この本は日中米の関係について豊富なエビデンスと著者のリアリズムによって精密に分析されたものである。
文は平明明快で素人にもわかりやすく、日本のマスコミを見てもよくわからない全体像がクッキリ見えてくる。
日本が絶対正しい、中国側が悪いとするメディアは世にあふれている。しかし、中立的な視野に立つためには
さまざまな角度から見る必要がある。そういう人にはこの本を強くお勧めしたい。
・中国に対する日米安保はありえない
・アメリカと中国は新しい友人となっている
など、普段新聞やTVしか見ない人には新鮮な分析がズラリと並んでいる。
実際、このレビューを書いている13年12月現在、アメリカの副大統領がアジアを歴訪したが
日本の首相と二人で対談した時間は20分。中国の主席と二人で対談した時間(しかも友好的に)は120分に及ぶ。
いかに中国が新しい友人という著者の分析が当たっているかという証拠の一つになりはしないか。
このような時事関連の本の価値は、いかに現状を正しく分析し、未来を予測出来るかにかかっている。
そういう意味でこの本の価値は高いと思う。
最後に、この本でもっとも衝撃を受けたのは日中国交正常化当時の公的記録が外務省によって改竄されたとする説だ。
確かに、著者の収集した当時の公的発言や状況、そして著者の分析を見ると、日本の記録に不自然さがある。
これが本当であれば将来日本は大きな打撃を受けるのは間違いないだろう。
むしろ本当であって欲しくない、そう思わざるを得ない話である。しかし、著者のリアリズムにどうしても圧倒されるのだ。
追記
2015年1月1日の朝日新聞朝刊に、
“「尖閣、現状維持で合意」 82年に鈴木首相発言 日英首脳会談”
との見出しで、棚上げがあったことを鈴木善幸首相がサッチャー首相に説明していた旨の記事があった
イギリス公文書館の機密解除による公開情報で信頼度は極めて高い。
これにより、この本の筆者の「棚上げの事実を日本外務省が公的記録において隠蔽した」とする説はますます正しい可能性が高まった。
というより、正しいと断言してもよいのではないか。
昨今のNHKを筆頭とする大本営的メディアが跋扈するなか、何が信頼できる情報なのか我々は取捨選択に苦労せざるを得ない。
しかしこの筆者は間違いなく、頼りがいのある真の知識人である。
時が経って価値が落ちる本は数え切れないが、この本の価値は輝くばかりだ。
少しでも多くの人にこの本を読んでもらいたいと思う。
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チャイメリカ: 米中結託と日本の進路 単行本 – 2012/5/1
矢吹 晋
(著)
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- 本の長さ305ページ
- 言語日本語
- 出版社花伝社
- 発売日2012/5/1
- ISBN-104763406353
- ISBN-13978-4763406354
登録情報
- 出版社 : 花伝社 (2012/5/1)
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- 言語 : 日本語
- 単行本 : 305ページ
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- Amazon 売れ筋ランキング: - 875,150位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 105,944位社会・政治 (本)
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2013年12月6日に日本でレビュー済み
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2012年11月27日に日本でレビュー済み
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米国にとっての中国の重要性(優位性)が著者の中国偏向一辺倒で客観性に欠けており不快感を覚えた。
2021年4月21日に日本でレビュー済み
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同名舞台の原作と思い購入しましたが、読んでみたら全く違いました。でもとりあえずざっと目をとおしました。
2013年3月31日に日本でレビュー済み
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著者の長年の絶えざる研究の成果が遺憾なく発揮されていると思う。ただやたらに中国と対決姿勢をみせれば事が解決するものではないと、新たな新路線を提起しているのが素晴らしい。一読に値する。
2014年12月21日に日本でレビュー済み
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One of the great books to understand geopolitics in the East Asian Region among Japan, China, and the United States.
2013年8月23日に日本でレビュー済み
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「採りうる唯一の手段である外交努力に傾注するほかない。それ以外に選択肢はない。」? 一つお忘れです。核がありますよ。
2013年8月15日に日本でレビュー済み
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米国の民主党と共和党はそんなに変わらない政治姿勢と思っていたがかなり違うのが分かりました。日米安保は賞味期限きれという表現は面白い。
2012年10月30日に日本でレビュー済み
永年中国ウオッチャーとして鋭い分析を重ねてきた学会重鎮のひさびさの新刊書籍です。巻頭しょっぱなにバンと横面を張り倒されます。「日本にとって中国が敵であるとき、アメリカは決して味方にはならない」。それがチャイメリカという造語の意味なのです。最新の経済指標を駆使しながら、歴史的な縦深性のある分析を経て、こう著者は処方箋を描きます。「日米安保を見直し、東アジアの地域平和の枠組み構築を模索しつつ、中国に核廃絶を迫り、軍事費の削減を迫るのが日本の安全保障と外交の基軸でなければならない」。内容の詳細はお読みいただくお楽しみとして、私が素人ながら驚いたのは、第二部で描かれた現在の中国最高幹部たちを蝕んでいる病です。人民元レートを実勢以下に抑えることで、中国人民の労働の成果を安売りし、ドル保有外貨準備高を世界一にする。その基盤があって特権階級は「一般国民は国内経済の枠内に留めておき、支配階級だけが外貨を自由に扱える」。つまり社会主義の名のもとに、国民の犠牲の上に成り立つ階級支配が定着しているのです!なぜ中国が軍事大国化するのか?内陸部の貧困をよそに、なぜ世界で軍事費第二位の地位を占めるのか?ナショナリズムの発露?海洋国家への転進?いいえ違います。その結論は、全290頁の本書をお読み下さい。毛沢東のような独裁者の復活をなぜ現代の民衆が渇望するのか、その理由が十分判って来ます。中国が嫌いな人も、好きな人も、民主党の方も、自民党の方も、この鋭い警告に、冷静かつ謙虚に耳を傾けられることをお勧めします。それにしても日本は、政治は、外交は、どこへ漂うのでしょうか?素人ながら心配になって来ました。