たしか、茨木のり子さんの「詩のこころを読む」で紹介されている詩人の中で、ぼくにはとてもわかりやすく、最初に読んでみたいと思ったのが川崎洋さんだったので、この本を求めたのだと思います。
ところが、この詩集、ぼくにはわからない、つまり、意味がつかめないものもあれば、じゃんけんの掛け声を数十も並べた(だけの)ものもあったりで、わかりやすいだけではない川崎さんがいました。(もっとも、意味をつかもうとする読み方は詩の読み方ではないのかもしれませんが。けれども、何かを感じることもできなかったなあ。)
木坂涼さんという、やはり詩人が巻末に寄せたエッセイによると、川崎さんは「対象に触れようとするその手を、心を、思わずひっこめて、もっと柔らかく、自分でもどこにあるか分からないようなところで触るやり方」(p206)だそうです。それなら、ぼくがわからないのも、無理はないですね。なにせ、手も心もひっこめられて、それがどこにあるのかわからないようなタッチなのですから。ぼくが、川崎さんの詩はとぼけているところがあると感じるのもこうしたことなのでしょう。
でも、わかりやすい、あるいは、わかったつもりになった、あるいは、感じた(つもりになった)言葉もあります。
「チーズと発音すれば 笑い顔をつくる事ができます でも ほほえみはつくれません」(「地下水」)
「どうしようもないきのうを持ってしまったが
どうにかできるあしたがあるさ」(重いつばさ)
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川崎洋詩集 (現代詩文庫 第 1期33) 単行本 – 1970/4/1
川崎 洋
(著)
- 本の長さ142ページ
- 言語日本語
- 出版社思潮社
- 発売日1970/4/1
- 寸法12.8 x 0.8 x 18.2 cm
- ISBN-104783707324
- ISBN-13978-4783707325
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登録情報
- 出版社 : 思潮社 (1970/4/1)
- 発売日 : 1970/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 142ページ
- ISBN-10 : 4783707324
- ISBN-13 : 978-4783707325
- 寸法 : 12.8 x 0.8 x 18.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 254,135位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 73,321位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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2015年2月20日に日本でレビュー済み
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2011年1月27日に日本でレビュー済み
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詩は苦手なんです、特に抽象的な詩はなんのことを書いているのかさっぱり理解できません。
そんななかで、川崎洋さんは私にあたたかくやわらかい言葉で詩を感じさせてくれる数少ない
詩人のひとりです。
とくに子どもや小さいものに愛情を注いだ詩に心を打たれます。
阪神大震災で心に大きな傷を負ったであろう子どもたちへの詩「きのうより一回だけ多く」を
先日知る機会に恵まれました。
私は被災者ではないので、言葉に尽くせない被災者の思いを簡単に口にすることすらできません。
被災してなんとか家族みな無事だった友がいます。
震災から歳月が流れ、そろそろ彼女が震災について何か語ってくれるかと思いましたが、ふだん
楽しくおしゃべり好きな彼女なのに震災に関しては口を閉ざしたままです。
大人でもこのようなありさまですから、子どもの心が気になります。
川崎さんはもういらっしゃらないけれど、この詩とともに被災地の小さかった人たちへ心を
寄せていきたいです。
あの日と同じような寒い1月の日に・・・
そんななかで、川崎洋さんは私にあたたかくやわらかい言葉で詩を感じさせてくれる数少ない
詩人のひとりです。
とくに子どもや小さいものに愛情を注いだ詩に心を打たれます。
阪神大震災で心に大きな傷を負ったであろう子どもたちへの詩「きのうより一回だけ多く」を
先日知る機会に恵まれました。
私は被災者ではないので、言葉に尽くせない被災者の思いを簡単に口にすることすらできません。
被災してなんとか家族みな無事だった友がいます。
震災から歳月が流れ、そろそろ彼女が震災について何か語ってくれるかと思いましたが、ふだん
楽しくおしゃべり好きな彼女なのに震災に関しては口を閉ざしたままです。
大人でもこのようなありさまですから、子どもの心が気になります。
川崎さんはもういらっしゃらないけれど、この詩とともに被災地の小さかった人たちへ心を
寄せていきたいです。
あの日と同じような寒い1月の日に・・・