美しいという言葉が、ときどき出てくるのです。
それはとてもしみじみと発せられたもので、生まれてきて生きぬいていくものが
気づく束の間の夕焼けのように、描かれていると感じました。黒田三郎の詩をはじめて、じっくりと
読んでいるところです。めぐり合えてよかったと、うっとりと読んでいます。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
黒田三郎詩集 (芸林21世紀文庫) 文庫 – 2002/4/1
- 本の長さ128ページ
- 言語日本語
- 出版社芸林書房
- 発売日2002/4/1
- ISBN-104768161030
- ISBN-13978-4768161036
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
コンロから御飯をおろす 卵を割ってかきまぜる 合間にウィスキイをひと口飲む 折紙で赤い鶴を折る ネギを切る 一畳に足りない台所につっ立ったままで 夕方の三十分 「黒田三郎著作集1 全詩集」を底本にした詩集。
登録情報
- 出版社 : 芸林書房 (2002/4/1)
- 発売日 : 2002/4/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 128ページ
- ISBN-10 : 4768161030
- ISBN-13 : 978-4768161036
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,109,615位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,420位戯曲・シナリオ (本)
- - 5,438位詩歌 (本)
- - 216,978位文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2019年7月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とてもいい詩集だった。現代はあまり詩を読むということもなくなってしまったが、私自身が生まれた頃の詩集を読んでとても刺激的で、面白かった。
2012年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
恋の歌、そして親父の歌、..... 素直でいて言葉に無駄がない。
心が豊かになれます。
心が豊かになれます。
2003年7月21日に日本でレビュー済み
もはやそれ以上何を失はうと
僕には失うものとてはなかったのだ
河に舞ひ落ちた一枚の木の葉のやうに
流れたゆくばかりであった
敗戦後に生き残った彼等の喪失感は、親しいものたちとともに逝けなかったことと無縁ではないだろう。
しかし、彼等は生きている限り、訣別は免れぬものなのだ。その運命は、個々の姿に別けられる。
運命は
屋上から身を投げる少女のように
僕の頭上に
落ちてきたのである
彼の「運命」は、その詩の通り「身を投げる少女」の決死の姿で落下してきた。
それは、今までのように「死」をあたえてくれるものではなかった。
もんどりうって
死にもしないで
一体たれが僕を起こしてくれたのか
少女よ
そのとき
あなたがささやいたのだ。
失うものを
私があなたに差上げると
その邂逅にさいして、彼はどうしたろうか。
彼のもうひとつの詩「賭け」……。
一世一代の勝負をするために
僕はそこで何を賭ければよかったのか
―・―・―・―・―・―・―・―・―
賭けるものが何もないのである
僕は
僕の破滅を賭けた
僕の破滅を
その「生」と等価なのは、その「破滅」でしかないのだろう。
はたして、彼はその「賭け」に勝ったのだろうか。
だだいえるのは、彼はけして、その「破滅」を捨て去ることはなかったということだけだ。
僕には失うものとてはなかったのだ
河に舞ひ落ちた一枚の木の葉のやうに
流れたゆくばかりであった
敗戦後に生き残った彼等の喪失感は、親しいものたちとともに逝けなかったことと無縁ではないだろう。
しかし、彼等は生きている限り、訣別は免れぬものなのだ。その運命は、個々の姿に別けられる。
運命は
屋上から身を投げる少女のように
僕の頭上に
落ちてきたのである
彼の「運命」は、その詩の通り「身を投げる少女」の決死の姿で落下してきた。
それは、今までのように「死」をあたえてくれるものではなかった。
もんどりうって
死にもしないで
一体たれが僕を起こしてくれたのか
少女よ
そのとき
あなたがささやいたのだ。
失うものを
私があなたに差上げると
その邂逅にさいして、彼はどうしたろうか。
彼のもうひとつの詩「賭け」……。
一世一代の勝負をするために
僕はそこで何を賭ければよかったのか
―・―・―・―・―・―・―・―・―
賭けるものが何もないのである
僕は
僕の破滅を賭けた
僕の破滅を
その「生」と等価なのは、その「破滅」でしかないのだろう。
はたして、彼はその「賭け」に勝ったのだろうか。
だだいえるのは、彼はけして、その「破滅」を捨て去ることはなかったということだけだ。
2001年10月30日に日本でレビュー済み
不景気な先の見えないこんな時代だからこそ、小市民とてての暮らしや喜びがこころにしみる。黒田三郎は自殺することのできなかった男「金子みすず」である。酔った詩人の悲しみや喜びは、世のサラリーマン的お父さんの応援歌だ。おかーさんに「金子みすず」お父さんに「黒田三郎」