「日本の戦争の歴史とその背景」「戦没者数で見る日本の戦争」「宣戦布告の詔勅」の３部構成のうち、「戊辰戦争約1.3万、西南戦争約1.4万、日清戦争約1.3万、日露戦争約8.8万人、第１次世界大戦約1400人、第２次世界大戦約240万」という戦没者数による戦争規模の比較など、第２部が一番面白い。
よくアメリカ合衆国史上、最大の戦没者数は南北戦争のものであるというようなことが言われるが、日本でも戊辰戦争・西南戦争の戦没者が日清戦争並みに大きかったのだな。
また、第３部に関わり、「どんな戦争のときも，戦争をはじめるときには，大部分の人は〈真の平和を確保するために〉と言ってきました。平和を口実に戦争をはじめようとする人びとの意見に誤魔化されないようにすることが大切だと思うのです(pp.116-117)」という著者の意見は今こそ耳を傾けられるべきだろう。
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