評価が高いので、暇つぶしに＋何か少しでも得るものがあればと購入したが、時間と金の無駄であった。
先ず書かれている事は何も目新しい事ではない。
顧客志向の徹底＋10年前に刊行されたブルーオーシャン戦略の趣旨を、筆者の言葉で書き連ねただけである。
チェーンストア対地域一番店という白か黒かの対比など。噴飯ものだ。
（そもそも「地域一番店」という言葉自体、チェーンストアの権化であるコンビニ（ローソン）が
90年代半ばの数年、それ行けローソン通り物語というTVCMシリーズで広告タグラインとして使っていた
「目指すは地域一番店」が元祖であり、当然筆者はその時代にTVCMをさんざん見ているはずだが）
そんな決めつけ、断言を前提に後付けで屁理屈を並べ、自分の経験と前置きした主観による顧客セグメントを
もっともらしくマトリクスにし、それを前提に市場規模を推測するなど、言うのは勝手だが妄想の類。
「はじめに」の4頁で、「私だって年間に何万人もの経営者と会っているのだから、見る目はあるつもりだ」。
365日で何万人、大風呂敷も過ぎる。著者の主催するセミナーに参加する者は全員経営者のようだ。
糸井重里氏の「ほぼ日刊イトイ新聞」に取り上げられて云々、箔付けがそこここに出てくるうさん臭さ。
やっていることは従前の御用聞きで、チェーンストアで扱っているモノに提案という付加価値を付けただけ。
その対価が正価販売で、小さな商圏で提案接客で儲けているということ。それってパパママストアだよね。
カメラ領域等、新規ソリューションの提案をするならば、ジャパネットたかたのようなパッケージ提案の方が
優れている。（それが成長と企業規模に如実に表れている）
筆者の理論が通じるならば、そのようなローカルチェーンがもっと広まっている筈という事も言える。
消費二極化は分析として間違っていると論じながら、同じような二分論を多用する事に矛盾を感じないのか。
また顧客志向を説きながら、スタンスは企業、経営者視点そのもの。
15%のカスタマーだけではなく、残り85%のノンカスタマー云々書いているが、非喫煙者にタバコを
売りつけようとするような傲慢さ。
ラインロビング云々、言葉や論旨も日本リテイリングセンター（ペガサスクラブ）の内容を下敷きにしたような
事ばかりで、ビジネス書を斜め読みしたようなユニクロ等の浅い分析を挟む。
本当に中身が無い。久々に駄本をつかんでしまった。
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