言わずと知れた哲学者ポパーの主著。
反証可能性を軸とした科学は、すべて本書から始まっている。
この本に誰もレビューしていないとは驚きだ。
以下概要
科学を帰納的方法によって捉えようとする見解は世で一般的である。
しかし、この見解は誤りである。
帰納の原理は、人間心理の問題としては確かに働いているかもしれないが、ここで問題にしている科学の原理とは関係ない。
単称言明(個別事例)をいくら集めても、そこから普遍言明は導かれえないのだ。
しかし、普遍言明は単称言明(存在言明)によって反駁しうる。
例えば、普遍言明「すべてのカラスは黒い」は、存在言明「あるカラスは白い」で反駁される。
これは演繹法であり、確実な方法である。
この、普遍言明と存在言明の非対称性に着目すれば、演繹を軸とした科学を実現できる。
それが、反証テストによる科学である。
理論(普遍言明)は、テストによって検証され、テストに耐えれれば、その理論は今のところ生き残る。
反証されたならば、別の仮説(理論)を考え、テストしていく。
これが科学のあるべき姿である。
したがって、反証不可能な理論は科学とは呼べない。
そうした理論は形而上学の問題である。
このようにして、科学と非科学との境界が引かれる。
理論は、厳密であればあるほど反証の余地が大きく、したがってテストに耐えれればそれだけいい理論となる。
一方、理論を漠然と広げて、反証の余地を狭めているのは、いい理論とは言えない。
また、反証された際に口実をつけて悪あがきするのも、科学者としてあるまじき姿である。
科学者には自由な研究が認められて、常に理論が仮説であることを認識し、反証を繰り返していくべきものなのである。
反証可能性を科学の軸に、少なくとも軸の一つにすることには、私も賛成である。
反証不可能な理論は、それ自体で一つの体系をなしてしまっているため、科学という体系の中に入ることは出来ないと考えられるからだ。
ただ、帰納を原理として据えることに反対するポパーの論には賛同するが、帰納的推測は有効だと私は考える。
確かに、原理としての帰納を認めてしまうと、ある理論に都合のいい事例などいくらでも見つけることが出来るわけであり、ちっとも科学とは呼べなくなる。
しかし、原理ではなく、推測ならば、むしろポパーの反証可能性の科学にも不可欠だと思われる。
まず、ポパーは反覆可能な実験のみを科学は取り扱うべきだとしている(上p55)が、この反覆可能という考えが、まさに帰納的推測が成り立つということを表している。
次に、反証された理論を廃棄し、予測をテストに耐えた理論から導くためには、過去のテストと現在の予測との同一性を想定せねばならず、つまりこれは帰納的推測である。
また、グルーのパラドックスで提示される、「時刻tまでは〜であり、時刻t以降はーである」のような言い抜け的な仮説を排除するためにも、斉一性を前提とする必要がある。
なので、ポパーの反証可能性の理論と、帰納的推測とは整合的だと考えられる。
最後に目次を記しておく。
上巻
若干の基本的問題の検討
科学方法論の問題について
理論
反証可能性
経験的基礎の問題
テスト可能性の度合
単純性
確率
下巻
量子論についての若干の考察
験証、または理論はいかにテストに耐えるか
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科学的発見の論理 上 単行本 – 1971/1/1
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- 言語日本語
- 出版社恒星社厚生閣
- 発売日1971/1/1
- 寸法14.8 x 1.5 x 21 cm
- ISBN-104769902549
- ISBN-13978-4769902546
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- 言語 : 日本語
- ISBN-10 : 4769902549
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- 寸法 : 14.8 x 1.5 x 21 cm
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2024年3月5日に日本でレビュー済み
若干の基本的問題の検討
科学方法論の問題について
理論
◆反証可能性
経験的基礎の問題
テスト可能性の度合
単純性
確率。
科学方法論の問題について
理論
◆反証可能性
経験的基礎の問題
テスト可能性の度合
単純性
確率。
2020年8月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ポパー氏は理論を、
理論とは暫定的な推測であり、それに対する不断の批判を無限に遂行し、
より良い理論にとって代わられる可能性をいつも原理的に含みもつもので、
より反証を繰り返した新しい理論にとって替えられうるものであると位置づけている。
( 様々な反証テストに耐えうる理論 ( 普遍言明 ) が残る )
実際、
かつての理論から新たな理論への変容の中で、
新たな経験的な知識の余地の拡張が生まれている。
まとめると、
1 新たな理論に対し、反証・験証テストが可能な境界を設定し、その度合いを吟味する
・新たな理論の仮説立ての前提条件として、反証・験証・観察テストが可能であるかの境界を設定
・経験できること、経験にとって役に立つものが内包されていること
・経験から言明の形で表現されるもの、観察と衝突しうる主張
( 経験の世界をより多く述べている仮説は、より反証可能性が大きくなる )
2 試行錯誤、新たな推測 ( 1を満たす ) と反駁を繰り返す
・演繹的な方法でテストに服し、そのテストに耐えた理論体系
1を満たさない同語反復 ( トートロジー ) のものを挙げる。
・確率言明、形而上学、純粋数学・論理学など
( 大数の法則、因果律の原理、帰納論理、経験を超えるようなものなど )
・一様性や規則性を表示されていない事象の定義
例を挙げると、
普遍名辞 ( 水、コップなどの名詞 ) のような、
諸経験の集合 ( クラス ) に還元できないものが挙げられる。
これらは実証不可能であり、また確率に関していえば、
自然法則の中に内含 ( 演繹 ) 関係されている為、理論展開は無意味であると述べている。
( 確率論的結論は確率論的前提が潜んでいる。 )
確率は、
仮説的度数評価、エルゴードの仮説、再帰仮説によって、
演繹可能である。
( フォン・ミーゼスの度数理論、コレクティーフ )
( きわめて長い部分系列には、一定の規則性や安定性が現れる )
( 関係的な属性 ( 物理法則などの自然法則 )を実在するものとは見なす、相対性 )
( ポパー自身は、確率に対して傾向解釈という姿勢をとっている )
こうしたポパー氏の知見は、
自身にとって役に立つもの、立たないものの境界の明確化に、
大いに役立つであろうと思われる。
理論とは暫定的な推測であり、それに対する不断の批判を無限に遂行し、
より良い理論にとって代わられる可能性をいつも原理的に含みもつもので、
より反証を繰り返した新しい理論にとって替えられうるものであると位置づけている。
( 様々な反証テストに耐えうる理論 ( 普遍言明 ) が残る )
実際、
かつての理論から新たな理論への変容の中で、
新たな経験的な知識の余地の拡張が生まれている。
まとめると、
1 新たな理論に対し、反証・験証テストが可能な境界を設定し、その度合いを吟味する
・新たな理論の仮説立ての前提条件として、反証・験証・観察テストが可能であるかの境界を設定
・経験できること、経験にとって役に立つものが内包されていること
・経験から言明の形で表現されるもの、観察と衝突しうる主張
( 経験の世界をより多く述べている仮説は、より反証可能性が大きくなる )
2 試行錯誤、新たな推測 ( 1を満たす ) と反駁を繰り返す
・演繹的な方法でテストに服し、そのテストに耐えた理論体系
1を満たさない同語反復 ( トートロジー ) のものを挙げる。
・確率言明、形而上学、純粋数学・論理学など
( 大数の法則、因果律の原理、帰納論理、経験を超えるようなものなど )
・一様性や規則性を表示されていない事象の定義
例を挙げると、
普遍名辞 ( 水、コップなどの名詞 ) のような、
諸経験の集合 ( クラス ) に還元できないものが挙げられる。
これらは実証不可能であり、また確率に関していえば、
自然法則の中に内含 ( 演繹 ) 関係されている為、理論展開は無意味であると述べている。
( 確率論的結論は確率論的前提が潜んでいる。 )
確率は、
仮説的度数評価、エルゴードの仮説、再帰仮説によって、
演繹可能である。
( フォン・ミーゼスの度数理論、コレクティーフ )
( きわめて長い部分系列には、一定の規則性や安定性が現れる )
( 関係的な属性 ( 物理法則などの自然法則 )を実在するものとは見なす、相対性 )
( ポパー自身は、確率に対して傾向解釈という姿勢をとっている )
こうしたポパー氏の知見は、
自身にとって役に立つもの、立たないものの境界の明確化に、
大いに役立つであろうと思われる。
2015年1月10日に日本でレビュー済み
( 以下、" The Logic of Scientific Discovery " 英文ペーパーバック版をレビュー )
.
Sir Karl Raimund Popper が唱える critical rationalism ( 「 批判的合理主義 」 ) に初めて接したのは、ちょうど十九歳 のとき ケルゼンのイデオロギー批判論集の輪読ゼミにおいてだった。
ゼミ担当教授が、自らの思想を展開する基点となった存在として度々言及されたのをきっかけに Popper の思想に触れて以来、その世界観に共感できる思想家として、また 「 人類が辿りついた 一つの到達点としての思想 」 として Popper は、 現在も 思考上の 大変に有意義な羅針盤 となっている。
本書は、Popper の科学思想の中心をなすテーゼのひとつである falsifiability ( 「 反証可能性 」 ) が展開される、重要論文である。
「 現実に起こりうる、あらゆる事象をすべて説明できてしまう理論 」 、言替えれば 「 どのような考えうる出来事によっても論駁(ろんぱく)され得ない理論 」は、非科学的である ・・・ 逆に、「 テストされることによって 理論そのものが 反証 される可能性があるもの 」 でなければ、科学的な 理論 たりえない。
さらに、その 「反証」 が広範囲に(また、容易に)予想される 理論 こそ、科学的な情報量が豊かで、建設的な、革新性をもった理論 と評し得るのである、と Popper は主張する。
( Popper の論文に接するたびに、母国語ではないのにもかかわらず 巧みな 英語 による 明晰な論述ぶりには、心から感嘆させられる。)
Popper が掲げる falsifiability の概念は、いわゆる 「 科学 」と 「 擬似科学 」 との demarcation (境界明確化) のための 「ツール」 として、犀利な切れ味を発揮する意味で、革新的なテーゼと評し得る。
私見によれば、Popper の提唱する falsifiability は、あくまでも ある仮説が経験科学の場で議論可能か否かについての、 「 理論の科学的地位の基準 」 判定のツールであり、仮説そのものの 内容の評価にかかる主要テーゼとして扱われることは Popper自身 意図していなかったと考えられる。
むしろ、「 反証可能性 」を提唱した 若き日の Popper の心底は、端的に言えば 擬似科学が 「 科学の仮面 」 をかぶることに対する 「 仮面剥奪 」の要請であり、より具体的には プラトンの流れを汲む 全体主義 ( totalitarianism ) の近代における承継者 ヘーゲル による 「 弁証法 」 に基礎付けられた、 マルクシズム の 「 反証可能性の欠落 」 ( ⇒ あらゆる社会事象が、class struggle に視座を置いた 「 貧困な 歴史主義 」 の中で、「 正・反・合 の 三拍子 」 によって説明可能であること ) に対する 根源的な批判 にこそある、と強く感じる。
さらに敷衍すれば ( Popper自身 も The Open Society and Its Enemies Vol.2 において言及しているように )、科学全般における intellectual honesty ( 知 的 廉 直 ) の重要性にも繋がるものであろう。
自然科学においても、社会科学においても、すべての個人が自由に 何らの制約なく 「 仮説 」を唱えることが出来、 その 「 仮説 」 に対して、 忌憚のない 「 反証 」 ( falsification ) あるいは 「 験証 」 ( corroboration ) がなされることにより 自由な議論が展開され、 科学の着実な進歩を促し、それらを通して 「 開かれた社会 」 が形成されてゆく ・ ・ ・ そこでは、「 権力・権威 」 による 「 特定の理論や思想についての一方的な 統制 あるいは強制 」 は 決して許されない。
本書は、 単に科学理論・仮説 評価の方法論にとどまらず、かかる 世界観 を共有し、開かれた社会 ( open society ) の実現を目指す すべての人々に対し そのバック・ボーンとなる 基本テーゼ を明示した 叡智の結晶 として、 そして 現代思想の記念碑として 永く讃えられる作品となっている。
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Sir Karl Raimund Popper が唱える critical rationalism ( 「 批判的合理主義 」 ) に初めて接したのは、ちょうど十九歳 のとき ケルゼンのイデオロギー批判論集の輪読ゼミにおいてだった。
ゼミ担当教授が、自らの思想を展開する基点となった存在として度々言及されたのをきっかけに Popper の思想に触れて以来、その世界観に共感できる思想家として、また 「 人類が辿りついた 一つの到達点としての思想 」 として Popper は、 現在も 思考上の 大変に有意義な羅針盤 となっている。
本書は、Popper の科学思想の中心をなすテーゼのひとつである falsifiability ( 「 反証可能性 」 ) が展開される、重要論文である。
「 現実に起こりうる、あらゆる事象をすべて説明できてしまう理論 」 、言替えれば 「 どのような考えうる出来事によっても論駁(ろんぱく)され得ない理論 」は、非科学的である ・・・ 逆に、「 テストされることによって 理論そのものが 反証 される可能性があるもの 」 でなければ、科学的な 理論 たりえない。
さらに、その 「反証」 が広範囲に(また、容易に)予想される 理論 こそ、科学的な情報量が豊かで、建設的な、革新性をもった理論 と評し得るのである、と Popper は主張する。
( Popper の論文に接するたびに、母国語ではないのにもかかわらず 巧みな 英語 による 明晰な論述ぶりには、心から感嘆させられる。)
Popper が掲げる falsifiability の概念は、いわゆる 「 科学 」と 「 擬似科学 」 との demarcation (境界明確化) のための 「ツール」 として、犀利な切れ味を発揮する意味で、革新的なテーゼと評し得る。
私見によれば、Popper の提唱する falsifiability は、あくまでも ある仮説が経験科学の場で議論可能か否かについての、 「 理論の科学的地位の基準 」 判定のツールであり、仮説そのものの 内容の評価にかかる主要テーゼとして扱われることは Popper自身 意図していなかったと考えられる。
むしろ、「 反証可能性 」を提唱した 若き日の Popper の心底は、端的に言えば 擬似科学が 「 科学の仮面 」 をかぶることに対する 「 仮面剥奪 」の要請であり、より具体的には プラトンの流れを汲む 全体主義 ( totalitarianism ) の近代における承継者 ヘーゲル による 「 弁証法 」 に基礎付けられた、 マルクシズム の 「 反証可能性の欠落 」 ( ⇒ あらゆる社会事象が、class struggle に視座を置いた 「 貧困な 歴史主義 」 の中で、「 正・反・合 の 三拍子 」 によって説明可能であること ) に対する 根源的な批判 にこそある、と強く感じる。
さらに敷衍すれば ( Popper自身 も The Open Society and Its Enemies Vol.2 において言及しているように )、科学全般における intellectual honesty ( 知 的 廉 直 ) の重要性にも繋がるものであろう。
自然科学においても、社会科学においても、すべての個人が自由に 何らの制約なく 「 仮説 」を唱えることが出来、 その 「 仮説 」 に対して、 忌憚のない 「 反証 」 ( falsification ) あるいは 「 験証 」 ( corroboration ) がなされることにより 自由な議論が展開され、 科学の着実な進歩を促し、それらを通して 「 開かれた社会 」 が形成されてゆく ・ ・ ・ そこでは、「 権力・権威 」 による 「 特定の理論や思想についての一方的な 統制 あるいは強制 」 は 決して許されない。
本書は、 単に科学理論・仮説 評価の方法論にとどまらず、かかる 世界観 を共有し、開かれた社会 ( open society ) の実現を目指す すべての人々に対し そのバック・ボーンとなる 基本テーゼ を明示した 叡智の結晶 として、 そして 現代思想の記念碑として 永く讃えられる作品となっている。
2021年10月8日に日本でレビュー済み
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翻訳が悪いのかも知れませんが、「否定の否定」のような、わかりにくい文章が多くて、メモとりながら読んでいます。
下巻の最後まで読みきれるかな?
下巻の最後まで読みきれるかな?
2012年3月11日に日本でレビュー済み
とにかく難解ですが、ポパーの主張は、自らの仮説、理論を正当化することなく、何度も反証のテストの海に投げ出せ!と主張します。
その態度こそが、反証主義なのですが、この態度を科学と言い切る、疑似科学にも持つべきだし、もしそういう態度をとらず、批判を受けつけないならば、科学と言ってはならない!
それが、科学と口にするなら、責任を持たなければならない!そういった断固としたポパーの立場、態度だと思います。
この本は、理系分野の方はもちろん。文系分野もきちんと学ぶべき基礎分野だと思います。
大学1年の基礎教養過程に入れるべき、基礎科目だと思います。
※下巻が難解すぎて、理解できませんでした。(私の勉強不足ですが)
その態度こそが、反証主義なのですが、この態度を科学と言い切る、疑似科学にも持つべきだし、もしそういう態度をとらず、批判を受けつけないならば、科学と言ってはならない!
それが、科学と口にするなら、責任を持たなければならない!そういった断固としたポパーの立場、態度だと思います。
この本は、理系分野の方はもちろん。文系分野もきちんと学ぶべき基礎分野だと思います。
大学1年の基礎教養過程に入れるべき、基礎科目だと思います。
※下巻が難解すぎて、理解できませんでした。(私の勉強不足ですが)