この本の著者である伊藤文学は、出版社経営者であるとともに、みずからは同性愛者でもないのに有名な「薔薇族」を編集発行した人です。
なんでも、当初は、この手の本が全くなく、たいそうもうかったそうですが、ネット時代となりあえなく休刊になりました。
伊藤文学さんは、奥さんの実家の新潟県弥彦にロマンの泉美術館というのを私財で建て、みずからのイカールのコレクションなどを陳列していたのですが、これも借金のかたに取られて廃館となっています。
実は、僕は十数年前の夏に新潟大学に勉強に行って、その帰りに家族と弥彦に泊まったことがあります。イカールは好きでもなかったのですが、ロマンの泉美術館にあったレストランで食べたステーキがとてもおいしかったのを覚えています。
で、この本はその伊藤文学の最初の奥さんである伊藤ミカの物語です。日本女子体位う大学の学生であったミカさんと出会い、あれよあれよと結婚し(彼女が伊藤家に転がり込んできた)、そして念願の体育教師になったミカさんが、舞踊と出会い、さらに静澤竜彦が翻訳したばかりの「O嬢の物語」に出会ったことで、これを舞踊化しようと決心するに及んで、教師が裸になってアングラ小説を踊るということで問題になるわけです。
その前後から、彼女が若くしてなくなるまでを身近にいた伊藤文学氏からの視点および、伊藤ミカさんの日記から書かれています。
いや、なんともかわいそうになるほど真面目な人だったんですね、ミカさん。
彼女のステージにあつまる人々の名前がこれまた綺羅星のような人たちのなまえばかりでびっくりしました。
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裸の女房: 60年代を疾風のごとく駆け抜けた前衛舞踊家・伊藤ミカ 単行本 – 2009/6/1
伊藤 文学
(著)
- 本の長さ263ページ
- 言語日本語
- 出版社彩流社
- 発売日2009/6/1
- ISBN-104779114349
- ISBN-13978-4779114342
登録情報
- 出版社 : 彩流社 (2009/6/1)
- 発売日 : 2009/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 263ページ
- ISBN-10 : 4779114349
- ISBN-13 : 978-4779114342
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,236,090位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 161,777位ノンフィクション (本)
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2011年11月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2009年6月8日に日本でレビュー済み
今回、叔父である、『薔薇族』編集長・伊藤文學[いとう ぶんがく(本名なんですよ)]が出版した本は『裸の女房』(彩流社)。叔父の前妻「伊藤ミカ」が叔父と出会い、日本女子体育短期大学を出て公立中学校の体育教師になった後、1960年代に前衛舞踏家「アングラの女王」として活躍し、1970年に33歳でお風呂の酸欠で事故死するまでを描いた作品。
叔母が亡くなった当時、幼児だった私の記憶はうっすらしているが、なんとなく叔母のことは覚えている。この本には写真が満載で、伊藤家の歴史がつづられていて、伊藤家の関係者には必読書だ。伊藤家とはご縁のない皆さんには、1960年代の激しい時代をこんなふうに駆け抜けて生きた人がいたのだということを知っていただけたら幸いです。叔母が書いた日記がたくさん引用されているが、あの時代の素直な女性の気持ちがつづられていて、読んでいて、その少女らしいあどけなさが「まぶしい」かんじがした。そんなあどけない少女がなにゆえ裸で踊るようになったのか? ぜひ本書を手にとっていただけたらうれしいです。
★47ページと225ページにある写真が素敵なので、ぜひ見て欲しいです。
●6/7/09読了。叔母の気持ちが日記につづられていたが、フランス文学や禅に関心があった叔母がもしも生きていたら私と話題が合ったことだろうと思う。養女として育った孤独、結婚後の夫との関係で感じた寂しさ、子どもが生まれた喜びと母としての温かな気持ち、舞踏家として肉体を極めていった先にあった精神性と「死」が日記に克明に記されている。言葉が追いつけないぐらいの速さで進んでいく現実だったと思うが、叔母の知性と筆力の確かさが幸いし、叔母の人生とは何だったかが今回の本に結実したと思う。あるひとつの夫婦の形を叔父・叔母に見せてもらった。感謝している。
叔母が亡くなった当時、幼児だった私の記憶はうっすらしているが、なんとなく叔母のことは覚えている。この本には写真が満載で、伊藤家の歴史がつづられていて、伊藤家の関係者には必読書だ。伊藤家とはご縁のない皆さんには、1960年代の激しい時代をこんなふうに駆け抜けて生きた人がいたのだということを知っていただけたら幸いです。叔母が書いた日記がたくさん引用されているが、あの時代の素直な女性の気持ちがつづられていて、読んでいて、その少女らしいあどけなさが「まぶしい」かんじがした。そんなあどけない少女がなにゆえ裸で踊るようになったのか? ぜひ本書を手にとっていただけたらうれしいです。
★47ページと225ページにある写真が素敵なので、ぜひ見て欲しいです。
●6/7/09読了。叔母の気持ちが日記につづられていたが、フランス文学や禅に関心があった叔母がもしも生きていたら私と話題が合ったことだろうと思う。養女として育った孤独、結婚後の夫との関係で感じた寂しさ、子どもが生まれた喜びと母としての温かな気持ち、舞踏家として肉体を極めていった先にあった精神性と「死」が日記に克明に記されている。言葉が追いつけないぐらいの速さで進んでいく現実だったと思うが、叔母の知性と筆力の確かさが幸いし、叔母の人生とは何だったかが今回の本に結実したと思う。あるひとつの夫婦の形を叔父・叔母に見せてもらった。感謝している。