本書は様々なネットワーク理論を判り易く解説しています。
代表的なネットワーク理論の一つひとつについての概要、効用と限界を
丁寧に解説すると共に、数式を使っての解析をしています。
数学が苦手な人にとってありがたいことに、読まなくてもいい範囲を提示してくれています。
また、特定のネットワーク理論を過剰に擁護することなく、冷静に比較していることも好感が持てます。
更に、ネットワーク理論は未だ完成しておらず、
今後の研究開発により解決すべき課題が多いということを正直に認めているところも誠実だと思います。
あとは、なんといっても参考文献が豊富に掲載されていることが本書の価値を高めています。
ネットワーク理論を初めて学ぼうとされる方は、
著者の「複雑ネットワークとは何か」の後に本書を読まれることをお薦めします。
ワッツとバラバシは本書を読まれて概要を掴んだ後の方が、理解が一層深まるような気がします。
2008/3/10読了

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複雑ネットワークの科学 単行本 – 2005/2/1
友達同士の人間関係は規則的でも乱雑でもない特徴をもつ。実は、流行現象、疫病の伝播、生態系や遺伝子の相互作用などは、このような複雑なネットワーク上で起こっている。本書は、複雑ネットワークという新しい学問の基礎から最先端の話題までをカバーする、本邦初の体系的かつ平易な解説書。
- 本の長さ185ページ
- 言語日本語
- 出版社産業図書
- 発売日2005/2/1
- ISBN-104782851510
- ISBN-13978-4782851517
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登録情報
- 出版社 : 産業図書 (2005/2/1)
- 発売日 : 2005/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 185ページ
- ISBN-10 : 4782851510
- ISBN-13 : 978-4782851517
- Amazon 売れ筋ランキング: - 306,417位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 16,457位科学・テクノロジー (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年6月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書を手に取ったのは、同じ著者らによる『「複雑ネットワーク」とは何か』(以下「新書」と表現)が非常に面白かったからである。読む前は、本書を一般読者向けに書き直したものが新書なのではないかと思っていたが、そういうわけではなかった。ポイントのおきかたも違うし、執筆の際の狙いも異なるのだと思う。以下では、新書との比較という観点から、本書についての感想を記す。
新書の目的が複雑ネットワークという概念そのものの紹介にあったのに対して、本書では、主要なネットワークモデル(スモールワールドモデル、BAモデル、階層的モデル、閾値モデル、等)の性質(平均頂点間距離、クラスター係数、スケールフリー性、ネットワーク構造の規則性、等の諸側面)の解説に重点をおいている。
特に、これらのモデルの数理的性質について考えたり、そこから何かを演繹する際に、実際にどうやって考えるのか、その実例を示す、という点に力を注いでいるように感じた。そのため、新書では数式は一切登場しなかったのに対して、本書では、数式を用いた具体的な記述がしばしば登場する。これは、ある意味、授業を受けているような感じで、ネットワークの科学を専門としない読者で自分で考えてみたいという人には有難い(ただし、数式の出てくる節を読み飛ばしても続きを理解できるように配慮されているので、数式を苦手とする読者も安心である)。
主要なモデルの解説の後に、パーコレーション、コンタクトプロセス、連合振動子などのトピックも取り上げられている。巻末には、日本語で書かれた図書・論文(翻訳を含む)60程度を含む、145の参考図書のリストが掲載されており、独学の助けになる。
文章は、新書と比べるとやや読みづらく感じたが、新書の文章が信じ難いほど読みやすかったということかもしれない。読む順番としては、新書を読んだ後に読むのがよいのではないかと思う。
新書の目的が複雑ネットワークという概念そのものの紹介にあったのに対して、本書では、主要なネットワークモデル(スモールワールドモデル、BAモデル、階層的モデル、閾値モデル、等)の性質(平均頂点間距離、クラスター係数、スケールフリー性、ネットワーク構造の規則性、等の諸側面)の解説に重点をおいている。
特に、これらのモデルの数理的性質について考えたり、そこから何かを演繹する際に、実際にどうやって考えるのか、その実例を示す、という点に力を注いでいるように感じた。そのため、新書では数式は一切登場しなかったのに対して、本書では、数式を用いた具体的な記述がしばしば登場する。これは、ある意味、授業を受けているような感じで、ネットワークの科学を専門としない読者で自分で考えてみたいという人には有難い(ただし、数式の出てくる節を読み飛ばしても続きを理解できるように配慮されているので、数式を苦手とする読者も安心である)。
主要なモデルの解説の後に、パーコレーション、コンタクトプロセス、連合振動子などのトピックも取り上げられている。巻末には、日本語で書かれた図書・論文(翻訳を含む)60程度を含む、145の参考図書のリストが掲載されており、独学の助けになる。
文章は、新書と比べるとやや読みづらく感じたが、新書の文章が信じ難いほど読みやすかったということかもしれない。読む順番としては、新書を読んだ後に読むのがよいのではないかと思う。
2005年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
複雑ネットワークに関する一般向けの解説本(バラバシ「新ネットワーク思考」、ワッツ「スモールワールド・ネットワーク」、ブキャナン「複雑な世界、単純な法則」)を読んで、もう少し具体的な数学/モデルを交えながら理解したいという方にお薦めできます。
数式入りなので、大学理数系の人向けの本だと実際に読んでみて感じました。数式をいじるところは、中にはかなり歯応えがあるものもあります(途中の変形をすっ飛ばししたところもあります)。序文では「理数系に興味をもつ高校生でも理解できるかも」とありますが、ゆとり教育で得られた自由時間で大学の数学をかじった【スーパー高校生】でないとフォローは難しいでしょう。(今時の日本に何人居るんでしょう?)
とはいえ、数式でどんな結論を得たのかという説明はうまくなされているので、上で挙げた一般向け解説本で得られた知識を、更に具体的に、より深く理解する助けになります。
例えば、ネットワークのモデルが数多く紹介されています:完全グラフ、格子・サイクル、木、ランダム・グラフ、一般化ランダム・グラフ、スモール・ワールド(ワッツ・ストロガッツ)、BAモデル(バラバシ・アルバート)、適応度モデル、頂点非活性化モデル、 SW頂点非活性化ネットワーク、階層的モデル、閾値モデル。現実のネットワークの特徴(大きなクラスター係数、小さい平均頂点間距離、次数分布のベキ乗則)に対応しそうなモデルとしては、最後に上げた3つという現時点での結論は、大変参考になりました。(上の一般向け解説本では得られなかった情報です)
複雑ネットワーク上の物理現象(パーコレーション(浸透)、結合振動子(同期/非同期))についても言及されています。この手の話は、まだまだ理解がなされてないところも多いらしく、まさにHOTな話です。その辺の理解が進むと、ニューラル・ネットワーク(脳)、遺伝子のネットワーク、タンパク質の化学反応のネットワークなどで起きる物理化学現象(情報伝達、同期など)の理解も深まる期待も出てきますので、この分野の今後の進展に目が話せません。そんな話題について行くときの言葉を理解するためのとっかかりとして、本書は非常に役に立つと思います。
数式入りなので、大学理数系の人向けの本だと実際に読んでみて感じました。数式をいじるところは、中にはかなり歯応えがあるものもあります(途中の変形をすっ飛ばししたところもあります)。序文では「理数系に興味をもつ高校生でも理解できるかも」とありますが、ゆとり教育で得られた自由時間で大学の数学をかじった【スーパー高校生】でないとフォローは難しいでしょう。(今時の日本に何人居るんでしょう?)
とはいえ、数式でどんな結論を得たのかという説明はうまくなされているので、上で挙げた一般向け解説本で得られた知識を、更に具体的に、より深く理解する助けになります。
例えば、ネットワークのモデルが数多く紹介されています:完全グラフ、格子・サイクル、木、ランダム・グラフ、一般化ランダム・グラフ、スモール・ワールド(ワッツ・ストロガッツ)、BAモデル(バラバシ・アルバート)、適応度モデル、頂点非活性化モデル、 SW頂点非活性化ネットワーク、階層的モデル、閾値モデル。現実のネットワークの特徴(大きなクラスター係数、小さい平均頂点間距離、次数分布のベキ乗則)に対応しそうなモデルとしては、最後に上げた3つという現時点での結論は、大変参考になりました。(上の一般向け解説本では得られなかった情報です)
複雑ネットワーク上の物理現象(パーコレーション(浸透)、結合振動子(同期/非同期))についても言及されています。この手の話は、まだまだ理解がなされてないところも多いらしく、まさにHOTな話です。その辺の理解が進むと、ニューラル・ネットワーク(脳)、遺伝子のネットワーク、タンパク質の化学反応のネットワークなどで起きる物理化学現象(情報伝達、同期など)の理解も深まる期待も出てきますので、この分野の今後の進展に目が話せません。そんな話題について行くときの言葉を理解するためのとっかかりとして、本書は非常に役に立つと思います。
2016年6月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ネットワーク関連の基本的な性質などが主に記載されています。 ネットワークを考える際にはもちろん知っていないといけないことですが、その結果として、世界をどう眺めとらえることができるようになるのかについては、科学的にはまだ明確にははっきりとはいえないことが多いので、教科書系ではなく、理系文系問わず教科書としてはかけないようなことも書いてある本を読んだほうがいいと思います。文系と書くと おやっと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、彼らの一部にはしっかりと秩序パラメータ系を押さえている人たちもいらっしゃいます。(もちろん、科学にはなってはいませんが)
2005年5月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
スケールフリーネットワーク、スモールネットワーク、SYNCなど、最近サイエンスはすっかりネットづいている。でも、日本語の資料は一般向きばっかりだったりする。自分でシュミレーションを組んでみたり、解析しようとしても、資料がない!
そんなお悩みを持つ方にはお役立ちの一冊!実は先日作者の増田さんの講義を聞かせていただいたが、実にわかりやすかった。また、興味深かった。
そんなお悩みを持つ方にはお役立ちの一冊!実は先日作者の増田さんの講義を聞かせていただいたが、実にわかりやすかった。また、興味深かった。
2005年5月11日に日本でレビュー済み
ネットワーク科学の啓蒙書を読んでこれは面白いアイデアだと思ったあとに、さらに深く理解したい人におすすめです。数式を使って説明されておりますが、かなり丁寧に書かれておりますのでネットワーク科学をツールとして利用される方にはよい参考書になると思います。
2005年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これまでのネットワーク研究の理論の流れを初学者にもわかりやすく解説している。数式は出てくるが、必ずしも数式を理解しなくても読ことができるように書かれている。数式も大学理系程度の数学力があれば理解することはそれほど困難ではない。また、この本は参考文献が充実しており、興味を持った読者がさらに学ぶ機会を手助けしてくれる。紹介されているいくつかの有名なレビュー論文を読めばさらに広い知見を得ることができるでしょう。ネットワークを研究しようと思う初学者が最初に読むのにふさわしいのではないでしょうか。
2005年3月7日に日本でレビュー済み
近年,「スモールワールド」や「スケールフリー」といったキーワードが広く認知され,現実のネットワーク(複雑ネットワーク)の持つ不思議な性質の重要性と面白さが理解されるようになってきたように思われる.本書は,各界から注目を集めている,この複雑ネットワークに関して詳説した,初心者から専門家まで満足できる解説書である.複雑ネットワークに関する類書は訳書ながらいくつかある.しかし,有名なバラバシの「新ネットワーク思考」や,ワッツの「スモールワールド・ネットワーク」をはじめ,それらは主に一般人向けに書かれており(もちろん,これはこれで良く,認知度を高めた功績は言うまでも無いが),これからこの分野を学ぼうとする学部生や大学院生にとっては物足りない面があった.そのため,もっと深く学びたい人は,いきなり玉石混交の論文や書籍の山に分け入らざるをえなくなる.一方,本書は,初心者にもすんなりとポイントを分からせてくれるだけでなく,もっと先のところまで連れて行ってくれる.数学的な観点にも関心がある人には,ところどころに付けられたドクロ(!)マーク以降も読み進めば,最先端の研究内容や手法まで理解できるようになっている.また,適切に選ばれた参考文献リストは,更なる学習の良い導きになっている.
この分野をまずはざっくりと,しかし既存の書籍よりも深いレベルで理解したい人から,これからこの分野の研究に参入しようとする学生や研究者まで,幅広い読者が満足できる本であろう.
この分野をまずはざっくりと,しかし既存の書籍よりも深いレベルで理解したい人から,これからこの分野の研究に参入しようとする学生や研究者まで,幅広い読者が満足できる本であろう.