この本は、一見、ふつうの人生論(仏教系)の本に見える。が、決して「ふつう」ではない。もとの単行本のタイトルは『人生はゲームです』という。文庫化に際して改題されているが、中味はほぼそのままである。 人生がゲームであるというのは、最終的には必ず、ゲームオーバー(死)となるからだ。どんな生命であろうとも、必ず死ぬ。そのことを認め、それまでの人生を楽しくゲームすればそれで良いのです、とスマナサーラ師は言う。誤解しないで欲しいのだが、この本は人生をゲームと割り切って虚無的に生きよ、と勧めている訳ではない。すべてのものは無常であり、瞬間瞬間変化していく。ゲームの役割も変わっていく。だから、その役割を上手に果たすには、常に目覚めた智慧が必要となるのだ。
師は、我々に事実をありのままに認めさせた上で、ではどうすればいいのか、という地点において、上座部仏教の教えや瞑想法を示す。実践する、しないは読者の自由。少なくとも事実を認めるだけでも、格段に生きることが楽になる。(あなたが「ありのままの事実」など見たくない、そんなもの忘れて過ごしていたい、というなら話は別だが。)
師の「歯に衣着せぬ」物言いは、本書の魅力の一つと言える。死、幸福、人生等についての我々の態度や思い込みが、時にたとえ話などを用いて露わにされるのには、思わず吹き出してしまうほどだった。 しかし、むろんこの本、「面白い」だけではない。仏教のエッセンスと言っていい内容がふんだんにちりばめられていることには、驚かされる。精読すれば、これ1冊でも、かなりの理解を深められるのではないだろうか。最近の師の著作で興味を持たれた方にも、お勧めしたい。ちなみに文庫のよいところは、絶版になっても(大型の古書店などで)割と入手しやすいところだ・・・。
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人生を100%活かす: ブッダが教える幸せの設計図 (サンマーク文庫 E- 21) 文庫 – 2000/5/1
アルボムッレ スマナサーラ
(著),
Alubomulle Sumanasara
(原名)
- 本の長さ228ページ
- 言語日本語
- 出版社サンマーク出版
- 発売日2000/5/1
- ISBN-104763181076
- ISBN-13978-4763181077
登録情報
- 出版社 : サンマーク出版 (2000/5/1)
- 発売日 : 2000/5/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 228ページ
- ISBN-10 : 4763181076
- ISBN-13 : 978-4763181077
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,136,718位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。スリランカの国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭を とった後、1980年に国費留学生として来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事。全国で 講演やセミナーなども行い、ブッダの根本の教えを説き続けている。また、朝日カルチャーセンター(東京)の講師を務める(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『くじけないこと 角川SSC新書』(ISBN-10:4047315354)が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年7月21日に日本でレビュー済み
2004年10月10日に日本でレビュー済み
本書は単行本として刊行された『人生はゲームです』を改題し、文庫に収録したものです。
「人生はゲームです」という表現は比喩として使っても、人をドキッとさせるものがあります。
ですが、テーラワーダ仏教で「人生はゲームです」というとき、それは比喩として使っているのではありません。
テーラワーダ仏教では現在私たちが生きている世界をサミュッティ・サッチャ(仮想のもの)としてとらえます。
そしてその対極にあるものとしてパラマッタ・サッチャ(真実の世界)を位置づけ、目標とします。
ですから、著者はたとえでもなんでもなく心から「人生はゲームである」と指摘しているわけです。
そう考えると、文庫に収録される際にも単行本と同じタイトルだったらよかったのに…、と思わざるをえません。
「人生はゲームです」という表現は比喩として使っても、人をドキッとさせるものがあります。
ですが、テーラワーダ仏教で「人生はゲームです」というとき、それは比喩として使っているのではありません。
テーラワーダ仏教では現在私たちが生きている世界をサミュッティ・サッチャ(仮想のもの)としてとらえます。
そしてその対極にあるものとしてパラマッタ・サッチャ(真実の世界)を位置づけ、目標とします。
ですから、著者はたとえでもなんでもなく心から「人生はゲームである」と指摘しているわけです。
そう考えると、文庫に収録される際にも単行本と同じタイトルだったらよかったのに…、と思わざるをえません。