吉本隆明のこの本の中にある「語相論」は、画期的なものだ。
マンガ評論家はじめ、誰一人も理解しない意味でもだ。
画像をともなう言語が、また、画像にどう影響を及ぼすのか、
画像と言葉の拮抗が驚くほどほど明快に考察されている。
言語学では、像の問題を扱うことがないが、
吉本隆明は『言語にとって美にとってとはなにか』で、初めて扱い、
やがて「イメージ論」で、本格的に像理論を展開した。
その展開過程をこの一冊でたどることができる。
像の問題に関心ある方は必見である。
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吉本隆明 全マンガ論 単行本 – 2009/5/29
吉本隆明
(著)
これまで政治や文学・美学など大文字のテーマでのみ語られがちだった戦後を代表する思想家・吉本隆明。しかし、時代と状況を鋭く映した文化事象に対する発言にこそ、その真骨頂が発揮されている場合が多い。なかでも、これまで折にふれ発言されてきた「マンガ・アニメ」に対する批評は、戦後論・日本文化論とも交錯しながらマンガ評論プロパーにはなしえなかったユニークな視点が随所に光る、マンガ表現論の嚆矢となっている。手塚治虫、24年組の少女マンガをはじめ、つげ義春、かわぐちかいじ、大友克洋、宮崎駿など、いずれも戦後マンガ史に屹立する作家と正面から切り結んだ文章の数々をはじめて集成した評論集。
- 本の長さ392ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館クリエイティブ(小学館)
- 発売日2009/5/29
- ISBN-104778037065
- ISBN-13978-4778037062
登録情報
- 出版社 : 小学館クリエイティブ(小学館) (2009/5/29)
- 発売日 : 2009/5/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 392ページ
- ISBN-10 : 4778037065
- ISBN-13 : 978-4778037062
- Amazon 売れ筋ランキング: - 744,657位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2010年11月2日に日本でレビュー済み
「マンガ論」という切り口で、一冊の本を編みたい。そういった視点は、ありだとおもう。過去にも、「信の構造」とか、そういったシリーズもあったし。
しかし、吉本の場合、体系的にどうのこうのというのではない気がする。よって、悪く言えば、単なる寄せ集め。
しかも、過去の単行本収録作品が多く、若い読者で吉本隆明という人をあまり知らず、とりあえずマンガ論、ということで研究してみたい人には良いかもしれないが、ずっと吉本のおっかけをしてきた古い読者にとっては、この内容でこの値段!?というのが正直な感想。
本書は三部に別れていて、一部が、単発的な文章を集めたもの。二部が、「ハイ・イメージ論」からマンガに関連する論考を三本。
そして、最後は、マンガに言及すること多い内容の対談を集めたもの。
まあ、ダブりが多くても、とにかく吉本隆明の文章は全部集めたい、というマニア向けか。
ところで、吉本さんは、長女が漫画家になったので、マンガにこれほど興味を持つようになったのか? それとも、以前からの資質(?)で自然と引きつけられたのか?
私はむしろ、吉本隆明がマンガをどう論ずるか、よりも、なぜにマンガを論ずるようになったのか、その内的契機とでもいうべきもののほうに興味がある。
しかし、吉本の場合、体系的にどうのこうのというのではない気がする。よって、悪く言えば、単なる寄せ集め。
しかも、過去の単行本収録作品が多く、若い読者で吉本隆明という人をあまり知らず、とりあえずマンガ論、ということで研究してみたい人には良いかもしれないが、ずっと吉本のおっかけをしてきた古い読者にとっては、この内容でこの値段!?というのが正直な感想。
本書は三部に別れていて、一部が、単発的な文章を集めたもの。二部が、「ハイ・イメージ論」からマンガに関連する論考を三本。
そして、最後は、マンガに言及すること多い内容の対談を集めたもの。
まあ、ダブりが多くても、とにかく吉本隆明の文章は全部集めたい、というマニア向けか。
ところで、吉本さんは、長女が漫画家になったので、マンガにこれほど興味を持つようになったのか? それとも、以前からの資質(?)で自然と引きつけられたのか?
私はむしろ、吉本隆明がマンガをどう論ずるか、よりも、なぜにマンガを論ずるようになったのか、その内的契機とでもいうべきもののほうに興味がある。
2009年8月18日に日本でレビュー済み
吉本隆明がマンガの評論を始めたことによって、マンガは評論する価値のあるメディアとして認知された。なので、五つ星。
本書は、手塚治虫の死と昭和の終わりを並列に語るところから始まります。手塚さんの死に対して、敬意をもっているのが伝わります。
あとは、目次を見てもらえればわかるのだけど、『沈黙の艦隊』など作品や作家に対する評論と漫画家や漫画評論家との対談です。
余談ですが、大塚英志との対談の最後に、”啓蒙されました”といい、ちょいうけでした。
私的なよみどころは、あとがきににかわる、”言い残したことなど”です。
そこでは、『銀河鉄道999』を宮沢賢治のそれと比較しています。また、松本零士に対する、共感も示しています。
『銀河鉄道999』は、アニメを考えるときにメルクマールとなる作品といえるだけに、もしくは、ここからアニメのあり方がかわった作品であるので、最後にここに言及するのは、さすがの慧眼です。
本書は、手塚治虫の死と昭和の終わりを並列に語るところから始まります。手塚さんの死に対して、敬意をもっているのが伝わります。
あとは、目次を見てもらえればわかるのだけど、『沈黙の艦隊』など作品や作家に対する評論と漫画家や漫画評論家との対談です。
余談ですが、大塚英志との対談の最後に、”啓蒙されました”といい、ちょいうけでした。
私的なよみどころは、あとがきににかわる、”言い残したことなど”です。
そこでは、『銀河鉄道999』を宮沢賢治のそれと比較しています。また、松本零士に対する、共感も示しています。
『銀河鉄道999』は、アニメを考えるときにメルクマールとなる作品といえるだけに、もしくは、ここからアニメのあり方がかわった作品であるので、最後にここに言及するのは、さすがの慧眼です。