宝暦二年に田安宗武の下命により賀茂真淵が春『万葉新採百首』秋その『解』を執筆呈上。
全体の配列は、書名が示すように平安朝に確立した定数和歌の作品である百首詠に準拠している。春・夏・秋・冬・恋・雑の順になっている。作者未詳２４首、柿本人麻呂１１首、大伴家持１０首など。
真淵の古学思想、尚古主義は、後年の『万葉考』のとる態度とも一致する。この態度を基準にして、本文批評や訓、解釈へと及んでいる。 万葉調理想主義を求めた歌評は、万葉風の手本となっている。 大文字屋与三兵衛と河内屋喜兵衛による京坂二書肆相合板の大本二冊を全文影印。 歌頭に通し番号、解題・編者二人による解説がある。真淵万葉学入門書として読み解きたい文献である。
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