本作は「wonder wonderful」の作者が描く、10代で挫折を味わった若い男女の物語。
副題の「Adversity makes a man wise.(艱難汝を玉にす。)」の一文が表す通り、
二人が逆境を乗り越えて成長する過程が、心温まる優しい筆致で描かれている。
若い人向けの作品ではあるが、大人の目線からは、前向きなカンナの境遇には
理不尽さ不条理さを感じ、後ろ向きのシンクには蹴り飛ばしたい気持ちが湧いてくるが、
そんな二人の関係が微笑ましい。本作は幅広い年齢層にも楽しめる佳作である。
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楽園のとなり (レガロシリーズ) 単行本(ソフトカバー) – 2011/2/11
「どうして立ち向かわないの!」 「お前には関係無い」 古代の言葉で「楽園」を意味する王都ドラ。 カンナはそこで王立騎士団員を目指し、日々努力を重ねていた。 入団試験の対策は万全、実力も充分。 しかし年に一度の試験では、なぜか毎回毎回思いもよらぬトラブルに巻き込まれ、受験できずにいた。 次こそはと意気込むカンナは、4度目の試験を1ヶ月後に控えたある日の夜、 衰弱し、行き倒れていた謎の美少年・シンクを拾う。 間近に迫る試験のことを気にしつつ、しかし誰かに追われている様子の彼を放っておけないカンナだったが、
- 本の長さ334ページ
- 言語日本語
- 出版社イースト・プレス
- 発売日2011/2/11
- 寸法13 x 2.3 x 18.8 cm
- ISBN-104781605567
- ISBN-13978-4781605562
登録情報
- 出版社 : イースト・プレス (2011/2/11)
- 発売日 : 2011/2/11
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 334ページ
- ISBN-10 : 4781605567
- ISBN-13 : 978-4781605562
- 寸法 : 13 x 2.3 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,087,037位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年9月26日に日本でレビュー済み
2011年11月1日に日本でレビュー済み
あきさんのイラストだったんで思わずジャケ買いです。
実は前作で失敗したのでリベンジのつもりで読んでみたのですが、
やはり好き嫌いが分かれる作家さんだと思いました。
作家さんの人柄を表しているようで、真っ直ぐで温かく、優しいストーリーだと思います。
それなりに楽しめたし悪くないです。素直に感動できる人はたくさんいると思う。
ただ、前作と同様に善意に満ちあふれ過ぎてて、ちょっと押しつけがましい。
あと「こんなに私頑張ってるのに、私はなんで報われない」系の主人公が個人的に受け付けなかった。
(カンナが色々と失敗しても、それって自己責任の範疇じゃないの?と思ってしまう。甘い気がする)
頑張る女の子のお話は大好きなんだけど、読んでてそこがしんどかった。
うまく言えないけど、自分はやさぐれてるなと思い知らされて、置いてきぼりにされるかんじ。
前作より対象年齢が10代前半〜くらいに下がっていると思います。
でもレガロシリーズは文庫より値が張るので、学生さんには気軽に勧めにくい。
前作みたいに「主人公が20代のOLで〜」というような路線で書き続けた方が、
作家さんの個性が出るし、その年代の人からも支持されやすいんじゃないかな、とお節介なことを思った。
いろいろと難癖をつけてしまいましたが、文章も装丁もキレイだし、いい作品だと思います。
ただ、この作家さんの作品ははじめてという方は、
購入する際に試し読みするか、店頭で実際に手にとって決めた方がよいと思います。
実は前作で失敗したのでリベンジのつもりで読んでみたのですが、
やはり好き嫌いが分かれる作家さんだと思いました。
作家さんの人柄を表しているようで、真っ直ぐで温かく、優しいストーリーだと思います。
それなりに楽しめたし悪くないです。素直に感動できる人はたくさんいると思う。
ただ、前作と同様に善意に満ちあふれ過ぎてて、ちょっと押しつけがましい。
あと「こんなに私頑張ってるのに、私はなんで報われない」系の主人公が個人的に受け付けなかった。
(カンナが色々と失敗しても、それって自己責任の範疇じゃないの?と思ってしまう。甘い気がする)
頑張る女の子のお話は大好きなんだけど、読んでてそこがしんどかった。
うまく言えないけど、自分はやさぐれてるなと思い知らされて、置いてきぼりにされるかんじ。
前作より対象年齢が10代前半〜くらいに下がっていると思います。
でもレガロシリーズは文庫より値が張るので、学生さんには気軽に勧めにくい。
前作みたいに「主人公が20代のOLで〜」というような路線で書き続けた方が、
作家さんの個性が出るし、その年代の人からも支持されやすいんじゃないかな、とお節介なことを思った。
いろいろと難癖をつけてしまいましたが、文章も装丁もキレイだし、いい作品だと思います。
ただ、この作家さんの作品ははじめてという方は、
購入する際に試し読みするか、店頭で実際に手にとって決めた方がよいと思います。
2011年9月26日に日本でレビュー済み
実力があり、努力もしているのに王立騎士団員になれない主人公「カンナ」と、過酷な人生からひたすらに逃避することを選んだ美少年「シンク」。
誰もが一度は経験するような心の葛藤や苦悶を、10代のふたりが等身大の人生観・価値観としてぶつけ合いながら、
新しい一歩を踏み出すために、生きるために…関わったり離れたりしながら必要な何かを見つけ出していくお話し。
物語は、とある陰謀から逃げているシンクをお節介にも助けてしまうカンナ、という設定ですが、
そこを彩る「生き様」や、二人の会話が何ともいえない深い世界観をつむぎだしています。
人との関わりが人生に温かく作用していて、大切な事を教えてくれる。とてもピュアなお話しでした。
テンポよく元気に、アクティブに生きる人たちが紡ぎだすストーリーは読みやすく、
そして各々が「生きている」がゆえに深かったです。
私の中で一番印象に残ったのは、シンクの持つ世界観・宗教観でした。
神と人との関わり方、また宗教という概念が私たちの日常にどうあり、どう作用するものなのか。
宗教の本質を広くおしえ、やわらかく訴えかけてくるような一面を感じました。
それも語彙がわかりやすく、鮮やかに描かれているからこそです。
さすがです。
自分の人生を、自分の足で立つための力をくれる、そんな1冊です。
誰もが一度は経験するような心の葛藤や苦悶を、10代のふたりが等身大の人生観・価値観としてぶつけ合いながら、
新しい一歩を踏み出すために、生きるために…関わったり離れたりしながら必要な何かを見つけ出していくお話し。
物語は、とある陰謀から逃げているシンクをお節介にも助けてしまうカンナ、という設定ですが、
そこを彩る「生き様」や、二人の会話が何ともいえない深い世界観をつむぎだしています。
人との関わりが人生に温かく作用していて、大切な事を教えてくれる。とてもピュアなお話しでした。
テンポよく元気に、アクティブに生きる人たちが紡ぎだすストーリーは読みやすく、
そして各々が「生きている」がゆえに深かったです。
私の中で一番印象に残ったのは、シンクの持つ世界観・宗教観でした。
神と人との関わり方、また宗教という概念が私たちの日常にどうあり、どう作用するものなのか。
宗教の本質を広くおしえ、やわらかく訴えかけてくるような一面を感じました。
それも語彙がわかりやすく、鮮やかに描かれているからこそです。
さすがです。
自分の人生を、自分の足で立つための力をくれる、そんな1冊です。
2011年2月23日に日本でレビュー済み
幸せな読後感の中、では早速!とこのレビューに何を書こうかと考えた時。
本の背表紙を撫でて、素直な気持ちで「よし、また頑張ろう!」と思えたので、レビュータイトルとさせていただきました。
「wonder wonderful」が素晴らしすぎたこともあり、過剰に期待しすぎている自分がいるようで、なんだか不安だったのですが、やっぱり河上さんの書く物語は素敵でした。不安がっていた自分を殴りたいくらいです。
本作は王立騎士団員を目指す戦う女の子が主人公のファンタジーです。
主人公カンナのそのまっすぐさが、人と人のつながりの暖かさが、読み終わった後に、私を励ましてくれました。いろんな事があるけれど、心の底には負の感情も沈殿して未だ存在するけれど……それでも、「よし、また頑張ろう!」と思わせてくれるのです。「wonder wonderful」と同じ、胸がぎゅうっとなるほどのやさしさが、この物語にも詰まっています。
主人公の年齢が「wonder wonderful」よりも低いこともあり、是非中学生や高校生にも読んでほしい!と思いました。受験でくじけそうだった自分にも、この本があったらよかったのに……と考えずにはいられません。
河上さんの物語と物語の登場人物に対する愛情、慈しみが、行間から滲んでくるようです。河上さんのお人柄が、素晴らしい物語を構築しているのでしょう。
次に河上さんが綴る物語を、今度は不安がらず期待して待ちたいです。
本の背表紙を撫でて、素直な気持ちで「よし、また頑張ろう!」と思えたので、レビュータイトルとさせていただきました。
「wonder wonderful」が素晴らしすぎたこともあり、過剰に期待しすぎている自分がいるようで、なんだか不安だったのですが、やっぱり河上さんの書く物語は素敵でした。不安がっていた自分を殴りたいくらいです。
本作は王立騎士団員を目指す戦う女の子が主人公のファンタジーです。
主人公カンナのそのまっすぐさが、人と人のつながりの暖かさが、読み終わった後に、私を励ましてくれました。いろんな事があるけれど、心の底には負の感情も沈殿して未だ存在するけれど……それでも、「よし、また頑張ろう!」と思わせてくれるのです。「wonder wonderful」と同じ、胸がぎゅうっとなるほどのやさしさが、この物語にも詰まっています。
主人公の年齢が「wonder wonderful」よりも低いこともあり、是非中学生や高校生にも読んでほしい!と思いました。受験でくじけそうだった自分にも、この本があったらよかったのに……と考えずにはいられません。
河上さんの物語と物語の登場人物に対する愛情、慈しみが、行間から滲んでくるようです。河上さんのお人柄が、素晴らしい物語を構築しているのでしょう。
次に河上さんが綴る物語を、今度は不安がらず期待して待ちたいです。