ルターの聖書序文集（全）とその同僚メランヒトンの神学総覧（初版）が収録されている。ルターは自らの真正の著作として「教理問答」と「奴隷意志論」を挙げたけど、個人的にはこの序文集も入れてもいいんじゃないかなと思う。
聖書序文はルター著作集第二集にも収められているけど、分冊で別れちゃっており、且つ全部ではない模様。他には岩波文庫でも三つだけ収録されているのが出ているが、さすがに訳文が古いか。ルター著作選集はローマ書序文だけ収録。
有名な「ヤコブ書は藁の書」発言は「新約聖書のどの書が正しい、最も貴重なものであるか」序文の最後の部分に書かれている。これは1534年版以降には削除されてしまうので、さすがにルターも言い過ぎかと思ったのだろうか。ルターらしくて面白い序文なんだけれども。そのように書かれた理由は「聖ヤコブ・聖ユダの手紙」序文を読むとなんとなく分かってくる。
神学総覧はルター派のみならず全プロテスタントでの最初の組織的教義書として有名。その割にはメランヒトンはルターほど研究されてなく、冷や飯食わされてる感じだけど。
ルターもこの神学総覧を「論駁の余地なく、不朽の価値があるだけではなく、教会の正典に入れてもいい」書と絶賛している。
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