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泡と兎と首飾り―猫十字社傑作集 (BBMF BOOKS) コミック – 2009/3/6
猫十字社
(著)
多くの出版社で描かかれたため、単行本化できずに埋もれていた作品を検証して、多彩なジャンルから代表的作品を収録しました。全て単行本未収録の傑作集です。
「小さなお茶会」でコミックのメルヘン作品を一新した猫十字社最新作である「水酔放浪記」を完全収録。
「小さなお茶会」でコミックのメルヘン作品を一新した猫十字社最新作である「水酔放浪記」を完全収録。
- 本の長さ193ページ
- 言語日本語
- 出版社グリーンアロー出版社
- 発売日2009/3/6
- ISBN-104766334043
- ISBN-13978-4766334043
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登録情報
- 出版社 : グリーンアロー出版社 (2009/3/6)
- 発売日 : 2009/3/6
- 言語 : 日本語
- コミック : 193ページ
- ISBN-10 : 4766334043
- ISBN-13 : 978-4766334043
- Amazon 売れ筋ランキング: - 324,787位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者の「小さなお茶会」を繰り返し愛読していたが、「幻獣の国物語」などで八頭身の人間が主人公のファンタジー漫画も描き、
多彩な作風を持つ人だということは知っていた。この単行本には作者の多彩な作品が収められており、
やや哲学的で難解な部分もあるため、「小さなお茶会」ほど一般向けではない。
作者の動物ファンタジーものがすきな人には「宝石の女」のような退廃的なムードを持つ作品や、
「獅子のいる里」のようにややダークな部分がある作品は受け入れがたいかもしれない。
万人向けではないため、比較的最近出版されたにもかかわらず、すでに絶版になってしまっている理由だと思う。
「小さなお茶会」を連載していた70年代から作品を作り続けていて、作者自身の人生にも紆余曲折あったようで、
それがこの人の作風により深みを与えているようだ。
収録作品は
「宝石の女」夜のパリを撮った写真家ブラッサイのポートレイトに登場するたくさんの宝石で身を飾る女「宝石の女(モーム・ピジュー)」の数奇な人生を描いたもの。(82年)
「獅子のいる里」都会での人間関係に疲れ果て、深い孤独と空虚に耐えかねて故郷への夜行バスに飛び乗った女性の魂の再生の物語。(06年)
「日々の泡」金魚と同居する漫画家の女性。ある日帰宅すると金魚が鉢から飛び出して空中を浮遊しているのを見て驚愕する。
そんな彼女のもとに故郷の母から宅急便が届いて...。(92年)
「ヴィーナスの腰かけ」東京での生活に見切りをつけ、婚約も解消し、故郷松本に帰った小説家の女性とバイク好きで家具師の彼。今さえ幸せならいいと思っていたが...。(91年)
「水酔放浪記」うさぎのそらやはお酒好き。家を綺麗に掃除して特別なお客を迎える春の夜と、夏草の間をぬって清流のほとりにある不思議な店をたずねる夏の夜。(08年)
7年に一度の祭りというのは長野県の御柱祭りがモデルだろうか。都会にはない星の輝く暗い夜空、厳しい冬とアルプスの山々と、
その裾野に広がる果樹園、カジカガエルがすむ清流と、獅子神楽の獅子に対する深い信仰。長野県出身、在住の著者の故郷に対する深い愛情と、
痛みを抱えてなおも生きることへのいとおしさを感じた。原稿はとても丁寧で、1ページ1ページがイラスト集としても楽しめるほどの完成度。
多彩な作風を持つ人だということは知っていた。この単行本には作者の多彩な作品が収められており、
やや哲学的で難解な部分もあるため、「小さなお茶会」ほど一般向けではない。
作者の動物ファンタジーものがすきな人には「宝石の女」のような退廃的なムードを持つ作品や、
「獅子のいる里」のようにややダークな部分がある作品は受け入れがたいかもしれない。
万人向けではないため、比較的最近出版されたにもかかわらず、すでに絶版になってしまっている理由だと思う。
「小さなお茶会」を連載していた70年代から作品を作り続けていて、作者自身の人生にも紆余曲折あったようで、
それがこの人の作風により深みを与えているようだ。
収録作品は
「宝石の女」夜のパリを撮った写真家ブラッサイのポートレイトに登場するたくさんの宝石で身を飾る女「宝石の女(モーム・ピジュー)」の数奇な人生を描いたもの。(82年)
「獅子のいる里」都会での人間関係に疲れ果て、深い孤独と空虚に耐えかねて故郷への夜行バスに飛び乗った女性の魂の再生の物語。(06年)
「日々の泡」金魚と同居する漫画家の女性。ある日帰宅すると金魚が鉢から飛び出して空中を浮遊しているのを見て驚愕する。
そんな彼女のもとに故郷の母から宅急便が届いて...。(92年)
「ヴィーナスの腰かけ」東京での生活に見切りをつけ、婚約も解消し、故郷松本に帰った小説家の女性とバイク好きで家具師の彼。今さえ幸せならいいと思っていたが...。(91年)
「水酔放浪記」うさぎのそらやはお酒好き。家を綺麗に掃除して特別なお客を迎える春の夜と、夏草の間をぬって清流のほとりにある不思議な店をたずねる夏の夜。(08年)
7年に一度の祭りというのは長野県の御柱祭りがモデルだろうか。都会にはない星の輝く暗い夜空、厳しい冬とアルプスの山々と、
その裾野に広がる果樹園、カジカガエルがすむ清流と、獅子神楽の獅子に対する深い信仰。長野県出身、在住の著者の故郷に対する深い愛情と、
痛みを抱えてなおも生きることへのいとおしさを感じた。原稿はとても丁寧で、1ページ1ページがイラスト集としても楽しめるほどの完成度。
2013年4月9日に日本でレビュー済み
巻頭収録作、モームビジュー、宝石の女。に再会した驚きと喜びは大きかったです。
この作品を読んだ頃、自分は幾つでしたっけ。取り敢えず小娘とも言えないような子供だったけど
妙に魅かれ、ちーともコミックにならないので雑誌を切り取って保管していたような記憶があります。
なんというか怪しくもデカダンに満ちた、魅力的な作品です。
パリの背徳、入り混じるシノワズリ。古いフランス映画そのものの雰囲気を持つ作品です。
他にも少々時代が古くなった系のレディースな作品はいいとして、
心を閉ざして猫(人外のもの)になっていた女の子が、上京して生きている。という作品があり
ラストの、人間に戻りつつある少女が故郷に向かう、バスからの風景を描いた大ゴマが良かった。
都会にはない、真っ暗な夜空。更に黒い、高い山々。低い場所に蟠る数多の街明かり。
その闇の空を疾駆する、魂の救い主たる獅子達の姿には泣けて来ました。
大げさでなく、本当にこちらまで救われたような気分になったのです。
それから兎のそらやが主人公の、ファンタスティックなのに微かにダークな連作群。
心の裏側。誰もがこっそり守っている部分に触れて来るようなお伽噺的世界観もまた、素晴らしい。
こちらにも獅子は一種の癒しの化身として現れます。気のいいオッサンみたいなお獅子です。
多分、人の煩悩を喰う、その獅子達が集まり桜を咲かせ、天に昇って行くCG合成を含んだ絵の美しさよ。
漫画の絵そのものに感動したのは初めてです。壮大にして清冽。最早一枚の絵画作品でした。
本書には、全体にちょっとだけ重いものの、ラストには必ず重さや痛みを一切払拭してくれる、
真に暖かな救いのある作品群が集められています。
きっと我々が生きる惑いを感じた時、ひも解いてみるのに適しています。
それから上京組の女の子達、心の痛みを内包して頑張ってしまうタイプの子達が挫けそうになった時。
本書は結構、良い傷薬になってくれるんじゃないかと思います。
この作品を読んだ頃、自分は幾つでしたっけ。取り敢えず小娘とも言えないような子供だったけど
妙に魅かれ、ちーともコミックにならないので雑誌を切り取って保管していたような記憶があります。
なんというか怪しくもデカダンに満ちた、魅力的な作品です。
パリの背徳、入り混じるシノワズリ。古いフランス映画そのものの雰囲気を持つ作品です。
他にも少々時代が古くなった系のレディースな作品はいいとして、
心を閉ざして猫(人外のもの)になっていた女の子が、上京して生きている。という作品があり
ラストの、人間に戻りつつある少女が故郷に向かう、バスからの風景を描いた大ゴマが良かった。
都会にはない、真っ暗な夜空。更に黒い、高い山々。低い場所に蟠る数多の街明かり。
その闇の空を疾駆する、魂の救い主たる獅子達の姿には泣けて来ました。
大げさでなく、本当にこちらまで救われたような気分になったのです。
それから兎のそらやが主人公の、ファンタスティックなのに微かにダークな連作群。
心の裏側。誰もがこっそり守っている部分に触れて来るようなお伽噺的世界観もまた、素晴らしい。
こちらにも獅子は一種の癒しの化身として現れます。気のいいオッサンみたいなお獅子です。
多分、人の煩悩を喰う、その獅子達が集まり桜を咲かせ、天に昇って行くCG合成を含んだ絵の美しさよ。
漫画の絵そのものに感動したのは初めてです。壮大にして清冽。最早一枚の絵画作品でした。
本書には、全体にちょっとだけ重いものの、ラストには必ず重さや痛みを一切払拭してくれる、
真に暖かな救いのある作品群が集められています。
きっと我々が生きる惑いを感じた時、ひも解いてみるのに適しています。
それから上京組の女の子達、心の痛みを内包して頑張ってしまうタイプの子達が挫けそうになった時。
本書は結構、良い傷薬になってくれるんじゃないかと思います。
2010年6月17日に日本でレビュー済み
お茶がお酒になりました。かつて作者の作品を桃源郷としていた私には、作者の軌跡をたどると共に変わらぬ世界観(そして成長)を愉しむことができ、とても嬉しい単行本でした。この作者は作品によって作風が変わります。絵も世界観も異なりますが、どの作品にも猫十字社ならではの味があります。この本も作者の多面性を編集していました。「もんもん組」のギャグや毒はありませんが、リアル作者(?)の毒やハートは健在。少女漫画界の大御所でないけど異彩を放ち存在感ある作品を描く人だとあらためて思いました。
2015年8月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本作にも登場する、カジカ蛙。
鈴を振るような声を初めて聞いたときは、美しい音色に耳を疑いました。
清流に棲むと言いますが、人家の多い我が家の近くにも細々と生きています。
小さな体から発する大きな声を、宵闇のなかで聞くと、ぎょっとすることさえありますが、
毎年その声を聞くたびに、「今年も生きている」という喜びと、「来年は聞けるのだろうか?」
という切なさが湧き上がります。
そんなカジカの声が、読んでいる間中、遠く近くに鳴りひびく。
自分のすぐ近くにありながら、目を、耳を疑うように美しいもの。
でも、あっという間に消えてしまいそうな、もの。
そして、美しさというイレギュラーが、怖さにも通じる回路にもなっている。
そんな世界が、作者の手で織り成されていきます。
鈴を振るような声を初めて聞いたときは、美しい音色に耳を疑いました。
清流に棲むと言いますが、人家の多い我が家の近くにも細々と生きています。
小さな体から発する大きな声を、宵闇のなかで聞くと、ぎょっとすることさえありますが、
毎年その声を聞くたびに、「今年も生きている」という喜びと、「来年は聞けるのだろうか?」
という切なさが湧き上がります。
そんなカジカの声が、読んでいる間中、遠く近くに鳴りひびく。
自分のすぐ近くにありながら、目を、耳を疑うように美しいもの。
でも、あっという間に消えてしまいそうな、もの。
そして、美しさというイレギュラーが、怖さにも通じる回路にもなっている。
そんな世界が、作者の手で織り成されていきます。