本の題名からこう、固く陰惨で重厚な戦争記録にみえると思いますが、
中身は著者の青春物語と言ってもよく明るく軽妙な内容になっています。
軍紀違反で殴られるとわかっていながらタコ釣りして同僚と宴会したり、
戦争前の帰省で金の無い同僚にお金貸したり、父に酒持って帰って喜んだ父が酔っ払ったり、
戦闘待機して長時間指示無く手持ち無沙汰のところ、戦闘糧食来て同僚と和気藹々と食べたり、
敵艦撃沈したものの敵兵救助を必死に行ったり色んな事柄が語られています。
割と食事の話が多いので著者はちょっとくいしん坊だったかもしれないと思ったり面白かったです。
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特型駆逐艦「雷」海戦記 新装版: 一砲術員の見た戦場の実相 (光人社ノンフィクション文庫 255) 文庫 – 2014/7/1
橋本 衛
(著)
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- 本の長さ314ページ
- 言語日本語
- 出版社潮書房光人新社
- 発売日2014/7/1
- ISBN-104769822553
- ISBN-13978-4769822554
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登録情報
- 出版社 : 潮書房光人新社 (2014/7/1)
- 発売日 : 2014/7/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 314ページ
- ISBN-10 : 4769822553
- ISBN-13 : 978-4769822554
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2016年4月23日に日本でレビュー済み
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当時の人々が、・・・・本当に日本を信じ、(日本の何を信じたのか?)亜細亜の人々の植民地支配からの独立と、日本の石油資源確保のために、にっちもさっちもいかなかった状況を、国民一人一人が認識していたということが、文章の端々に出てきます。決して意識の上での文章ではありません。尚且つ、人生を謳歌する姿があふれています。このような、多くの日本の先輩のもとに生まれてよかったな、と思います。この本は非常に文章がわかりやすく、戦場での体験がドキュメントタッチでつづられています。良かったです。
2023年7月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者橋本衛海軍兵曹長は、大正8(1919)年、福島県生まれ。昭和11(1936)年6月、志願兵として横須賀海兵団入営。「山城」乗組後、昭和13(1938)年11月、海軍砲術学校入校。昭和14(1939)年4月、駆逐艦「雷」乗組。射撃指揮中継所員配置。昭和16(1941)年12月4日、出師準備を終え第2艦隊と共に台湾馬公に進出した第1水雷戦隊第6駆逐隊「雷」は、礼装した艦長工藤俊作中佐より開戦劈頭、香港攻略戦に参加する旨を伝えられる。そして全艦隊に見送られ、最先鋒として僚艦「電」と共に出撃する。兵員は其れ迄ののんびりとした休暇や上陸での遊興から雰囲気を一変させ、緊張感に満ち開戦の日を迎える。臨時に支那方面艦隊に編入され香港要塞を攻撃。英哨戒艇を撃沈し、香港攻略戦を成功させる。
昭和17(1942)年に入り南方攻略作戦に参加。「雷」は蘭印部隊に編入。ダバオ、ホロ、メナド攻略、ジャワ攻略と連戦連勝し、3月1日、スラバヤ沖海戦に参加。英海軍将兵の漂流者を戦闘行動中に多数救助。英国海軍の優れた部分を間近に観察している。
『敵は騒然と先を争い、救助されようとしていたが、そのうち敵兵の中のだれかが、大声で何事かを怒鳴ると、一瞬、静まった。』
『われわれは、自分たちすら貴重この上ないものとしている真水や、乾パンも、彼らに配給した。彼らは、しかし、必要なだけ乾パンを取ると、つぎつぎと箱をまわし、残ったのをそのままこちらに返してよこした。
英国は紳士の国と聞くが、まさしくそのとおり、われわれなら先をあらそって、一個でも余分に掠めとろうとする根性をまる出しにする場面なのに、まったく整然とした行為だった。これには、われわれは驚嘆した。』
内地で整備休養後、5月20日より北方部隊に編入。アリューシャン作戦に参加するが、7月5日に大破した駆逐艦「霞」を曳航。8月13日に大湊に帰還。ガダルカナル戦が始まり、第1水雷戦隊第6駆逐隊(暁・雷・電)もソロモン方面に進出。連日空襲を受けながら輸送作戦に従事した。10月25日の昼間に第6駆逐隊でルンガ沖に突入、特設巡洋艦を撃沈したが、初の戦死者を出している。
11月13日、第3次ソロモン海戦に参加。20cm砲弾6発、14cm・12cm砲弾多数を受け大破。戦死19名、重傷57名を出し、著者の戦友も多くが壮烈な戦死を遂げた。横須賀で修理工事後、昭和18(1943)年1月20日に再度北方部隊に編入。此の時期には37、38歳の老応召兵や再徴集下士官、予備士官が大勢乗艦し、練度は大きく低下。物資不足で再利用品の防寒着には虱が湧くなど、其れ迄の日本海軍では考えられない逼迫した状況が現れる。3月27日、アッツ島沖海戦に参加。30日、暴風の中で駆逐艦「若葉」と衝突し艦首を損壊。4月11日、横須賀海軍工廠に入渠した。
筆者は4月15日、土浦海軍航空隊(予科練)に転属、4年勤務した艦を後にする。「雷」は昭和19(1944)年4月13日、メレヨン島へ輸送船護衛中に敵潜水艦に撃沈され艦長以下総員戦死。筆者も7月に硫黄島警備隊勤務、11月、館山砲術学校勤務、昭和20(1945)年2月、鈴鹿航空隊勤務となり同地で終戦を迎えた。戦後は海上自衛隊で昭和34(1954)年まで勤務。
本書には艦内生活の様子を細かく描写するが、戦闘中に至っても常に誰かれ構わず私語を続け冗談を飛ばす様な記述が延々とあり、こんなに弛緩していたのかと疑わしくなる。また本人が参加していない海戦の模様を細かく描写するなど、何処迄正確に再現し、誇張されているかが判然としない。一方で1942年9月に水雷戦隊参謀から転じた新艦長前田實穂少佐が着任したが、口喧しく小さな非違を咎め、更に操艦が上手くない為に乗組員から嫌われ、士気が大いに低下し、戦闘や訓練が緩慢になった様子や、戦闘後の重傷者の末期、南方の炎熱で腐敗が進み急ぎ水葬した情景などは、実際の体験者の貴重な証言である。
昭和17(1942)年に入り南方攻略作戦に参加。「雷」は蘭印部隊に編入。ダバオ、ホロ、メナド攻略、ジャワ攻略と連戦連勝し、3月1日、スラバヤ沖海戦に参加。英海軍将兵の漂流者を戦闘行動中に多数救助。英国海軍の優れた部分を間近に観察している。
『敵は騒然と先を争い、救助されようとしていたが、そのうち敵兵の中のだれかが、大声で何事かを怒鳴ると、一瞬、静まった。』
『われわれは、自分たちすら貴重この上ないものとしている真水や、乾パンも、彼らに配給した。彼らは、しかし、必要なだけ乾パンを取ると、つぎつぎと箱をまわし、残ったのをそのままこちらに返してよこした。
英国は紳士の国と聞くが、まさしくそのとおり、われわれなら先をあらそって、一個でも余分に掠めとろうとする根性をまる出しにする場面なのに、まったく整然とした行為だった。これには、われわれは驚嘆した。』
内地で整備休養後、5月20日より北方部隊に編入。アリューシャン作戦に参加するが、7月5日に大破した駆逐艦「霞」を曳航。8月13日に大湊に帰還。ガダルカナル戦が始まり、第1水雷戦隊第6駆逐隊(暁・雷・電)もソロモン方面に進出。連日空襲を受けながら輸送作戦に従事した。10月25日の昼間に第6駆逐隊でルンガ沖に突入、特設巡洋艦を撃沈したが、初の戦死者を出している。
11月13日、第3次ソロモン海戦に参加。20cm砲弾6発、14cm・12cm砲弾多数を受け大破。戦死19名、重傷57名を出し、著者の戦友も多くが壮烈な戦死を遂げた。横須賀で修理工事後、昭和18(1943)年1月20日に再度北方部隊に編入。此の時期には37、38歳の老応召兵や再徴集下士官、予備士官が大勢乗艦し、練度は大きく低下。物資不足で再利用品の防寒着には虱が湧くなど、其れ迄の日本海軍では考えられない逼迫した状況が現れる。3月27日、アッツ島沖海戦に参加。30日、暴風の中で駆逐艦「若葉」と衝突し艦首を損壊。4月11日、横須賀海軍工廠に入渠した。
筆者は4月15日、土浦海軍航空隊(予科練)に転属、4年勤務した艦を後にする。「雷」は昭和19(1944)年4月13日、メレヨン島へ輸送船護衛中に敵潜水艦に撃沈され艦長以下総員戦死。筆者も7月に硫黄島警備隊勤務、11月、館山砲術学校勤務、昭和20(1945)年2月、鈴鹿航空隊勤務となり同地で終戦を迎えた。戦後は海上自衛隊で昭和34(1954)年まで勤務。
本書には艦内生活の様子を細かく描写するが、戦闘中に至っても常に誰かれ構わず私語を続け冗談を飛ばす様な記述が延々とあり、こんなに弛緩していたのかと疑わしくなる。また本人が参加していない海戦の模様を細かく描写するなど、何処迄正確に再現し、誇張されているかが判然としない。一方で1942年9月に水雷戦隊参謀から転じた新艦長前田實穂少佐が着任したが、口喧しく小さな非違を咎め、更に操艦が上手くない為に乗組員から嫌われ、士気が大いに低下し、戦闘や訓練が緩慢になった様子や、戦闘後の重傷者の末期、南方の炎熱で腐敗が進み急ぎ水葬した情景などは、実際の体験者の貴重な証言である。
2014年6月2日に日本でレビュー済み
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引っ越しの際に、失いまして、今、一生懸命に、探している所です。
2017年6月11日に日本でレビュー済み
軍艦には乗員がいて、人間であるのだから、艦上では生活があります。
戦闘と生活。
軍艦で生きている若者たちの思いを感じられます。
戦争が歴史になってしまった今、
戦闘を肌で感じて、その真実を知るうえで、読んでおきたい一書です。
戦闘と生活。
軍艦で生きている若者たちの思いを感じられます。
戦争が歴史になってしまった今、
戦闘を肌で感じて、その真実を知るうえで、読んでおきたい一書です。
2014年2月18日に日本でレビュー済み
駆逐艦「雷」の射撃盤中継手だった著者による戦記です。作家や士官といった、行動や戦闘の位置づけを知らされている人々による戦記とは異なった、現場で戦う乗員たちが直接目で見、肌で感じた事柄が克明に描写されています。
著者の乗艦「雷」は太平洋戦争開戦当時には既に新鋭とは呼び難いベテラン駆逐艦でしたが、第六駆逐隊の僚艦や他戦隊の重巡群とともにまさに東奔西走の戦いを展開。緒戦の栄光からジャワ、ソロモンの戦い、そして濃霧のアリューシャンまで、乗員の日常もその都度大きく変化してゆきます。有名なジャワ島沖海戦での敵兵救助のエピソードも記述されています。
「雷」の参加した大規模な戦闘や作戦行動については戦史を参考に全体の状況が記されていますが、記述の主体はあくまでも著者ら乗員たちが直接体験した事柄であり、与えられた状況で自らの任務を全うするしかない乗員たちの姿が迫ってきます。
とは言っても苛烈な戦場といった描写ばかりではなく、作戦や戦闘の合間のちょっとした挿話や仲間たちとのやり取りの比重が大きく、全体としては戦時下の駆逐艦乗員の日常物語としての性格が強い内容となっています。特に、筆者と終始やり取りする仲間たちの描写が秀逸で、男所帯の駆逐艦の開けっぴろげさと荒っぽさが生き生きと伝わってきます。
興味深かったのは、ソロモン海の戦闘の後の補充要員への教育のため、戦時下では停止していた「甲板整列」が再度行われる様になったという記述。巷間の書籍では陰惨な風習、私的制裁の場、といった悪習とする記述が大勢を占めている行為ですが、著者は練度の低下と戦時下の環境の悪化に抗して士気と規律を維持する為には必要であるとし、また著者自身も以前制裁を受ける立場であった時には理不尽に感じた事はなかったとしており、本書が最初に世に出た昭和50年代末の世相を考えるに非常に思い切った記述であると思います。確かに甲板整列を「悪習」として断じていた書籍を振り返ってみれば、海上を行く鋼鉄の構造物という特殊環境に人員を適応させる行為を一般社会の常識でもって断じていた感が無きにしも非ずで、読者である私自身の認識にも一石を投じた内容でした。
文章は軽妙で読み手を飽きさせません。やや硬い印象のタイトルから重いものを連想しがちですが、肩ひじを張らずに読める好著と言って良いと思います。
著者の乗艦「雷」は太平洋戦争開戦当時には既に新鋭とは呼び難いベテラン駆逐艦でしたが、第六駆逐隊の僚艦や他戦隊の重巡群とともにまさに東奔西走の戦いを展開。緒戦の栄光からジャワ、ソロモンの戦い、そして濃霧のアリューシャンまで、乗員の日常もその都度大きく変化してゆきます。有名なジャワ島沖海戦での敵兵救助のエピソードも記述されています。
「雷」の参加した大規模な戦闘や作戦行動については戦史を参考に全体の状況が記されていますが、記述の主体はあくまでも著者ら乗員たちが直接体験した事柄であり、与えられた状況で自らの任務を全うするしかない乗員たちの姿が迫ってきます。
とは言っても苛烈な戦場といった描写ばかりではなく、作戦や戦闘の合間のちょっとした挿話や仲間たちとのやり取りの比重が大きく、全体としては戦時下の駆逐艦乗員の日常物語としての性格が強い内容となっています。特に、筆者と終始やり取りする仲間たちの描写が秀逸で、男所帯の駆逐艦の開けっぴろげさと荒っぽさが生き生きと伝わってきます。
興味深かったのは、ソロモン海の戦闘の後の補充要員への教育のため、戦時下では停止していた「甲板整列」が再度行われる様になったという記述。巷間の書籍では陰惨な風習、私的制裁の場、といった悪習とする記述が大勢を占めている行為ですが、著者は練度の低下と戦時下の環境の悪化に抗して士気と規律を維持する為には必要であるとし、また著者自身も以前制裁を受ける立場であった時には理不尽に感じた事はなかったとしており、本書が最初に世に出た昭和50年代末の世相を考えるに非常に思い切った記述であると思います。確かに甲板整列を「悪習」として断じていた書籍を振り返ってみれば、海上を行く鋼鉄の構造物という特殊環境に人員を適応させる行為を一般社会の常識でもって断じていた感が無きにしも非ずで、読者である私自身の認識にも一石を投じた内容でした。
文章は軽妙で読み手を飽きさせません。やや硬い印象のタイトルから重いものを連想しがちですが、肩ひじを張らずに読める好著と言って良いと思います。