プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥4,620¥4,620 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥1,649¥1,649 税込
配送料 ¥350 6月9日-12日にお届け
発送元: ≪健心堂本舗≫ 販売者: ≪健心堂本舗≫
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解 単行本 – 2001/4/15
購入オプションとあわせ買い
- 本の長さ414ページ
- 言語日本語
- 出版社新曜社
- 発売日2001/4/15
- ISBN-104788507595
- ISBN-13978-4788507593
よく一緒に購入されている商品
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
商品の説明
商品説明
著者らは病気の原因として、防御、感染、新しい環境、遺伝子、設計上の妥協、進化の遺産の6つを挙げている。そして、それぞれのカテゴリーの中で、病理は真価を認められないある種の利益と関係しているという例を紹介している。人間にとって病気は憎むべき存在だという思い込みが、根底から覆されるような考え方である。
たとえば、防御について言えば、色白の人が重度の肺炎にかかると、顔色がくすみ、ひどい咳をするだろう。この場合、くすみは欠陥があることの表れであり、咳は防御の表れである。欠陥を治すことは有益であるが、防御を妨げて、排除してしまうと、大変なことになる可能性がある。しかし、実際の医療の現場はまさに、防御を妨げるような治療法が行われているのである。我々の体は長い時間をかけて、種の繁栄に有利なように進化してきていて、さまざまな肉体の現象は、どれもこの目的を果たす上で有効なのである。
医学を進化の視点で見ることは、病気の進化的起源を理解するのに役立ち、その知識は医学本来の目標を達成するのに大いに役立つ、と著者らは自信をもっている。そして、我々は本書を手にすることによって、彼らの自信に間違いがないことを知るだろう。(冴木なお)
メディア掲載レビューほか
著者のネシー氏はミシガン大学(Univ.Michigan)精神医学部教授で適応進化研究部門の代表、ウィリアムス氏は遺伝子淘汰説の提唱者の1人。生物の形態や行動に、永い進化の過程で培われた適応的な意味があるように、罹病や老化といったプロセスにさえ進化的な意味があると主張する。
文人曰く、「人は病むように作られ、健やかにあれと願われ」。このギャップこそが人の多くの苦悩の源泉である。こうした文学的な命題を「進化医学」という独自の視点から解き明かしたのが本書。
例えば、著者らは「老化とは若さの泉だ」と指摘している。血管の老化、つまり動脈硬化にはカルシウムの沈着という現象が見られる。骨折に際して、カルシウムの代謝を変える遺伝子が関与し、その遺伝子はまた動脈硬化を促進する役割を果たす。
つまり同じ遺伝子が一生の中でポジティブにもネガティブにも働くが、進化という立場から眺めると、この遺伝子は淘汰上有利に働く。遺伝子が老いた場合に不利に働いても、若いときにわずかに有利に働くならばその遺伝子は集団の中に広がり続けていくはずだ。
このような研究報告を渉猟していくと悲惨で克服を至上命題とされている疾病の別な側面に気づかされる。例えば、記憶中枢である側頭葉が選択的にダメージを受けるアルツハイマー病。米国国立老化研究所(NCI)の研究者は脳の中でも最近になって進化した部位の異常が集中することに注目し、「過去400万年以上にわたって、人間の脳を非常に急速に増大させた遺伝子の変化が、ある人々にアルツハイマー病をおこさせているか、または、他の遺伝子の変化によって打ち消されることがまだないような副作用を生んでいるのではないか」と提案している。
痛風はどうだろうか? うつ病は? 分裂病や児童虐待にも適応的な意味はあるのだろうか? 答えはすべて本書に書かれている。原題は「Why We Get Sick」だが、「病気はなぜ、あるのか」という邦題も意味が深い。
(日経バイオビジネス 2001/09/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
内容(「MARC」データベースより)
著者について
登録情報
- 出版社 : 新曜社 (2001/4/15)
- 発売日 : 2001/4/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 414ページ
- ISBN-10 : 4788507595
- ISBN-13 : 978-4788507593
- Amazon 売れ筋ランキング: - 154,915位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
「病気はなぜ起きるか」ということに対して、科学的・医学的裏づけに基づいて鋭い洞察をしています。
初版年が少し古いですので、遺伝子の数など最新知識でアップデートすべき箇所はありますが、
この発想を取り入れることによって、病気の解明・治療がより一層進むことでしょう。
これまで医学が培ってきた「何が病気を起こすのか(what)」「どのように病気が起きるのか(how)」、
に加えて「なぜ病気が起きるのか(why)」を解明することで、
医学が寄り発展していくという著者の見識の高さは見事です。
「生まれ」と「育ち」との間のイデオロギー闘争にも似た不毛な論争ではなく、
病気に立ち向かうという適切な目的を達成するための記述内容ですので、安心して読むことができます。
そして、本書の見地からは、リチャード・ドーキンス、マット・リドレーらの、
ネオ・ダーウィニストらの知見がやはり正しいことがわかりました。
彼らは様々な批判を(特に社会科学者から)受けていきましたが、
医学という世界で認知されたことから、
これらの批判が自説を守りたいが故の科学的な根拠の無いものだということがよくわかりました。
2008/3/8読了
推論・仮説も含まれている為、鵜呑みにするのではなく
「こういった見方もあるんだ」というスタンスで読み進めた
生活上で起こる病気に対して
進化生物学の観点から捉えることができるようにもなったので
とてもいい勉強になった、と感じた
この本で、印象に残った記述を、1.欠陥と防御、2.進化的要因、3.自然淘汰の本質の3つに分けて説明します。
1.欠陥と防御
この本で特に印象に残っているのは、“感染に対する防御としての発熱”(P40)です。
身体が発熱した場合は、ほとんどの人が冷やすことが正しいと思っているのではないでしょうか。私も、「発熱は体の調子が悪いから起こる。だから、冷やさないともっとひどい状態になる。」とか、「細菌やウィルスが悪さをしているので、負けずに冷やすべき。」と考え、冷やすべきなんだろうなと考えていました。しかし、この本で述べられていることは「発熱は防御かもしれない。」と言うことです。つまり、自分の身体が防御反応として発熱しているかもしれないということ。それなら、冷やして防御を弱めるようなことをしてはダメかもしれないと考えることができるようになりました。つまり、はじめの視点とは別の視点で見ることができる、思考の選択肢が広がったわけです。
◎防御と欠陥(P9)
肺炎の徴候
・欠陥 肌が青白い → 酸素が欠乏しているときのヘモグロビンの色が通常より暗いから。
・防御 咳 → 異物を喉の外に追いやるため。
「欠陥を直すのは、たいていの場合良いことだが、防御を妨げると大変なことになるかもしれない。」
2.進化的要因
この本では病気の原因について起源や機能(進化的要因)に重点を置いて説明されています。
◎二種類の原因 (P5)
・至近要因 構造やメカニズム 「何が(what)」、「どのように(how)」
・進化的要因 起源と機能 「なぜ(why)」
3.自然淘汰の本質
この本では始まってすぐに、自然淘汰の本質が述べられています。「自然淘汰によって最大化される適応度の本質は繁殖である・・・(P21)」「自然淘汰=繁殖」つまり、自然淘汰は繁殖のこと。自然淘汰でたびたび例示される弱肉強食、力の強い肉食動物のライオンが、草食動物のシマウマを食べるようなことは論点がずれており、その本質は「どれだけたくさんの自分の子を残せるかということ」です。
この本を読む前と読んだ後では、世の中の景色が違って見えるはずです。
なお、病気や怪我の診断と治療は、医師の指導に基づいて行ってください。つまり、「熱が出ても冷やすな」ということではありませんよ。
しかし、我々人類はかくも簡単に病気になり体調を崩して、それに悩まされてしまう。
なぜ人類は病気にならないように進化しなかったのか。本書はこの問題に挑む。
一つの理由は、実はそれは人体にとって適応的だというものだ。
咳や下痢をするのは体外に有害な菌を速やかに放出しようとするためだし、妊娠中のつわりは胎児にとって危険の物質を避けるための信号である。
痛みやかゆみは、人体が損傷しつつあることを自覚させて防御活動をとらせ、あるいは損傷したことを認識させて次の危険を避けさせるために非常に重要なものである。
逆にコストになるので進化で獲得されなかったものもある。
ヒトデのように指を切っても新しい指が生えてこないのは、そのような再生能力は維持コストが高いからであろう。
また、個体レベルではあまり利益はなさそうに思うが、遺伝子レベルでは利益がある、というタイプもある。
自然淘汰にとって重要なのは生殖(子孫の量)なので、生殖期以降の健康・寿命には自然淘汰はかからないし、そこを損なってでも子孫を増やす方に淘汰圧はかかる。
例えばDR3遺伝子は糖尿病を引き起こすが、流産のリスクを減らす。フェニルケトン尿症は感染症防止に機能し、アルツハイマーを誘発する遺伝子は脳機能を強化する側面があるのではという提案もある。
鎌状赤血球遺伝子はヘテロで持つ個体には生存を優位にするので、ホモでは著しい問題を生じさせても遺伝子プール内に生き残る。
単純に社会環境の変化が速すぎて、これまでは有利だったり全く不利にならなかったりした遺伝子が問題を生じさせるケースも多い。
近視は遺伝要因が大きいというが、これは環境要因として「近くのものを見続ける」状況が重なって生じるので、本が普及する近代以前には問題とならなかった。
糖分の取りすぎやアルコール中毒は、現代社会以前では考えられもしなかった。
進化の歴史的経緯によるものもある。
呼吸器と消化管が同じ場所を通過すること(窒息の原因!)、網膜の盲点の存在、骨盤が直立二足歩行に対応してないこと(腰痛の原因!)は、進化が既存の体の構造の微調整できたことによる名残である。
また、虫垂は小さくなりすぎると逆に虫垂炎になりやすいため、現在の大きさまで小さくなったら収縮が止まってしまい、盲腸はなくならなかった。
医学を進化的観点から眺めた面白い本であり、こういう観点から得られた知見は、むしろ予防とか公衆衛生とかでも役立ちそうだなと思わされる。
トピックスも幅広く、楽しめる本だと思う。
疑い深く通読して読めば、病気に対する新しい視点が得られるに違いない。しかし一方で、実証された事実のレビューを期待して読み始めると、どれが実証されているか判別するのに労力がいるので読みにくいかもしれない。
進化と聞いてアレルギー反応を起こす人もいるだろうが、本書は初版は古いものの内容は濃く、ダーウィニズムによる進化論の側面から病気の根本的な原因を探っている良書である。
いわゆる悪い面と良い面がバランスが取れているため、精神障害が進化の過程で残っているという、Balancing selectionの立場での記述であるが、現在では否定的な議論もある。本書の出版年時代が古いので、歴史的な議論を踏まえる意味では読む価値はあるかもしれない。
しかし、本書のみで、現在の進化精神医学はとらえることができないため、参考書にとどめるだけと思う。
うつ病を治療すべきでない、など結構アグレッシブな考えであるため鵜呑みにするのは危険であるというのが、私の意見である。
意見の偏りがあるため、星を3つにした。