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世界を新たに フランクリンとジェファソン: アメリカ建国者の才覚と曖昧さ 単行本 – 2010/12/27

3.5 5つ星のうち3.5 3個の評価

建国期と現在が密接に関連するアメリカの歴史に流れる〝原点〟の諸相――政府の構成と権力、保証された人民の権利、国家の価値である理念と原理――をめぐる議論への新視点からのアプローチ。18世紀の “田舎者”たちの想像力と勇気のあり方に光を当てる。

訳者あとがき
(前略)
著者の提唱する、大西洋を中心において、ヨーロッパとの関わりにおいてアメリカ史を理解しようとする見方は、二〇〇三年に出版された本著にも顕著に表れている。原題は、トーマス・ペインの有名な言葉からとられた、To Begin the World Anewであり、副題を The Genius and Ambiguities of the American Foundersとしている。かつて五〇年代を中心に、アメリカ合衆国のユニークなあり方を一国史として研究する態度が当然のことのように存在していたが、その中心的人物は彼の師であったペリー・ミラーである。ベイリンは、その呪縛から自らを解き放ち、ヨーロッパ、ことに、イギリスおよびフランスとの関係のなかで、アメリカ論を展開する必要性を強く打ち出した。実際、アメリカ合衆国が本当にユニークであることを実証するにはヨーロッパとの比較において、どうユニークであるかが提示されなければ、その意義がみえてこない。言い換えれば、アメリカだけ見ていても、その意味がわからない、ということになる。ベイリンは本書の出版の二年後に Atlantic History: Concept and Contours を出版しているが、この刺激的な著書は二〇〇七年に和田光弘、森丈夫共訳で『アトランティック・ヒストリー』と題され、名古屋大学出版会から出版されている。ここでも、ヨーロッパとの比較と関係のなかでアメリカの独自性が浮き彫りにされており、従来の歴史観を根底から覆す論旨が展開されている。
ところで、最近の初期アメリカ史研究の目立った傾向として目を見張らせる事実がある。何故これほどまでに、初期の建国の父たちについての研究がたてつづけに出版されるのか、という現象であり、重要な大部の研究書が年を経ず出版されているのである。例えば、フランクリン研究だけをとってみても、ここ数年フランクリンに関する長老級の研究者による書物が立て続けに出版されている。エドマンド・モーガン、エドウィン・ガウスタッド、ゴードン・ウッドなどなど、あたかも、フランクリンについて何かを語らなければ、学問の集大成ができないかのように、これまで大きな業績を上げて来た研究者が晩年にフランクリン論に手をつけているのである。その原因のひとつにはこれまでそう容易に扱えなかった貴重な資料がデジタル化されて、きわめて簡単に調査研究ができるようになった点が挙げられよう。Early American Imprintsなどのように、なにもウースター市のアメリカ古文書館の図書館で一次資料の原本を閲覧するまでもなく、自宅のパソコンで簡便に貴重な資料を扱い検索も自由にでき、しかも今や活字にな…
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商品の説明

著者について

コネチカット州ハートフォード出身。1953年以来、一貫してハーヴァード大学歴史学科で教鞭をとり、初期アメリカ、特に革命期を専門に、先進的な研究を推進し歴史学会の指導的立場をとり続けてきた。二度にわたりピューリッツァー賞歴史部門を受賞したが、その一つ、The Ideological Origins of the American Revolution (1967) は代表作。その他、多数の重要な著作がある。

東京都出身。
1972年、国際基督教大学教養学部人文科学科卒。
1976年、アマースト・カレッジ卒。
1981年、同大学院比較文化研究科博士後期課程満期退学、学術博士。
現在、国際基督教大学アーツ・サイエンス学部教授(アメリカ文学・アメリカ学)。
著書『ニューイングランドの宗教と社会』(彩流社、1997年)、『ピルグリムファーザーズという神話』(講談社、1998年)、『歴史のなかの政教分離―英米におけるその起源と展開』(共著、彩流社、2006年)など。
訳書 ルーアク『オーデュボン伝』(1993年)、ローレンス『アメリカ古典文学研究』(1999年)、ソロー『ウォーキング』(2005年)、ガウスタッド『アメリカの政教分離』(2007年) 、デイヴィッド・シュトラウス『パーシヴァル・ローエル』(共訳 2007年)など。

東京都出身。
2006年、国際基督教大学教養学部人文科学科卒。
2010年、同大学院比較文化研究科博士前期課程修了。比較文化修士。
現在、同大学院アーツ・サイエンス研究科博士後期課程在籍。アーツ・サイエンス専攻。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 彩流社 (2010/12/27)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/12/27
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 212ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 477911599X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4779115998
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.5 x 2 x 19.5 cm
  • カスタマーレビュー:
    3.5 5つ星のうち3.5 3個の評価

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カスタマーレビュー

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5つのうち3.5つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2011年2月20日に日本でレビュー済み
翻訳が拙い。訳者の英語力を疑います。さらに、「訳者あとがき」も酷い。原著者の経歴や肩書きの素晴らしさ、また、原著者の某大学院での教え子に有名人がいかに多いかを力説しているだけで、本書の内容には申し訳程度にしか触れられていない。訳者の見識を疑います。と同時に、これが学者(?)の仕事か、と悲しくなります。巻末をみると、原著者の経歴紹介の約倍のスペースを割いて、訳者自身の経歴や肩書きが滔々と書かれています。誰がそこまでの情報を必要とするのか、理解に苦しみます。この訳者は、結局そういう人なのでしょう。肩書きや経歴ではなく、しっかり中味を理解したい読者は、英語原書を読むべきと思います。原書の英語は、さほど難しくありません。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2011年6月18日に日本でレビュー済み
アメリカにおける建国期の権威、B.ベイリンによる5本のエッセイ集。原著は2003年に出ています。名著Ideological Origin of American Revolutionから約40年!ベイリンのインスピレーションは色あせません。大西洋史のダイナミックな胎動を感じさせる第5章は、邦訳も出て話題になった『アトランティック・ヒストリー』の手法を惜しみなく用いて、アメリカ独立革命が世界にもたらしたインパクトの広がりを躍動的に描き出しています。圧巻は1章と3章!1章は、肖像画や建造物の写真などヴィジュアルにうったえる素材を豊富に用いて、18世紀末革命を迎えたアメリカはどんな社会だったのか、描出していきます。3章はベンジャミン・フランクリンのパリ時代を扱った肖像画分析。フランクリンってこんなにユーモラスな人だったんだなぁと親近感を持ってしまいます。
「世界を新たに」という自負をもって共和制を打ち立てたアメリカ建国の父たち。小説を読んでいるかのように、鮮やかに彼らの姿が蘇ってくる、そんな一冊です。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2011年7月17日に日本でレビュー済み
もっと日本人に読まれるべきハーヴァード大学の歴史学の権威、バーナード・ベイリンの作品。初期アメリカの文化、社会状況を
環大西洋という彼の主張してきた視野から比較分析した非常に説得力のある論旨で、目が開かれる思いが繰り返される。
複雑な文化状況を解説する文体は、見事で無駄がなく、日本語訳もこなれて読み易い。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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