はじめに 山崎明子
第1章 男/女の差異化――医学的言説における乳房 黒田加奈子
1 医学史概略とジェンダー
2 医学史に見る乳房・乳をめぐる言説――体液としての乳
3 薬剤としての乳
第2章 美の威嚇装置 山崎明子
1 ピンクリボンキャンペーンとは
2 ピンクリボンキャンペーンの歴史
3 蓄積される乳房の表象
4 新たな意味創造の困難
5 「乳がんではない」美しい身体
6 表象の裏切り
7 ピンクリボンキャンペーンをめぐる表象の政治学
第3章 「聖戦」論理の構築 池川玲子
1 戦時下日本映画にみる「授乳」のイメージ
2 銃後映画の「授乳」イメージ
3 戦地・占領地映画の「授乳」イメージ
4 満洲移民映画の「授乳」イメージ
第4章 都市秩序の再生 新保淳乃
1 ペスト危機と乳房イメージ
2 ペスト図像での乳房イメージ
3 授乳しない乳房の系譜
4 都市秩序の再生
第5章 男性優位のジェンダー秩序の再編/強化 千葉 慶
1 「危機」の時代の/「危機」に抗する日本映画
2 「俺たちをケダモノにしたのはお前たちじゃないか」
3 「あんたも、お嬢さんなんて仮面を早く取ることだな
あとがき 山崎明子
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ひとはなぜ乳房を求めるのか: 危機の時代のジェンダー表象 (青弓社ライブラリー 70) 単行本 – 2011/8/20
ヨーロッパ中世、近世イタリア、戦中・戦後の日本映画、ピンクリボンキャンペーンなど、古今東西の乳房イメージと社会との関係を明らかにして、女性の身体そのものから乖離している乳房イメージと、それに密接に絡み合うジェンダー力学を解明する乳房文化論。
- 本の長さ213ページ
- 言語日本語
- 出版社青弓社
- 発売日2011/8/20
- 寸法18.8 x 1.3 x 12.8 cm
- ISBN-104787233289
- ISBN-13978-4787233288
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商品の説明
著者について
1967年、京都府生まれ。奈良女子大学生活環境学部助教。専攻は視覚文化論、美術制度史、ジェンダー論。著書に『近代日本の「手芸」とジェンダー』(世織書房)、共著に『視覚表象と音楽』(明石書店)、『女性とたばこの文化誌』(世織書房)など。
1974年、群馬県生まれ。千葉大学大学院人文社会科学研究科特別研究員、国立歴史民俗博物館非常勤職員。専攻はイタリア美術史、科学思想表象文化史。論文に、「西欧世界の「月暦図」について」(「千葉史学」第58号)、「コムーネの自己表象としての「正義」の擬人像研究」(「鹿島美術財団年報」第26号別冊)など。
1959年、愛媛県生まれ。実践女子大学ほか非常勤講師。専攻は近代日本女性史、日本映画史。著書に『「帝国」の映画監督 坂根田鶴子』(吉川弘文館)、共著に Women in Japanese History(Global Oriental)、論文に「戦時下日本映画の中の女性像」(「歴史評論」第708号)など。
1973年、群馬県生まれ。武蔵大学・明治学院大学ほか非常勤講師。専攻はイタリア美術史、ジェンダー表象文化史。共著に『視覚表象と音楽』(明石書店)、『磯崎新の建築・美術をめぐる10の事件簿』(TOTO出版)、論文に「クアラントーレ祝祭装置の分析」(「美術史」第149冊)、「危機克服の政治学における聖母マリア表象」(「美術史」第160冊)など。
1976年、千葉県生まれ。千葉大学ほか非常勤講師。専攻は近代日本美術史、ジェンダー史、視覚文化史。論文に「近代天皇制国家におけるアマテラス」(「ジェンダー史学」第2号)、「日米安保体制と裕次郎映画」(「日本研究」第39集)、「《八紘之基柱》の図像プログラム」(「美術史」第166冊)など。
1974年、群馬県生まれ。千葉大学大学院人文社会科学研究科特別研究員、国立歴史民俗博物館非常勤職員。専攻はイタリア美術史、科学思想表象文化史。論文に、「西欧世界の「月暦図」について」(「千葉史学」第58号)、「コムーネの自己表象としての「正義」の擬人像研究」(「鹿島美術財団年報」第26号別冊)など。
1959年、愛媛県生まれ。実践女子大学ほか非常勤講師。専攻は近代日本女性史、日本映画史。著書に『「帝国」の映画監督 坂根田鶴子』(吉川弘文館)、共著に Women in Japanese History(Global Oriental)、論文に「戦時下日本映画の中の女性像」(「歴史評論」第708号)など。
1973年、群馬県生まれ。武蔵大学・明治学院大学ほか非常勤講師。専攻はイタリア美術史、ジェンダー表象文化史。共著に『視覚表象と音楽』(明石書店)、『磯崎新の建築・美術をめぐる10の事件簿』(TOTO出版)、論文に「クアラントーレ祝祭装置の分析」(「美術史」第149冊)、「危機克服の政治学における聖母マリア表象」(「美術史」第160冊)など。
1976年、千葉県生まれ。千葉大学ほか非常勤講師。専攻は近代日本美術史、ジェンダー史、視覚文化史。論文に「近代天皇制国家におけるアマテラス」(「ジェンダー史学」第2号)、「日米安保体制と裕次郎映画」(「日本研究」第39集)、「《八紘之基柱》の図像プログラム」(「美術史」第166冊)など。
登録情報
- 出版社 : 青弓社 (2011/8/20)
- 発売日 : 2011/8/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 213ページ
- ISBN-10 : 4787233289
- ISBN-13 : 978-4787233288
- 寸法 : 18.8 x 1.3 x 12.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 865,408位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 106,495位社会・政治 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年11月2日に日本でレビュー済み
男性と女性とを明確に区別する身体的部位である「乳房」。
その乳房が有する表象、すなわち「イメージ」は、政治的・社会的に、これまでどのように扱われ、どのように操作されてきたのだろうか。
本書は、全5章で構成されており、古代ギリシャの医学思想、乳がん早期検診、戦中・戦後の日本映画、中世イタリアの宗教絵画、
そして、戦後日本のポルノ映画、この5つの側面から乳房イメージについて言及したジェンダー文化論である。
「乳房」=「授乳器官」=「子供を育む母としての女性性」に焦点を当て、
政府が「映画の中の母」を国民の戦意高揚と美談形成に利用したことを解明した、池川玲子氏の第3章、
未曾有のペスト危機に「授乳する母」=「美」「善」、「授乳できない女」=「醜」「悪」のイメージを植え付け、
絵画という形で具象化し、キリスト教布教活動への利用について言及した、新保淳乃氏の第4章、
この両名の論説が特に興味深かった。
本書の梗概を読んで、自分には縁遠いなと思った人は、少し立ち止まって、周囲を見渡してほしい。
公園や公共広場に、なぜ女の裸体像があるのか。
なぜ、彼女達は公共の場で公然と「乳房」を晒していられるのか。
こういった身近なことに疑問を持つことから、ジェンダー文化に対する問いかけは始まるのではないだろうか。
その乳房が有する表象、すなわち「イメージ」は、政治的・社会的に、これまでどのように扱われ、どのように操作されてきたのだろうか。
本書は、全5章で構成されており、古代ギリシャの医学思想、乳がん早期検診、戦中・戦後の日本映画、中世イタリアの宗教絵画、
そして、戦後日本のポルノ映画、この5つの側面から乳房イメージについて言及したジェンダー文化論である。
「乳房」=「授乳器官」=「子供を育む母としての女性性」に焦点を当て、
政府が「映画の中の母」を国民の戦意高揚と美談形成に利用したことを解明した、池川玲子氏の第3章、
未曾有のペスト危機に「授乳する母」=「美」「善」、「授乳できない女」=「醜」「悪」のイメージを植え付け、
絵画という形で具象化し、キリスト教布教活動への利用について言及した、新保淳乃氏の第4章、
この両名の論説が特に興味深かった。
本書の梗概を読んで、自分には縁遠いなと思った人は、少し立ち止まって、周囲を見渡してほしい。
公園や公共広場に、なぜ女の裸体像があるのか。
なぜ、彼女達は公共の場で公然と「乳房」を晒していられるのか。
こういった身近なことに疑問を持つことから、ジェンダー文化に対する問いかけは始まるのではないだろうか。