例えば故吉田秀和の評論などを読むと、我々一般の聞き手=読み手の遠く及ばない教養と音楽体験を見せつけられて、こちらは書き手に伏して拝むよりない。しかし、この平林さんという人は、良くも悪くも我々と同じ地平に立って、同じ方を向いている。彼は我々と同じ国で同じものを読み、同じフルトヴェングラーのLPやCDを聴いてきたのだと感じさせられる。ただ、氏は我々よりも多くの時間とエネルギーを費やし、自らがソフト製作者の側に身を置いてもいるのだが。
何よりも、著者は自分の感情・感覚に正直で、それをそのまま本に書いているようだ。ファンからのメールや掲示板等での批判的な投稿に一喜一憂するさまも書かれている。そこで著者への親しみも湧いてくる。彼自身が製作したCDの内幕話も、面白く読めた。
「掘り出し物」的なLPやCDの紹介は便利でもあるし、「初期盤」とやらをやたらありがたがるマニアと一線を画しているのも、好感が持てる。ただし、彼がディジタルリマスターされた音源によるLPを高く評価している点には、賛否が分かれると思う。
T氏やN氏といった、あまり表に出てこなかったが過去に大いに貢献してくれた人のことを紹介しているのも、嬉しいことだ。
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フルトヴェングラーを追って 単行本 – 2014/1/22
平林 直哉
(著)
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購入オプションとあわせ買い
フルトヴェングラーのSP、LP、CDを徹底的に比較試聴し、その問題点を指摘する。ヨーロッパに飛んで情報を収集。著者自らフルトヴェングラーのCDを制作し、そこから浮かび上がる数々の新事実を紹介。貴重なプログラムや写真も所収する渾身の書き下ろし。
- 本の長さ285ページ
- 言語日本語
- 出版社青弓社
- 発売日2014/1/22
- 寸法12.8 x 1.9 x 18.8 cm
- ISBN-104787273450
- ISBN-13978-4787273451
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商品の説明
著者について
1958年、鳥取県生まれ。音楽評論家。著書に『クラシック・マニア道入門』『クラシック名盤名演奏100』『盤鬼、クラシック100盤勝負!』『クラシック100バカ』(いずれも青弓社)、『クラシック名曲初演&初録音事典』(大和書房)、共著に『クラシック野獣主義』、『クラシック・スナイパー』シリーズ(いずれも青弓社)ほか。
登録情報
- 出版社 : 青弓社 (2014/1/22)
- 発売日 : 2014/1/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 285ページ
- ISBN-10 : 4787273450
- ISBN-13 : 978-4787273451
- 寸法 : 12.8 x 1.9 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 585,202位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年5月12日に日本でレビュー済み
わたくしは著者の平林さんとは、ほぼ同世代のものですから、自身のフルトヴェングラー体験を思い起こしながら
夢中になって読みました。フルトヴェングラーという人の音楽に熱中したことのある、あるいはいまだにそうした状態に
ある者にとって、これはレコード愛好家の立場から書かれたきわめて有意義な一冊と思います。いまは亡き上田應輔さん
がなさっていた小川町のHARMONYこそ出てきませんが、その上田さんを敬愛する京都のLA VOCEの永井さんから
借りた初期盤からの復刻噺など、興味深く読みました。LP時代にまさに魑魅魍魎とも百花繚乱ともいうべき状態にあった
フルトヴェングラーの新発見競争、また、わたくしも埼玉時代の日本フルトヴェングラー協会を存じていますから、協会盤
とメーカー盤の音質比べなどを想いだしては、懐かしさで胸がいっぱいになりました。あの頃、ときに海賊盤のほうがご本家
より音が良かったりする、例えば1938年の「マイスタージンガー」抜粋(ユニーク・オペラ盤)のような珍現象もありました。
いまだによくわからないのですが、平林さんの抜群の審美眼と情熱をもって、さらにそあたりもご研究願いたい欲張りなこと
を考えるほどの力作です。巨匠ゆかりの地はベルリンだけですがわたくしも2008年に訪問しましたので、その点も
ティタニア・パラストなどは、これまた共感することしきり。誠に個人的な思いでレヴューして恐縮ですが、この本はフルトヴェングラー
党員には、堪えられない一冊なのです。手前味噌のご自身の復刻盤は、(ドリームライフをふくめて)立派な仕事と思います。
フルトヴェングラーのLP時代からのファンは、必ず読んでおいて損はないと思います。
夢中になって読みました。フルトヴェングラーという人の音楽に熱中したことのある、あるいはいまだにそうした状態に
ある者にとって、これはレコード愛好家の立場から書かれたきわめて有意義な一冊と思います。いまは亡き上田應輔さん
がなさっていた小川町のHARMONYこそ出てきませんが、その上田さんを敬愛する京都のLA VOCEの永井さんから
借りた初期盤からの復刻噺など、興味深く読みました。LP時代にまさに魑魅魍魎とも百花繚乱ともいうべき状態にあった
フルトヴェングラーの新発見競争、また、わたくしも埼玉時代の日本フルトヴェングラー協会を存じていますから、協会盤
とメーカー盤の音質比べなどを想いだしては、懐かしさで胸がいっぱいになりました。あの頃、ときに海賊盤のほうがご本家
より音が良かったりする、例えば1938年の「マイスタージンガー」抜粋(ユニーク・オペラ盤)のような珍現象もありました。
いまだによくわからないのですが、平林さんの抜群の審美眼と情熱をもって、さらにそあたりもご研究願いたい欲張りなこと
を考えるほどの力作です。巨匠ゆかりの地はベルリンだけですがわたくしも2008年に訪問しましたので、その点も
ティタニア・パラストなどは、これまた共感することしきり。誠に個人的な思いでレヴューして恐縮ですが、この本はフルトヴェングラー
党員には、堪えられない一冊なのです。手前味噌のご自身の復刻盤は、(ドリームライフをふくめて)立派な仕事と思います。
フルトヴェングラーのLP時代からのファンは、必ず読んでおいて損はないと思います。
2017年9月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本当に久しぶりに単行本を買い、フルトヴェングラーの比較的新しい情報を読むことが出来ましたが、私の知らない情報はCDの復刻版だけでした。この本の評判がよく、売れたとすると、フルトヴェングラーファンの状況は私がフルトヴェングラーから離れた20年前と少しも変化していないように感じます。何か複雑な気持ちになりました。
2021年2月22日に日本でレビュー済み
20世紀を代表する指揮者、ウィルヘルム・フルトヴェングラー(1886~1954)の音盤や音源資料、それらの背景に関する徹底的な検証ぶりに圧倒される「フルトヴェングラーを追って」 [平林直哉:著/青弓社:刊]。
私は決してフルトヴェングラーの熱心な聴き手ではないが、熱のこもった文章は読み手を一気に惹きつけ、思わずため息が出てしまう。
とてもとても、完全にCD世代の私にはここまでは出来ない。
私は決してフルトヴェングラーの熱心な聴き手ではないが、熱のこもった文章は読み手を一気に惹きつけ、思わずため息が出てしまう。
とてもとても、完全にCD世代の私にはここまでは出来ない。
2014年2月3日に日本でレビュー済み
巨匠フルトヴェングラーのディスクをめぐる著者の思いのたけがこの本に凝縮されている、と言えるかも知れないが、掘り下げ不足の感がある。期待したユニコーンやメロディア・レーベル、幻のステレオ録音についての考察は、特に目新しいものはなく、また、51年や53年の「第9」についての異説には、注目すべきものであるが、いささか説得力に欠ける。また、評判の良かったEMIのSACDの音質への強い批判は、「某オーディオ評論家」のコメントの引用では、信用性に不足する。高く評価した多くの音楽評論家、オーディオ評論家の耳が悪いのだろうか。特に音質への評価は、装置の問題を除いても、聴き手によって大きく異なり、以前、著者が「クラシック・プレス」の中で実施した福島章恭氏との音質評価対決でも、正反対のものがあったくらいである。その意味では、もう少し詳細に分析してほしかった。おもしろかったのは、「手前味噌」と題された著者自身が主宰しているレーベルでの復刻CDについてのエッセイ。私はこのレーベルでのCDを高く評価し、毎回、購入を楽しみにしているので、その裏側が知れて良かった。また、著者が収集した写真も豊富であり、この点は貴重な資料である。