私たちはややもすれば、古代の宗教は純粋で原理的だったと考えがちですが、これは誤りのようです。この本は古代キリスト教徒の軍隊ないしは戦争に対する考えがいかに多様であったかということを教えてくれます。
そもそも、平和主義と反戦主義、非暴力主義、反兵役主義は異なる、ということに注意する必要があります。イエス自身も「マタイの福音書」の中で「その兵士に軍務をはなれるようにとはお命じにはならなかった」(184頁)わけで、軍隊そのものを否定していたのではありませんでした。もちろん、イエスは非暴力主義者ですが、「キリストの非暴力の教えは、教父や古代キリスト教徒たちによっては、単純な平和主義者や兵役忌避というやり方で解釈されたり、実行されたりしなかった」(32頁)のです。また、アウグスティーヌスも、「戦争自体は適切な人によって行われてもよい中立的な行動であると述べている」のです。
古代キリスト教徒には、信仰的理由から皇帝への絶対的服従を拒否して処刑された兵士もいれば、上記のような考え方もあり、実に多様だったわけです。
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古代のキリスト教徒と軍隊 ペーパーバック – 1988/1/1
- 本の長さ246ページ
- 言語日本語
- 出版社教文館
- 発売日1988/1/1
- ISBN-104764262576
- ISBN-13978-4764262577
登録情報
- 出版社 : 教文館 (1988/1/1)
- 発売日 : 1988/1/1
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 246ページ
- ISBN-10 : 4764262576
- ISBN-13 : 978-4764262577
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