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対話の回路: 小熊英二対談集 単行本 – 2005/7/1
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- 本の長さ364ページ
- 言語日本語
- 出版社新曜社
- 発売日2005/7/1
- ISBN-10478850958X
- ISBN-13978-4788509580
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商品の説明
出版社からのコメント
『単一民族神話の起源』『〈日本人〉の境界』『〈民主〉と〈愛国〉』と次々に話題の大作を世に問うてきた著者の対談は、さすがに密度が濃く、読みでがあります。相手は村上龍、島田雅彦、網野善彦、谷川健一、赤坂憲雄、上野千鶴子、姜尚中、今沢裕の八氏、この手強い方々の著作をほとんど全部読んでから対談に臨み、対談の後も徹底的に推敲するというのですから、その緊張感と迫力はただならない。国家・〈日本〉・アジア・歴史・民俗などをめぐって相手に執拗に食い下がり、その神髄に迫ろうとする姿勢は、相手への敬意、思想への愛情なしには成り立たないものでもあります。世評の高い『戦争が遺したもの』に勝るとも劣らない、対談集の傑作です。
抜粋
私自身がかつて出版社に勤めていたので、その経験からもいえることだが、対談ほど安易にやろうとすれば安易にできてしまうものはない。また一方で、真剣によいものにしようとすれば、大変な作業が必要になるのが対談というものである。
当然のことだが、対談は一種のコミュニケーションである。対談と称して、通り一遍のあいさつや、あたりさわりのない四方山話ですますことはできる。だが本当に相互の神髄に食い込むほどのコミュニケーションをはかることが、日常生活において困難なことであるように、充実した内容の対談を実現するのはむずかしい。
まずよい対談を実現するためには、相互の信頼が不可欠だ。相互に信頼や尊敬が成立している場合には、相手の深層に迫るような質問を行ない、深いコミュニケーションをはかることが可能になる。逆に言えば、相手に対して信頼や敬意、予備知識や感心がない場合ほど、あたりさわりのない会話だけですまそうとする傾向が強くなる。
この対談集で私の対談相手となっているのは、作家や学者など、何らかの表現にたずさわっている人びとである。こうした人びとと信頼関係を築くためには、相手の作品を読み込み、「私はあなたの作品に接している。そして評価している」という姿勢を示すことが必要だ。そうでなければ、相手の信頼を得ることはむずかしい。
・・・・・・対談は共同作業だから、私の努力だけではどうにもならない部分があったり、準備や質問が的外れだったりしたこともある。この対談集に収録された対談も、完璧な作品ばかりとはいえない。
しかしさまざまなハードルをのりこえて、対談がうまくいったときは、楽しいものである。人間誰しも、通り一遍のやりとりをこえて、深い部分での対話の回路が成立したと思える瞬間は、たのしいものだということは知っているだろう。願わくば、この対談集の読者にも、そうした楽しさを共有していただければ幸いである。(「あとがき」より)
登録情報
- 出版社 : 新曜社 (2005/7/1)
- 発売日 : 2005/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 364ページ
- ISBN-10 : 478850958X
- ISBN-13 : 978-4788509580
- Amazon 売れ筋ランキング: - 826,375位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,223位社会一般関連書籍
- - 15,451位社会学概論
- - 119,259位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1952年長崎県生まれ。
七六年『限りなく透明に近いブルー』で第七五回芥川賞受賞。『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、『半島を出よ』では野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。『トパーズ』『KYOKO』で映画監督も務めた。最新作は『新 13歳のハローワーク』『13歳の進路』。日本の金融・政治経済の問題を考える メールマガジン『JMM』を主宰し、経済トーク番組『カンブリア宮殿』(テレビ東京)のホストも務める。
1961年、東京都生れ。東京外国語大学ロシア語学科卒。
1983年『優しいサヨクのための嬉遊曲』を発表し注目される。1984年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、1992年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞を受賞。著書は『天国が降ってくる』『僕は模造人間』『彗星の住人』『美しい魂』『エトロフの恋』『フランシスコ・X』『佳人の奇遇』『徒然王子』等多数。2010年6月には最新刊『悪貨』も発売になった。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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個人的に村上龍氏のファンであるということを抜きにしても、特に冒頭の村上氏へのインタビューは秀逸。
きちんと村上氏の作品を読み込んだ上で仮説をもちインタビューしている。
当初村上氏がインタビューする場であったにも関わらず丁寧に応じている様子は、核心をついているからこそであろう。
村上龍との対談の前には、村上の作品を「可能なかぎり」(P357)読んだ。読んだ結果、話す気が起きなければ、話さなかったという。
400字詰め原稿用紙2500枚にものぼる大著『<民主>と<愛国>』(P341)。著者は、原稿に手を入れるなかで、原稿を半分の量に減らすという(P347)。
個々のディテールに対する配慮。「みんな忙しいから、簡単に語りたがるんですよね」(P60)。簡単に語りえないからこそ著書は厚みを増す。ほかにも「他者を表象するのは苦しい」(P289)など、著者の真摯な姿勢を裏付ける言葉に事欠かない。
その姿勢が対談相手との間で火花を生み出す。普通、対談といえば、互いを誉めあって終わるものだろう。本著の対談では、対談というよりも「論争」となっている部分が多い。「ナショナリズム」をキーワードに、論客の上野千鶴子と切り結ぶシーンの壮絶なこと。
個人的には、民俗学者相手の対談はあまり興味をもてなかった。興味深かったのは、村上龍、上野千鶴子との対談。著者が研究や創作に対する姿勢を語った今沢裕との対談にも興味をひかれた。民俗学者の枠を飛びこえる人物だが、深い洞察力に裏打ちされた網野善彦の誠実さも著者を凌駕する勢いで、印象深い。
『<民主>と<愛国>』をかたつむりのようなスピードで読んでいる私でも、一気に読めた。それが対談集のよいところ。ただ、対談集だけに話の内容が散りがちで、頭の悪い私には、まだ頭の中が整理されていない。それでも、著者の誠実な姿勢だけは心の奥底に深く突き刺さっている。だからこそ、つい引用したページをたくさんこの文の中に入れてしまったりする。
「過去」に出版された対談集。
その手の本は、「現在」から見れば、書き手の無能、評論の胡散臭さを教える「ネタ本」になっていることがしばしばである。
昔の対談集を読み返せば、失笑しか出てこず、無駄な買い物をした、と後悔をするものだ。しかし、本書は8年を経過した今なお、
読む価値を持った稀有な本だ。
『階層文化で「負け組」になった人びとの不満がたまってくると、「改革」とか「現状打破」といった威勢のいいスローガンが
支持を得やすい。それが「金持ちを懲らしめろ」とかさらには「移民を追い出せ」「日本人に職」をといったスローガンに
転化することはありうると思います……幸か不幸か「在日は金持ち」だというスローガンが成立したことはありませんが。』
姜尚中との対談 本書p326から引用
「民主と愛国」「1968」等の単著にある深い見識。そのエッセンスは対談集にもしっかり存在している。
もちろん、20、30年経てば、本書がネタ本になる可能性は大いに有り得る。けれども、本著はあと10年はその価値を保つだろう。
しかし、小熊は徹底的に頭がいいし、正しい。その真面目さ、優等生さに一瞬もろさも感じないではないけど、一方で体力があるっていうか、その徹底さかげんには、おいそれと太刀打ちできない感がある。個人的に同世代ってこともあり、かなり気になる人ではある。大塚英志あたりとの対談なんて読んでみたい気がする。
9.11後の島田雅彦氏とのそれぞれの基調報告を含む対談では、小熊氏は自身の近代日本の研究成果からこの事件を論じていて、特に「自衛隊もまた、アフガニスタンのムジャヒディンなどと同じように、冷戦体制の中でアメリカが自身の補完戦力として養成してきた軍事力だ」という指摘はとても重要だと思いました。
民俗学者の谷川健一氏との対談では、網野氏のときよりさらに突っこんだ質問をしていて、読むほうも少しひやひやしないこともないですが、続く赤坂憲雄氏との対談と合わせて、柳田國男の持っていた政治意識が、戦後の民俗学から失われたと小熊氏が考えていることがわかって興味深く読みました。
しかしなんと言っても最大の収穫は、石原慎太郎は日和見主義者である(この本の中で直接そう言っているわけではありませんが)ことが、小熊氏の指摘でよくわかったことです。メディアで目にする保守派や右翼の言葉に釈然としないものを感じている方にお勧めしたいと思います。
鶴見俊輔氏との対談(上野千鶴子氏も同席)「戦争が遺したもの」からも予想できるように、小熊氏は対談の達人である。対談とは、ある共通認識を持った複数人が、ずれた認識の部分に触れ合うことで自分でも気づかなかった側面を引き出される、これこそが醍醐味であると考える。残念ながら、出版されている対談集のうち大部分は単に共通の意見を述べあうだけで満足しているか、あるいは反発しあって対話にならないかどちらかである。しかるに、小熊氏は奇跡的な精度でこの困難な作業に成功している。
とりわけ前半部分の対談が圧巻である。村上龍、島田雅彦両氏との巻では、現代社会、現代政治を考える上での重要なヒントが珠玉のようにちりばめられている。網野、谷川両氏との巻では、あえて失礼?を省みず、果敢に疑問をぶつけ両氏の認識をはっきりさせようとする姿には感動すら覚える。誠実に対応する両氏、特に惜しまれつつ亡くなる直前の網野氏の謙虚な姿勢にも頭が下がる。
対照的なのは小熊氏自身がインタビューされる側となる上野千鶴子氏との対談である。「戦争が遺したもの」から類推される通り、小熊氏と上野氏とのインタビュアーとしての能力の差がはっきり歴然としてしまっている。端的に言って対談としては全く面白くない。もともとわたくしが上野千鶴子という著述家を評価していないことを割り引いても余りあるものがあるように思われる。
結論は、もちろん「買い」である。
かなり面白く、思わずひきこまれ読み込んでしまった。のだが、けっきょくは時事ネタに終始していて11年後の現在に伸びてくる射程距離はないかな、
太平洋に落ちたノドンかなって感じだ。←わかりにくい。
主題は柳田國男とか、吉本隆明、天皇制、2001年のテロ、とか。
うーん、面白いんだがなあ・・・・
例えばインド日記を読んだ際には 何より 小熊さんの強烈な「好奇心」に痺れた。日経通勤の小生としては 「これは新入社員の読本にすべきだ」という 誰も期待していないような感想を持つに至った。
単一民族神話の起源を読んでいると 会社においても正社員、契約社員、アルバイトという「多民族」(これは取りも直さず待遇と権限の問題である)と会社として纏まるべきという「単一民族」(会社のidendity)の問題のせめぎあいと読んでしまう。 きちんとした「資格を持った読者」の方から見るとめちゃくちゃですよね。
但し ここで言いたいのは そういう読み方が出来るという本であるという点の凄みであり 著者の「自由無碍」な精神が 小生をして 読ませるという点が重要なのではあるまいか? というのが 小生の確信犯である。
この対談集も その意味で色んな読み方が出来ます。そうして 小生含め 多くの人が「読める」という気がしている。多くの人に読んで貰うということは 基本的かつ短絡的に 良いことだとは思う次第。