2007.8.27名古屋で発生したネット殺人事件は、他人同士ネットで知り合い共謀して凶悪事件を引きおこしたとして注目を浴びた。
本書で扱う事件は、この事件に２年先立ち発生した。これも、ネットで殺人を依頼した保険金詐欺事件として扱われ、地裁では、求刑通り２０年の刑が言い渡された。被告がネットで殺人を依頼したこと、街金に多額の借金があったことも事実だ。理由がどうであれ、殺人は凶悪犯罪であり、到底正当化されるものではない。
しかし、事件の背後にＤＶが有ったとしたら、その事実に目を向けたままでよいのであろうか。ＤＶが犯罪の免罪符にはならないし、してはいけない。だが、このような重大犯罪を犯してしまう人たちに、ＤＶや児童虐待のサバイバーが多いのも事実である。
この種の犯罪を減らすためにも、これら事実かどうかも含めて検証し、裁判の争点にすべきだったのではないか。
著者はそう主張している。でも、この被告は母・妻としては相当に？だったようだ。ＤＶにあったからそうなったのか、そうだったから、夫が思い余ってＤＶをしたのか。微妙だ。
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