地球温暖化交渉はまさに多次元方程式。日米加を中心とするグループ、EU、ロシアと東欧、途上国、島嶼国、その他のグループと、ざっと挙げただけでも6つの勢力がそれぞれの利害を踏まえた主張を行っています。それらの主張は、どれも各国・各地域の抜き差しならぬ事情によるもの。どれ一つを軽視しても、交渉はまとまりません。
本書では、交渉に参加した環境省職員の方が、日本を含めた各グループの主張の変遷と経緯を丹念に記述しています。締約国会議に至る準備会合や予備交渉の経緯も漏らさず描写されています。ターニングポイントはどこか。誰のどの行動が妥結への足がかりになったか。米国離脱により各国の位置づけはどう変化したか。これらの問いが、丹念な事実描写により語られています。
時に扇情的な記述も混じるルポルタージュではなく、事実に語らせることを主眼においているので、一読して読みづらいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、交渉の現場とは、常に膨大で複雑な事実と難題が錯綜する、地道な作業の場だと言うことが実感できると思います。ですから、読みにくさを理由とした減点はあえてしておりません。
本書を読み、ありのままの国際交渉の現場を追体験しましょう。
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京都議定書をめぐる国際交渉: COP3以降の交渉経緯 ペーパーバック – 2006/5/2
浜中 裕徳
(著)
「京都議定書」が締結されるまでの外交交渉に直接携わった当時の環境省担当官による交渉経緯レビュー。
京都議定書から離脱したアメリカや、排出抑制の自主的約束すら拒否し先進国による途上国支援義務の履行を強く求める途上国、先進国の国内排出削減を重視し吸収源や京都メカニズムには抜け穴になるとして厳しい姿勢を示したEUなどが主導権争いを行うなかで、COP3議長国として京都議定書の早期発効をめざして、実施・運用ルールの合意形成を主導した日本の外交交渉を描く。「京都議定書」全文、交渉経緯年表、京都議定書関連用語集、その他合意文書など、関連資料も充実。
京都議定書から離脱したアメリカや、排出抑制の自主的約束すら拒否し先進国による途上国支援義務の履行を強く求める途上国、先進国の国内排出削減を重視し吸収源や京都メカニズムには抜け穴になるとして厳しい姿勢を示したEUなどが主導権争いを行うなかで、COP3議長国として京都議定書の早期発効をめざして、実施・運用ルールの合意形成を主導した日本の外交交渉を描く。「京都議定書」全文、交渉経緯年表、京都議定書関連用語集、その他合意文書など、関連資料も充実。
- 本の長さ265ページ
- 言語日本語
- 出版社慶應義塾大学出版会
- 発売日2006/5/2
- ISBN-104766412850
- ISBN-13978-4766412857
商品の説明
著者について
浜中裕徳
慶應義塾大学環境情報学部教授
(元環境省地球環境審議官)
慶應義塾大学環境情報学部教授
(元環境省地球環境審議官)
関谷毅史
環境省地球環境局地球温暖化対策課課長補佐
(元地球環境局地球温暖化対策課温暖化国際対策推進室室長補佐)
高橋康夫
環境省水・大気環境局閉鎖性海域対策室長
(元地球環境局地球温暖化対策課温暖化国際対策推進室長)
大倉紀彰
環境省大臣官房総務課課長補佐
(元地球環境局地球温暖化対策課温暖化国際対策推進室主査)
木村祐二
日本環境安全事業株式会社事業部長
(元環境省地球環境局研究調査室長)
久保田泉
国立環境研究所社会環境システム研究領域環境経済・政策研究室研究員
登録情報
- 出版社 : 慶應義塾大学出版会 (2006/5/2)
- 発売日 : 2006/5/2
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 265ページ
- ISBN-10 : 4766412850
- ISBN-13 : 978-4766412857
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,627,579位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,289位都市開発・都市問題 (本)
- - 5,654位国際政治情勢
- - 12,132位政治入門
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2007年1月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2006年6月20日に日本でレビュー済み
国際交渉の現場のダイナミズムを描ききっている。しかし、読みこなすには地球温暖化問題の国際交渉に関する基礎知識があることが前提になります。
ある特定のissueに携わっている人にとっては非常に役立つ本です。この観点からすると究極のKnowldge Sharingといえると考えます。このような形で記録しないと残らないことも多々あるのでしょう。日本以外の交渉官はこういったものを、個人のノートなどで整理しているのかもしれないですね。日本の交渉官は官僚なので、通常2年で異動、長くても5年で異動なので、この書籍の役割は非常に重要。
一般受けはしないだろうということで(個人的見解ですが)★一つ減です。
ある特定のissueに携わっている人にとっては非常に役立つ本です。この観点からすると究極のKnowldge Sharingといえると考えます。このような形で記録しないと残らないことも多々あるのでしょう。日本以外の交渉官はこういったものを、個人のノートなどで整理しているのかもしれないですね。日本の交渉官は官僚なので、通常2年で異動、長くても5年で異動なので、この書籍の役割は非常に重要。
一般受けはしないだろうということで(個人的見解ですが)★一つ減です。