吉本隆明の「詩の力」にあった、「氷った焔」に収録されている「愉快なシネカメラ」の全部を読みたいと思い、古本で購入した。
未完詩篇から
詩集「氷った焔」から
詩集「日常」から
詩集「四季のスケッチ」から
詩論 指の先の角砂糖(抄)→萩原朔太郎の散文詩集「宿命」の「この手に限るよ」についての詩論。
詩論 奇妙な幕間の告白→自分を暴こうと思う。
自伝 自伝に中の一章 ーー阿藤伯海先生の思い出ーー→漢文の先生の話
作品論 清岡さんの「羞恥」について=吉野弘 →「詩集→卒業→就職→結婚」という戦争中の愚かな高校生が描いたと清岡氏は語っているが、実は、結婚し、就職し、卒業し、詩集を出した。
詩人論 清岡卓行氏について=那珂太郎→愛妻家
清岡卓行 1922年大連で生まれる。東大仏文卒。
詩集に「氷った焔」(1959年)、「日常」(1962年)、「四季のスケッチ」(1966年)、清岡卓行詩集(1970年)、「ひとつの愛」(1970年)。
評論集に「手の変幻」(1966年)、「抒情の前線」(1970年)。
小説に「アカシアの大連」(1970年)、「フルートとオーボエ」(1971年)、「海の瞳」(1971年)。
詩集「氷った焔」から
「愉快なシネカメラ」(引用)
かれは眼をとじて地図にピストルをぶっぱなし
穴のあいた都会の穴の中で暮す
かれは朝のレストランで自分の食事を忘れ
近くの席の ひとり悲しんでいる女の
口の中へ入れられたビフテキを追跡する
かれは町が半世紀ぶりで洪水になると
水面からやっと顔を突き出している屋根の上の
吠える犬のそのまた尻尾のさきを写す
しかし かれは日頃の動物園で気ばらしができない
檻からは遠い とある倉庫の闇の奥で
剥製の猛獣たちに優しく面会するのだ
だからかれは わざわざ戦争の廃墟の真昼間
その上を飛ぶ生き物のような最新の兵器を仰ぐ
かれは競技場で 黒人ティームが
白人のティームに勝つバスケット・ボールの試合を
またそれを眺める黄色人の観客を感嘆して眺める
そして彼は 濁った河に浮かんでいる
恋人たちの清らかな包容を間近に覗き込む
かれは夕暮の場末で親を探し求める子供が
群衆の中にまぎれこんでしまうのを茫然と見送る
かれにはゆっくりとしゃべる閑がない
かれは夜 友人のベッドで眠ってから
寝言でストーリーをつくる
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清岡卓行詩集 (現代詩文庫 第 1期5) 単行本 – 1968/2/1
清岡 卓行
(著)
- 本の長さ149ページ
- 言語日本語
- 出版社思潮社
- 発売日1968/2/1
- ISBN-104783707049
- ISBN-13978-4783707042
登録情報
- 出版社 : 思潮社 (1968/2/1)
- 発売日 : 1968/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 149ページ
- ISBN-10 : 4783707049
- ISBN-13 : 978-4783707042
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