院国際学研究科地中海・北アフリカ学専攻留学。2005年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科環境デザイン・ガバナンス・プログラム博士課程終了。専門は都市計画・地域計画・地中海都市論。博士(学術)。2006年より日本学術振興会特別研究員として、シリア国立アレッポ大学学術交流日本センター博士研究員。2007年よりフランス政府給費研修生として、フランス国立科学研究センターパリ建築都市社会研究所博士研究員。

主な論文に「アレッポのまちが残った 建築家・番匠谷尭二の足跡を追って」(月間オルタ)などがある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 学芸出版社 (2008/3/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/3/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 271ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4761524243
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4761524241
  • カスタマーレビュー:
    5.0 5つ星のうち5.0 1個の評価

著者について

著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
松原 康介
Brief content visible, double tap to read full content.
Full content visible, double tap to read brief content.

1973年茅ヶ崎生まれ。筑波大学理工情報生命学術院社会工学域・国際総合学類准教授。

慶應義塾大学文学部史学科東洋史学専攻卒業。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科環境デザインプログラム修了。

博士(学術)。一級建築士。専門は中東・北アフリカ地域の建築・都市計画史。

建築士の修行(兼業)で、とあるアトリエで働いています。

【海外暦】

2001年から2003年まで、ロータリー財団奨学生として、アル=アハワイン大学大学院国際学研究科北アフリカ・地中海学研究専攻留学。

2006年から2007年まで、日本学術振興会特別研究員PDとして、アレッポ大学学術交流日本センター研究員。

2007年から2009年まで、フランス政府給費留学生として、フランス国立科学研究センターパリ建築都市社会研究所研究員。

2009年から2010年まで、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究員として、ベイルート中東研究日本センターに滞在。

2009年から2012年まで、JICAダマスクス首都圏都市計画・管理能力向上プロジェクト・歴史文化保護担当専門家。

2017年、UNDP(国連開発計画)シリア人専門家研修(国内およびレバノン)。

2023年、UNDP(国連開発計画)専門家として、シリア国ハマーにおいて震災被災調査。

など。

【受賞歴】

2023年 Certificate of Commendation(在シリア日本国大使館表彰)

2017年 筑波大学システム情報系教育貢献賞

2016年 日本都市計画学会論文賞

2016年 East Asia Planning History Prize of the International Planning History Society(国際都市計画史学会東アジア都市計画史賞)

2014年 Le Prix du Livre de l’Académie d’Architecture(フランス建築アカデミー書籍賞)(共同)

など。

研究成果を本にする時には、内容的な豊かさと日本語としての読みやすさをこころがけています。

カスタマーレビュー

星5つ中5つ
5つのうち5つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
1グローバルレーティング

この商品をレビュー

他のお客様にも意見を伝えましょう

上位レビュー、対象国: 日本

2008年5月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート