大変な労作です。占領下の北海道民がマッカーサーに送った手紙の数々を丹念に追跡調査しており、敗戦後の民衆の飾らざる気持ちが切々と伝わって来ます。現在、野田首相に手紙を書く人がどれだけいるでしょうか。絶対権力者だった天皇よりも影響力のあるマッカーサー、その彼に手紙を書くという行為は、想像もできないくらい切羽詰まった状況で行われたことと思います。
手紙原文ではなく、要約された短文で残された資料にまで踏み込んで一つ一つを調べ上げて書き上げられています。筆者の良心的で丁寧な仕事ぶりに敬意を表します。占領下の道内の生活ぶりは今まで遠い過去のように思っていましたが、本書を読んで実に近かったこと、現在につながる問題も多々あることを再認識しました。
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マッカ-サ-への100通の手紙: 占領下北海道民の思い 単行本 – 2012/8/1
伴野 昭人
(著)
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- 本の長さ270ページ
- 言語日本語
- 出版社現代書館
- 発売日2012/8/1
- 寸法13.5 x 2.3 x 19.8 cm
- ISBN-104768456863
- ISBN-13978-4768456866
登録情報
- 出版社 : 現代書館 (2012/8/1)
- 発売日 : 2012/8/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 270ページ
- ISBN-10 : 4768456863
- ISBN-13 : 978-4768456866
- 寸法 : 13.5 x 2.3 x 19.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,256,098位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,293位北海道の日本史
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年11月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
敗戦後、「絶対権力者」として君臨したマッカーサー。その天皇をもしのぐ人物に日本人が書き送った手紙は54万通に上る。当時の日本人の128人に1人が書いたことになるという。この本で紹介されている手紙はさまざまだ。新生日本に希望を抱いたアイヌの青年、北方領土問題の解決に親子で命をかけた人、依然としてはびこる軍国主義的なるものを危惧する声、東條英機の減刑を求めた年老いた女性、BC級戦犯となった夫の行く末を嘆く妻。さらに樺太からの引き揚げ者、シベリア抑留者の家族の思いなどがぎっしり詰まっている。外国からやって来た征服者に支配された時代に人々がどんなことを願い、何を考えていたのか。それが十分に伝わって来て面白かった。マッカーサーへの手紙としては袖井林二郎氏の著名な本があるが、この本は占領下の北海道の人たちに限ったことで別の光を放っていると思った。読み終えた後、かつて読んだ『あの人は帰ってこなかった』(岩波新書)とどこか似た余韻も感じた。
2013年9月19日に日本でレビュー済み
北海道においてのGHQやマッカーサーへの手紙の研究
北海道新聞の記者なので、手紙を書いた人にまた話を聴きに行ったりとか
てか結構えぐい手紙が多いよなあ
あいつは軍人とか軍医だから社会から排除してくれ的なのが結構あったという
まあ戦時中にマジでエグいことやってたからパージしてくれ
というまあそれなりに正当性のある手紙が大半であるが
讒言みたいな話も実例としてあげられていたな
完全に水戸黄門状態だな。しかも相当に粘着w
他の書評にもあったが、そういう有力者からの抑圧に対して
対抗する手段があまりにも限られていたから、ということなのだろう
北方領土や樺太からの引き揚げ者の話や
炭鉱での不正経理の内部告発など北海道ならではのが多い
北海道新聞の記者なので、手紙を書いた人にまた話を聴きに行ったりとか
てか結構えぐい手紙が多いよなあ
あいつは軍人とか軍医だから社会から排除してくれ的なのが結構あったという
まあ戦時中にマジでエグいことやってたからパージしてくれ
というまあそれなりに正当性のある手紙が大半であるが
讒言みたいな話も実例としてあげられていたな
完全に水戸黄門状態だな。しかも相当に粘着w
他の書評にもあったが、そういう有力者からの抑圧に対して
対抗する手段があまりにも限られていたから、ということなのだろう
北方領土や樺太からの引き揚げ者の話や
炭鉱での不正経理の内部告発など北海道ならではのが多い
2012年12月8日に日本でレビュー済み
ダグラス・マッカーサーは太平洋戦争敗戦後、日本が国際社会に復帰するまでの占領期間、日本国内を支配した連合国軍最高司令官である。
1945年8月15日ポツダム宣言受諾。8月30日にバターン号で厚木飛行場にマッカーサーは降り立つ。その後、占領政策を次々に実施する。
占領期間中、マッカーサーあるいはGHQに対して日本国民から寄せられた手紙は54万通にのぼる。当時の日本国民の128人に1人が手紙を書いた計算になる。
膨大な数の懇願がのせられた手紙であるが、そのような手紙が存在したことは歴史の教科書(特に近現代史)には記述もされない。
本書はその手紙の中でも特に北海道に関係のある人々から寄せられたものを100通厳選して紹介したものだ。手紙に書かれた内容は社会制度、政治、経済、仕事、生活、教育、医療、様々な分野にわたる。
敗戦によって社会の仕組みが激変して、多くの人々が困窮状態に陥った。その実態が手紙という史料によって、今の世に生々しく再現される。
マッカーサーは米国に帰国後、「アングロ・サクソン族が科学、芸術、神学、文化の点で45歳だとすれば、日本人は12歳の少年のようなものでしょう。しかし、彼らは依然として柔軟で新しい考え方を受容れられる起点に十分近いところにあります。」と述べている。
本書で取り上げられた手紙を含めた54万通の手紙の一部はマッカーサーも見ており、さらに一部は持ち帰ってもいる。
彼はこの多くの手紙を占領政策を考える過程でも利用したであろうが、征服者にたいしてこれほど多くの手紙を書く国民に、驚愕の念を抱いたのではないか。
12歳の少年の国の国民の膨大な希望をマッカーサーはどう受けとめたのだろうか。
1945年8月15日ポツダム宣言受諾。8月30日にバターン号で厚木飛行場にマッカーサーは降り立つ。その後、占領政策を次々に実施する。
占領期間中、マッカーサーあるいはGHQに対して日本国民から寄せられた手紙は54万通にのぼる。当時の日本国民の128人に1人が手紙を書いた計算になる。
膨大な数の懇願がのせられた手紙であるが、そのような手紙が存在したことは歴史の教科書(特に近現代史)には記述もされない。
本書はその手紙の中でも特に北海道に関係のある人々から寄せられたものを100通厳選して紹介したものだ。手紙に書かれた内容は社会制度、政治、経済、仕事、生活、教育、医療、様々な分野にわたる。
敗戦によって社会の仕組みが激変して、多くの人々が困窮状態に陥った。その実態が手紙という史料によって、今の世に生々しく再現される。
マッカーサーは米国に帰国後、「アングロ・サクソン族が科学、芸術、神学、文化の点で45歳だとすれば、日本人は12歳の少年のようなものでしょう。しかし、彼らは依然として柔軟で新しい考え方を受容れられる起点に十分近いところにあります。」と述べている。
本書で取り上げられた手紙を含めた54万通の手紙の一部はマッカーサーも見ており、さらに一部は持ち帰ってもいる。
彼はこの多くの手紙を占領政策を考える過程でも利用したであろうが、征服者にたいしてこれほど多くの手紙を書く国民に、驚愕の念を抱いたのではないか。
12歳の少年の国の国民の膨大な希望をマッカーサーはどう受けとめたのだろうか。