孤高の政治家(軍人)といわれるドゴールについてその生き様と精神を知りたくて買い求めたものだが、読み進めるうちに、引き込まれるように一気に読み終えた。
本書の前半部に当たる、ドゴールの生い立ちから第二次世界大戦を経て、第五共和制確立のあたりまでの半生(既に70歳頃)のところは、彼の英雄的伝記要素に満たされている。
第二次大戦中のナチス及び親ナチ仏政府からのフランス解放活動、米英首脳との軋轢と屈辱、アルジェリア独立危機を契機とした復活などを通じて、彼の終生にわたる国家感と行動原理が浮かび上がってくる。
一方、第五共和制確立後の晩年(?)におけるところは、少しおもむきが変わって伝記的書きぶりというより、当時の冷戦下におけるドゴールの外交政策とその深層にあるもの、そして評価と批判が展開される。緊張した東西対決の中で、特に米国とわたり合おうとする独自の外交姿勢(時に駆け引き)とその背景が明らかにされ、ドゴールの屈折感まで読み取れる。
そして、国内的・社会的課題との齟齬をもってドゴール体制の終幕へとつながっていく。
本書は、ドゴールの主に政治面にスポットを当てた評伝ではあり、各所で感動を覚えるものであるが、今の日本を取り巻くグローバルな政治環境の中で日本がどう行動すべきかを、考える材料を読者に与えてくれている。
こうした評伝が洋書のこなれの悪い翻訳版ではなく、日本の研究者によって書かれたことにより、我々の琴線に触れ、非常に読みやすく理解しやすいものになっている。新書版程度では表し切れないものが、本書では精緻にただし明快に(くどくどしくなく)書き込まれていて、その面からも満足感の残る良い書であった。
(予断ながら、)このあとにド・ゴール自身の「剣の刃」を読んだ。本当に感銘した。
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シャルル・ドゴール:民主主義の中のリーダーシップへの苦闘 単行本 – 2013/7/14
渡邊 啓貴
(著)
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ドゴールはフランスをどのように導いたのか?
民主主義の時代におけるリーダーシップのあり方とは?
ひとりの政治家を通じて描かれる現代フランスの肖像。
▼第一次大戦での奮闘と捕虜生活、第二次大戦期のナチスによるパリ陥落とロンドンでの亡命政府樹立、そして復興フランスの政治家~大統領へ。両世界大戦から戦後冷戦へと続く激動のヨーロッパを舞台に、「現代フランスを築いた父」ドゴールの生涯を生き生きと描く、渾身の書き下ろし。
▼「フランスを解放に率いた軍人ドゴール」。これまで日本でひんぱんに紹介されたドゴールの姿は、しかし多面的でその長い生涯の一部にすぎない。本書では、第五共和制大統領時代の、「行動の自由を得るための外交」政策、アメリカ・ソ連に対する「第三の極」としてのヨーロッパ、という考え方と行動にもより強いスポットをあてるとともに、民主主義のなかの政治的リーダーシップのありかたを探っていく。
▼冷戦期には、米国の「核の傘」に入ることを拒みNATOを脱退、また、大戦の仇敵であったドイツのアデナウアー首相を自宅に招くなど仏独融和を演出したドゴール。アルジェリア独立承認の決断、中国とのいち早い国交樹立など、イデオロギーに囚われない徹底した現実主義と透徹した先見性。そしてその決断力と行動力をもった「政治家」の姿は、国際関係の緊張に懊悩する現在の日本人にも、時代を超えて多くの示唆を与える。
▼政治家としてのドゴールを描写する一方、障害を背負った娘を慈しみ育て、彼女の死後は基金を創設するなど慎ましく生きたその私生活まで、ドゴールの知られざる素顔へとせまる。
民主主義の時代におけるリーダーシップのあり方とは?
ひとりの政治家を通じて描かれる現代フランスの肖像。
▼第一次大戦での奮闘と捕虜生活、第二次大戦期のナチスによるパリ陥落とロンドンでの亡命政府樹立、そして復興フランスの政治家~大統領へ。両世界大戦から戦後冷戦へと続く激動のヨーロッパを舞台に、「現代フランスを築いた父」ドゴールの生涯を生き生きと描く、渾身の書き下ろし。
▼「フランスを解放に率いた軍人ドゴール」。これまで日本でひんぱんに紹介されたドゴールの姿は、しかし多面的でその長い生涯の一部にすぎない。本書では、第五共和制大統領時代の、「行動の自由を得るための外交」政策、アメリカ・ソ連に対する「第三の極」としてのヨーロッパ、という考え方と行動にもより強いスポットをあてるとともに、民主主義のなかの政治的リーダーシップのありかたを探っていく。
▼冷戦期には、米国の「核の傘」に入ることを拒みNATOを脱退、また、大戦の仇敵であったドイツのアデナウアー首相を自宅に招くなど仏独融和を演出したドゴール。アルジェリア独立承認の決断、中国とのいち早い国交樹立など、イデオロギーに囚われない徹底した現実主義と透徹した先見性。そしてその決断力と行動力をもった「政治家」の姿は、国際関係の緊張に懊悩する現在の日本人にも、時代を超えて多くの示唆を与える。
▼政治家としてのドゴールを描写する一方、障害を背負った娘を慈しみ育て、彼女の死後は基金を創設するなど慎ましく生きたその私生活まで、ドゴールの知られざる素顔へとせまる。
- 本の長さ392ページ
- 言語日本語
- 出版社慶應義塾大学出版会
- 発売日2013/7/14
- ISBN-104766420454
- ISBN-13978-4766420456
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商品の説明
著者について
渡邊 啓貴(わたなべ ひろたか)
東京外国語大学大学院教授。1954年生まれ。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業、同大学院地域研究科修士課程、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程、パリ第1大学大学院博士課程修了(DEA)。
パリ高等研究院・リヨン高等師範大学院客員教授、ジョージ・ワシントン大学シグールセンター客員研究員、『外交』 『Cahiers du Japon』 編集委員長、日仏政治学会理事長、在仏日本大使館公使(2008-2010年)などを歴任。
主要著作:『ミッテラン時代のフランス』(芦書房、1991年 渋沢クローデル賞)、『フランス現代史―英雄の時代から保革共存へ』(中央公論社、1998年)、『ポスト帝国―二つの普遍主義の衝突』(駿河台出版社、2006年)、『米欧同盟の協調と対立―二十一世紀国際社会の構造』(有斐閣、2008年)、『フランスの「文化外交」戦略に学ぶ―「文化の時代」の日本文化発信』(大修館書店、2013年)、(編著)『国際政治の基礎知識』(芦書房、1997年)、『ヨーロッパ国際関係史―繁栄と凋落、そして再生』(有斐閣、2002年)、ほか。
東京外国語大学大学院教授。1954年生まれ。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業、同大学院地域研究科修士課程、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程、パリ第1大学大学院博士課程修了(DEA)。
パリ高等研究院・リヨン高等師範大学院客員教授、ジョージ・ワシントン大学シグールセンター客員研究員、『外交』 『Cahiers du Japon』 編集委員長、日仏政治学会理事長、在仏日本大使館公使(2008-2010年)などを歴任。
主要著作:『ミッテラン時代のフランス』(芦書房、1991年 渋沢クローデル賞)、『フランス現代史―英雄の時代から保革共存へ』(中央公論社、1998年)、『ポスト帝国―二つの普遍主義の衝突』(駿河台出版社、2006年)、『米欧同盟の協調と対立―二十一世紀国際社会の構造』(有斐閣、2008年)、『フランスの「文化外交」戦略に学ぶ―「文化の時代」の日本文化発信』(大修館書店、2013年)、(編著)『国際政治の基礎知識』(芦書房、1997年)、『ヨーロッパ国際関係史―繁栄と凋落、そして再生』(有斐閣、2002年)、ほか。
登録情報
- 出版社 : 慶應義塾大学出版会 (2013/7/14)
- 発売日 : 2013/7/14
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 392ページ
- ISBN-10 : 4766420454
- ISBN-13 : 978-4766420456
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2014年12月10日に日本でレビュー済み
ドゴールは、ロンドンで「自由フランスla France Libre」の放送をしていたときは、極右のファシストのような存在であったという。
どこの国にも神話はあるものだ。
ごく一部の人以外は大半がレジスタンスであった、ファシストと戦った愛国者であった、などというそんなことはやはりあり得ないものなのだ。
というよりも、後の自由世界の指導者の一人がファシスト的であったとは・・・。
一度失脚したドゴールが再度世に出て成功する契機となったのは、フランスがアルジェリア独立戦争に直面したことであり、結局極右であったが故に、アルジェリアの独立を認める方向に進んでいくことができたからなのだ。
ドゴール外交は、アメリカに挑戦し、自立した外交を目指すも、傍目にはドンキホーテのように見えるものであった。「偉大なフランス」を目指すも経済力も軍事力も米ソとは格段の差がある。自立外交は実際には夜郎自大な虚構であり演出された自立・自由であったという。そうであろう。そうでなければ納得できない。そうであれば納得できる。しかし、モナリザを展示し、文化力を見せつける。
そうして歴史は廻っていくのだ。
「誤解されるドゴール像」と、著者もいう。
確かに意思の人ドゴールは、その発言・行動が並外れており通常人の思考回路で考えると誤解され易いであろうし、ドゴール自身もそれを承知で行動していたのではなかろうか。
本書に学ぶことは多かった。
ドゴールとフランスの戦後史を知ることのできるありがたい一冊であった。
どこの国にも神話はあるものだ。
ごく一部の人以外は大半がレジスタンスであった、ファシストと戦った愛国者であった、などというそんなことはやはりあり得ないものなのだ。
というよりも、後の自由世界の指導者の一人がファシスト的であったとは・・・。
一度失脚したドゴールが再度世に出て成功する契機となったのは、フランスがアルジェリア独立戦争に直面したことであり、結局極右であったが故に、アルジェリアの独立を認める方向に進んでいくことができたからなのだ。
ドゴール外交は、アメリカに挑戦し、自立した外交を目指すも、傍目にはドンキホーテのように見えるものであった。「偉大なフランス」を目指すも経済力も軍事力も米ソとは格段の差がある。自立外交は実際には夜郎自大な虚構であり演出された自立・自由であったという。そうであろう。そうでなければ納得できない。そうであれば納得できる。しかし、モナリザを展示し、文化力を見せつける。
そうして歴史は廻っていくのだ。
「誤解されるドゴール像」と、著者もいう。
確かに意思の人ドゴールは、その発言・行動が並外れており通常人の思考回路で考えると誤解され易いであろうし、ドゴール自身もそれを承知で行動していたのではなかろうか。
本書に学ぶことは多かった。
ドゴールとフランスの戦後史を知ることのできるありがたい一冊であった。
2013年10月25日に日本でレビュー済み
紛れもない労作です。日本人によるドゴールの評伝を読
めるとは思いもしませんでした。著者は「あとがき」で本書
の執筆に十年以上要したと述べています。まずは、その間
の粘り強い学究をねぎらいたいと思います。
可能な限りの文献にあたっての考察ですから、内容はあ
くまでも客観的でかつ豊饒です。そのなかでも本書の白眉
は、1 泥沼化したアルジェリア独立戦争の経緯とドゴール
固有の解決策、2 対米依存を排した彼の自主外交の記述
ではなかったかとわたしは思います。
著者自身は、現在まで続く第五共和政という新たな政治
体制の創始者としての彼を最も評価すべきとし、合わせて
「現代日本政治外交の現状に対する批判とそこからの脱
出への希望を託して意識的に叙述した箇所も多々ある」と
しています。わたしには、そこがどうもはっきり読み取れな
かったのですが・・。ちょっと悔しいです
めるとは思いもしませんでした。著者は「あとがき」で本書
の執筆に十年以上要したと述べています。まずは、その間
の粘り強い学究をねぎらいたいと思います。
可能な限りの文献にあたっての考察ですから、内容はあ
くまでも客観的でかつ豊饒です。そのなかでも本書の白眉
は、1 泥沼化したアルジェリア独立戦争の経緯とドゴール
固有の解決策、2 対米依存を排した彼の自主外交の記述
ではなかったかとわたしは思います。
著者自身は、現在まで続く第五共和政という新たな政治
体制の創始者としての彼を最も評価すべきとし、合わせて
「現代日本政治外交の現状に対する批判とそこからの脱
出への希望を託して意識的に叙述した箇所も多々ある」と
しています。わたしには、そこがどうもはっきり読み取れな
かったのですが・・。ちょっと悔しいです
2013年12月21日に日本でレビュー済み
日本の政治学者には無教養な人が少なくないなと思っていましたが、普仏戦争後のフランスの世情を語るのに「イヨネスコの有名な戯曲『最後の授業』」はないよな。
『最後の授業』はもちろん19世紀フランスの作家アルフォンス・ドーデの短編小説。イヨネスコはルーマニア出身で第2次大戦後フランスで活躍した不条理演劇の作家です。もう亡くなっていますが、自分が『最後の授業』の作者とされていることを知ったら、さすがのイヨネスコもびっくりしたことと思います。このインターネットの世の中で、いったいどうしたらこんな初歩的なミスができるのでしょう。編集者も同罪です。
ささいなかん違いは誰でもあることですが、この本の問題点はそれだけではありません。
外国人が評伝を書く場合、言葉の壁や資料アクセスに限界があり、どうしても作家の主観的解釈が入りやすい。そもそも執筆動機がその人物への個人的な思い入れだったりします。本書の場合、どうも保守主義のイデオロギー的なバイアスがかかっているようです。そういうわけで、「イヨネスコ」でげんなりしたこともあり、第1章で読むのをやめてしまいました。星3つは、そういう評価だと思っていただきたい。
やっぱり評伝は同国人が書いたものに限ります。
『最後の授業』はもちろん19世紀フランスの作家アルフォンス・ドーデの短編小説。イヨネスコはルーマニア出身で第2次大戦後フランスで活躍した不条理演劇の作家です。もう亡くなっていますが、自分が『最後の授業』の作者とされていることを知ったら、さすがのイヨネスコもびっくりしたことと思います。このインターネットの世の中で、いったいどうしたらこんな初歩的なミスができるのでしょう。編集者も同罪です。
ささいなかん違いは誰でもあることですが、この本の問題点はそれだけではありません。
外国人が評伝を書く場合、言葉の壁や資料アクセスに限界があり、どうしても作家の主観的解釈が入りやすい。そもそも執筆動機がその人物への個人的な思い入れだったりします。本書の場合、どうも保守主義のイデオロギー的なバイアスがかかっているようです。そういうわけで、「イヨネスコ」でげんなりしたこともあり、第1章で読むのをやめてしまいました。星3つは、そういう評価だと思っていただきたい。
やっぱり評伝は同国人が書いたものに限ります。