今の若い人の誰しもが思っている、これからの日本の残酷な現実について3分の1を絵本で、残りの部分を数値によるデータに合わせてひもといた本です。
レビューのタイトルにも書いた通り、下手すれば小学生でも今後の日本がどうなっていくかの内容が把握できるような簡易的な絵本で導入が始まるので、とても読みやすい本になっています。
日本の政治家は各国と比べても世界1位と言われる(2000万程度と言われてます)給料もらい仕事をしています。
そんな人間たちが自分たちの1/3の給与ももらっていない人間たちが大半を占める国を動かしていると言う現実を目の当たりにするとぞっとします。
個人的に特に驚いたのは
7割が老老介護（60歳以上の方が親の介護をしている状態）
3人に1人が非正規雇用
2060年には4人に1人がお年寄りに
家庭内暴力が10年で5倍にも達している
という項目
悲しい事実ばかりが身につきますが
それがこの国の現実と言うのもまた事実。
冒頭の絵本の部分が終わった時点で鳥肌が立ちましたが、とても残念ながらこの国に生まれた私たちはこの現実と向き合って生きていかなくてはならない。
「じゃあ、どうするの？」
そんなことを極めて簡潔に、簡易的に論じた本です。ハードカバーでなく、普通の文庫本で売ればもっと多くの人が手に取り、目にする機会があったのでないでしょうか？
漠然と「この国はもうダメだ」と考えている人間が読むと、想像以上に過酷な未来に打ちのめされるかもしれません。
12月24日 追記
本日、読み飛ばしていた巻末の著者の生い立ち含む付録も含めて読み終えました。
著者の方は強い方なのですね。私的な話で申し訳ありませんが、うちは父親と祖父はともに若い時代にお金に困ったために、私が子供の頃から2世代揃って、「金だ！金がないと惨めな思いをするぞ！」と散々言われて育ってきたのに、著者は父親が借金苦で自殺、父親の弟の借金400万円も母親が1人で返済と言う親がお金で大変な苦労をしていたにもかかわらず、「お金は必要なものだが、神ではない。手段の一環として存在するものである」と言うスタンスを終始崩さなかったのは心から尊敬します。
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イメージ付きのレビュー
日本衰退の現状が分かります
「あなたがもし残酷な100人の村の村人だと知ったら」・本書はお金のプロである著者が、日本を100人の村に当てはめて日本の現状(2015年当時)と書き表し、明日の生き方を考えるヒントになる1冊。・日本を100人の村に縮めると、男性=49人 女性=51人そのうち、子ども=13人(小学生=5人 中学生3人 高校生3人 大学生2人) 働き手=61人 老人=26人になる。2050年には、子ども=13人→10人 働き手=61人→52人老人=26人→39人に変わっていく。働く人は、41人のうち、正社員=26人 非正社員=15人である。この村の子ども(18歳未満)の16%が貧困層に分類されている。また、半分の子どもたちが母子家庭。こうした状況もあり、100人中50人が「生活がきつい」と嘆いている。・その他にも、100 人の村の現状(貧困・自殺率など)、衰退している日本の現状とこれからについてをグラフなどの図解でわかりやすく表現している。
