戦国時代の日本の戦闘の様子について、同時期の西洋と比較しながら詳細に分析した貴重な本です。
戦国時代の日本は鉄砲や長柄や弓を主武器とした足軽が戦闘で大きな役割を占めるようになっていきますが、これはマスケットやパイクを主武器とした歩兵主体の同時期の西洋のそれと一見良く似ているように見えます。しかし実際には事はそう簡単ではなく、似ているところもあれば似てないところもある。その点について詳細に分析をしています。
例えば、「西洋のパイクは密集方陣を形成するが、日本の長柄足軽はそうしない。」「戦闘の主役が銃や槍の歩兵に映った西洋に対して、日本では足軽はやはり脇役であって主役は短い槍を持った侍」
そういった差について語る事で、日本の戦闘の特徴が浮かび上がってきます。
もちろん全てが納得できる内容という訳ではなく、鈴木真哉氏の説を鵜呑みにしていたりと首を捻る箇所はありますが、そういった所を割り引いても価値が高い労作であると言っていいと思います。
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