先に映画をみましたが,本を読んでより納得しました.
それでも一番不思議に思ったのは,著者が何故こうした深層心理を理解して書き上げたか?ということです.
想像だけでは書けない内容です.著者と直接話がしてみたい.
母親の「何故?」という問いかけに,ケビンには答えがあったのでしょうか?
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少年は残酷な弓を射る 下 単行本(ソフトカバー) – 2012/6/24
萩尾望都さん(漫画家)、驚愕!
「彼女は産みたくなかった。子供は産まれたくなかった。
愛そうとした。憎しみが返ってきた。
ほんとうは何が起こったのか?
彼女は語り続ける、思い出を、記憶を。理解するために、ケヴィンのことを」
三浦しをんさん(作家)、絶賛!
「主人公・エヴァの手紙を読み進むうち、母性への幻想や常識が揺さぶられていく。
母と子もまた、謎に満ちた人間関係のひとつに過ぎない。そう認めるところからしか、真の希望は生まれないのではないか。
途中でやめられず徹夜して読み、朝の光のなかであれこれ想像と考えをめぐらせずにはいられなかった」
キャリアウーマンのエヴァは37歳で息子ケヴィンを授かった。
手放しで喜ぶ夫に対し、なぜかわが子に愛情を感じられないエヴァ。
その複雑な胸中を見透かすかのように、ケヴィンは執拗な反抗を繰り返す。
父親には子供らしい無邪気さを振りまく一方、母親にだけ見せる狡猾な微笑、多発する謎の事件・・・・・・
そんな息子に“邪悪”の萌芽をみてとるが、エヴァの必死の警告に誰も耳を貸さない。
やがて美しい少年に成長したケヴィンは、16歳を迎える3日前、全米を震撼させる事件を起こす――。
100万人が戦慄した傑作エモーショナル・サスペンス!
女性作家の最高峰・英オレンジ賞受賞作。
アカデミー賞女優ティルダ・スウィントン主演/制作総指揮により映画化!
6月30日より全国順次公開(配給クロックワークス)
ゴールデングローブ賞・英国アカデミー賞(主演女優賞)ノミネート
カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品
監督:リン・ラムジー(『ボクと空と麦畑』『モーヴァン』)
出演:ティルダ・スウィントン/ジョン・C・ライリー/エズラ・ミラー
作曲:ジョニー・グリーンウッド
「コロンバイン高校事件のような殺人をとりあげた小説はいくつもあるが、これほど成功した作品はない」
――パブリッシャーズ・ウィークリー
「この作品は多くの女性が感じていながら決して口に出すことのなかった真実――母になることへの怖れと、生まれてくる子を愛せないかもしれないという不安――を広く知らしめた」
――ジェニー・マレー(英国のジャーナリスト)
「彼女は産みたくなかった。子供は産まれたくなかった。
愛そうとした。憎しみが返ってきた。
ほんとうは何が起こったのか?
彼女は語り続ける、思い出を、記憶を。理解するために、ケヴィンのことを」
三浦しをんさん(作家)、絶賛!
「主人公・エヴァの手紙を読み進むうち、母性への幻想や常識が揺さぶられていく。
母と子もまた、謎に満ちた人間関係のひとつに過ぎない。そう認めるところからしか、真の希望は生まれないのではないか。
途中でやめられず徹夜して読み、朝の光のなかであれこれ想像と考えをめぐらせずにはいられなかった」
キャリアウーマンのエヴァは37歳で息子ケヴィンを授かった。
手放しで喜ぶ夫に対し、なぜかわが子に愛情を感じられないエヴァ。
その複雑な胸中を見透かすかのように、ケヴィンは執拗な反抗を繰り返す。
父親には子供らしい無邪気さを振りまく一方、母親にだけ見せる狡猾な微笑、多発する謎の事件・・・・・・
そんな息子に“邪悪”の萌芽をみてとるが、エヴァの必死の警告に誰も耳を貸さない。
やがて美しい少年に成長したケヴィンは、16歳を迎える3日前、全米を震撼させる事件を起こす――。
100万人が戦慄した傑作エモーショナル・サスペンス!
女性作家の最高峰・英オレンジ賞受賞作。
アカデミー賞女優ティルダ・スウィントン主演/制作総指揮により映画化!
6月30日より全国順次公開(配給クロックワークス)
ゴールデングローブ賞・英国アカデミー賞(主演女優賞)ノミネート
カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品
監督:リン・ラムジー(『ボクと空と麦畑』『モーヴァン』)
出演:ティルダ・スウィントン/ジョン・C・ライリー/エズラ・ミラー
作曲:ジョニー・グリーンウッド
「コロンバイン高校事件のような殺人をとりあげた小説はいくつもあるが、これほど成功した作品はない」
――パブリッシャーズ・ウィークリー
「この作品は多くの女性が感じていながら決して口に出すことのなかった真実――母になることへの怖れと、生まれてくる子を愛せないかもしれないという不安――を広く知らしめた」
――ジェニー・マレー(英国のジャーナリスト)
- 本の長さ302ページ
- 言語日本語
- 出版社イースト・プレス
- 発売日2012/6/24
- 寸法13 x 2.3 x 18.8 cm
- ISBN-104781607837
- ISBN-13978-4781607832
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商品の説明
レビュー
16歳になる直前にケヴィンが引き起こした破滅的な事件の後、エヴァが夫に宛てて手紙を書く形式で、回想と現在が入り混じる叙述から全体像が少しずつ見えてくる仕掛けは、緊迫感あふれるミステリーの読み心地。〈br〉自分が産んだのが純粋な悪意の塊のような魔性の子だったとしたら……というホラーでありながら、理解とは、赦しとは何かを探る哲学的な問いかけを孕んでいる。アメリカの2000年前後の政治情勢やコロンバイン高校での銃乱射事件なども踏まえ、“少年A”の親として生きていくことの痛みと重さを生々しく深く描いている。 --『週刊新潮』2012年9月20日号
著者について
ライオネル・シュライヴァー Lionel Shriver
1957年、米国ノース・カロライナ州に生まれる。「マーガレット・アン」と名付けられるも、子供の頃から男勝りだったシュライヴァーは、15歳の時、自らの希望で「ライオネル」と改名。
コロンビア大学卒業後は、ナイロビ(ケニア)、バンコク(タイ)、ベルファスト(アイルランド)などに移り住みながら、小説家・ジャーナリストとして活躍してきた。
日本語翻訳版の刊行は2005年英オレンジ賞を受賞した本作が初となる。'07年に発表した『The Post-Birthday World』は、'08年に米「エンタテインメント・ウィークリー」誌、米「タイム」誌の各ベスト・ブック・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。
1957年、米国ノース・カロライナ州に生まれる。「マーガレット・アン」と名付けられるも、子供の頃から男勝りだったシュライヴァーは、15歳の時、自らの希望で「ライオネル」と改名。
コロンビア大学卒業後は、ナイロビ(ケニア)、バンコク(タイ)、ベルファスト(アイルランド)などに移り住みながら、小説家・ジャーナリストとして活躍してきた。
日本語翻訳版の刊行は2005年英オレンジ賞を受賞した本作が初となる。'07年に発表した『The Post-Birthday World』は、'08年に米「エンタテインメント・ウィークリー」誌、米「タイム」誌の各ベスト・ブック・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。
登録情報
- 出版社 : イースト・プレス (2012/6/24)
- 発売日 : 2012/6/24
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 302ページ
- ISBN-10 : 4781607837
- ISBN-13 : 978-4781607832
- 寸法 : 13 x 2.3 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 426,662位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 114,504位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年9月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
母親も息子もお互いを愛しているのに、相手に心の奥底にしまってある自分を映し出してもらえない悲しさが伝わってきます。相手に思いを伝えようとするほど、かみ合わない。他人だったら、無関心でいればいいが、家族ゆえに執着してしまう。家族内の力関係や人間を1人この世に送り出すということの責任、考えさせられる本です。
2013年3月29日に日本でレビュー済み
本作はフィクションではありますが、実際の事件や実在の人名、実在の会社、番組、
固有名詞や社会現象などをふんだんに盛り込んでおり、
(作者が本作執筆に取り掛かる前に丹念に調べたのでしょう。)
圧倒されるほどのリアリティに、最後の1ページまで
ページをめくるのももどかしいほどに引き込まれました。
(上・下巻に分けずに、1冊にまとめてほしかった。)
上巻のレビューに「固定観念への挑戦」という秀逸なものがありました。
更にひとつ付け加えるとすれば、アメリカには
「皆と違うことは良いこと。」という、一見、多様性や個性を
尊重するかのような風潮がありますが、ケヴィンの高度な知性はこれにも
欺瞞を嗅ぎ取り、疑問(或いは嫌悪)を投じた、ということでしょうか。
ケヴィンが「あの木曜日」に体育館に集めた人々はほとんどが
「皆と違う何か」を備えており、人種構成や性的嗜好などにも
きちんと多様性が「配慮」されているのです。
「古き良きアメリカ」の幻想を体現するアングロサクソンの父親フランクリンの前では
「あの木曜日」まで、父の望むとおりの息子像を演じきったケヴィン。
夫を愛しながらも、フランクリンの「”いかにも”なアメリカ人っぽさ」を軽蔑していた
アルメニア系のエヴァですが、彼女の「私は他の人達とは違うのよ。」という態度や
アメリカに対する批判の数々もまた、ある意味、よく見られるアメリカ人の
側面なのではないでしょうか。
エヴァはケヴィンの様子に「悪の萌芽」を見て取り(或いはそう思い込み)、
何度も夫の目を覚まそうとしましたが、ことごとく失敗しました。
悪い種子 [DVD ]
しかし、ケヴィンの不可解な言動に対して、「負けるもんですか!」と
意地を張るのではなく、率直に「なぜ、こんなことをするの?」
「なぜ、そんなことを言うの?」そして「ママーは悲しいわ。」
「ママーは傷ついたわ。」と言っていたらどうなっていたでしょう・・・。
そんな素直な(或いは単純な)母親なら、幻想に浸った夫フランクリンと同じく、
ケヴィンの軽蔑と憎悪の対象となり、「あの木曜日」に一緒に殺されていたでしょうか。
それとも、「別に。」「なぜ、そんなこと訊くの?バッカみたい。」と一蹴されるか、
あのイライラする「にぇにぇ、にぇーにぇにぇにぇにぇ?」で返されていたでしょうか・・・。
最後の1ページを読めば、まったく別の可能性があったのでは、と思えなくもないのですが。
(ゲイリー・オールドマンの昔のインタビューにも、こういった内容のものがあります。)
そして、エヴァがケヴィン&フランクリンに対抗するかのごとく「私の援軍」として
40代半ばで産んだ娘、シーリア。
皮肉なことに、シーリアの痛々しいまでの無垢さが、アメリカの幻想を象徴するものに思えます。
彼女は、自分を邪険に扱うケヴィンを疑わないどころか、すべてを受け入れ、彼を尊敬し、
時には彼を庇うような(自己犠牲とも言える)態度すらとったのです。
エヴァが「あんなに何でもかんでも怖がる子なのに、本当に恐れるべき相手を間違えていた。」と
まで言うほどに。
ケヴィンにどんな態度を取られようとも、何をされても、一切ネガティヴな感情を抱くこと無く
受け止め続ける幼いシーリアの方が、エヴァよりもよっぽど母性を感じさせるのですが、
そんな健気な小さい子があんな目に遭うとは・・・。
「あの木曜日」から2年が経ち、18歳になるとケヴィンは成人として別の刑務所へ送られます。
法改正がなされたり、刑務所内で事件でも起こらない限りは、23歳頃には無事に出所できるわけですが、
「あまりにも整然とした、何の個性もない部屋」をそのままに、ケヴィンを一人で迎えるエヴァは、
その日からまた、母親業をやり直すことになるのでしょう。
エヴァが街の人々や知らない人々から受けた以上の嫌がらせがケヴィンを待っているでしょうし、
マスコミも「あの人は今」的な取材をことあるごとに続けるのでしょうから、
おそらく、ありきたりな就職や平凡な生活をおくることは無理だとは思いますが、
彼の異様なまでの知性とエヴァの実務能力をもってすれば、残りの人生を過ごすに不足のない
収入を得つつ何とか暮らしてゆくことは可能でしょう。
(ケヴィンはわずか5歳にして「ボクは生活保護でいいや。」なんて言っていましたが・・・。)
この作品自体はフィクションとはいえ、アメリカにはエヴァのような立場の人が結構な数で
実在するのですよね・・・。(日本もそうですが。)
固有名詞や社会現象などをふんだんに盛り込んでおり、
(作者が本作執筆に取り掛かる前に丹念に調べたのでしょう。)
圧倒されるほどのリアリティに、最後の1ページまで
ページをめくるのももどかしいほどに引き込まれました。
(上・下巻に分けずに、1冊にまとめてほしかった。)
上巻のレビューに「固定観念への挑戦」という秀逸なものがありました。
更にひとつ付け加えるとすれば、アメリカには
「皆と違うことは良いこと。」という、一見、多様性や個性を
尊重するかのような風潮がありますが、ケヴィンの高度な知性はこれにも
欺瞞を嗅ぎ取り、疑問(或いは嫌悪)を投じた、ということでしょうか。
ケヴィンが「あの木曜日」に体育館に集めた人々はほとんどが
「皆と違う何か」を備えており、人種構成や性的嗜好などにも
きちんと多様性が「配慮」されているのです。
「古き良きアメリカ」の幻想を体現するアングロサクソンの父親フランクリンの前では
「あの木曜日」まで、父の望むとおりの息子像を演じきったケヴィン。
夫を愛しながらも、フランクリンの「”いかにも”なアメリカ人っぽさ」を軽蔑していた
アルメニア系のエヴァですが、彼女の「私は他の人達とは違うのよ。」という態度や
アメリカに対する批判の数々もまた、ある意味、よく見られるアメリカ人の
側面なのではないでしょうか。
エヴァはケヴィンの様子に「悪の萌芽」を見て取り(或いはそう思い込み)、
何度も夫の目を覚まそうとしましたが、ことごとく失敗しました。
悪い種子 [DVD ]
しかし、ケヴィンの不可解な言動に対して、「負けるもんですか!」と
意地を張るのではなく、率直に「なぜ、こんなことをするの?」
「なぜ、そんなことを言うの?」そして「ママーは悲しいわ。」
「ママーは傷ついたわ。」と言っていたらどうなっていたでしょう・・・。
そんな素直な(或いは単純な)母親なら、幻想に浸った夫フランクリンと同じく、
ケヴィンの軽蔑と憎悪の対象となり、「あの木曜日」に一緒に殺されていたでしょうか。
それとも、「別に。」「なぜ、そんなこと訊くの?バッカみたい。」と一蹴されるか、
あのイライラする「にぇにぇ、にぇーにぇにぇにぇにぇ?」で返されていたでしょうか・・・。
最後の1ページを読めば、まったく別の可能性があったのでは、と思えなくもないのですが。
(ゲイリー・オールドマンの昔のインタビューにも、こういった内容のものがあります。)
そして、エヴァがケヴィン&フランクリンに対抗するかのごとく「私の援軍」として
40代半ばで産んだ娘、シーリア。
皮肉なことに、シーリアの痛々しいまでの無垢さが、アメリカの幻想を象徴するものに思えます。
彼女は、自分を邪険に扱うケヴィンを疑わないどころか、すべてを受け入れ、彼を尊敬し、
時には彼を庇うような(自己犠牲とも言える)態度すらとったのです。
エヴァが「あんなに何でもかんでも怖がる子なのに、本当に恐れるべき相手を間違えていた。」と
まで言うほどに。
ケヴィンにどんな態度を取られようとも、何をされても、一切ネガティヴな感情を抱くこと無く
受け止め続ける幼いシーリアの方が、エヴァよりもよっぽど母性を感じさせるのですが、
そんな健気な小さい子があんな目に遭うとは・・・。
「あの木曜日」から2年が経ち、18歳になるとケヴィンは成人として別の刑務所へ送られます。
法改正がなされたり、刑務所内で事件でも起こらない限りは、23歳頃には無事に出所できるわけですが、
「あまりにも整然とした、何の個性もない部屋」をそのままに、ケヴィンを一人で迎えるエヴァは、
その日からまた、母親業をやり直すことになるのでしょう。
エヴァが街の人々や知らない人々から受けた以上の嫌がらせがケヴィンを待っているでしょうし、
マスコミも「あの人は今」的な取材をことあるごとに続けるのでしょうから、
おそらく、ありきたりな就職や平凡な生活をおくることは無理だとは思いますが、
彼の異様なまでの知性とエヴァの実務能力をもってすれば、残りの人生を過ごすに不足のない
収入を得つつ何とか暮らしてゆくことは可能でしょう。
(ケヴィンはわずか5歳にして「ボクは生活保護でいいや。」なんて言っていましたが・・・。)
この作品自体はフィクションとはいえ、アメリカにはエヴァのような立場の人が結構な数で
実在するのですよね・・・。(日本もそうですが。)
2013年4月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
母であることの難しさ、苦しさを描いた秀逸な作品。母と子の間に横たわるどうしようもない「溝」に共感する読者も多いのでは。