日本のものづくりへの警鐘と復活へのみちを示している。
著者も書いているが、シャープにいた「当事者」と、大学での「分析者」の両方、
さらに「関係者へのインタビュー」の、3方面から分析されている。
今までに、このような3方面から分析された本は無かったと思い、
興味深い分析となっている。
「すり合わせ」と「モジュール化」の対立の構図で、
産業を分析するのにも説得力がある。
堺工場の失敗原因もデータで示されて、判り易い。
IGZO-TFTについても、東工大細野教授と半導体エネルギー研究所の
意見・解釈の違いを記しており、公正に記そうという態度が連ねかれている。
家電や液晶に限定されず、広い範囲の 日本のものづくり に有効な示唆が得られる。
また、「すり合わせ」を活かしながら、日本のものづくり復活へのみちを示したのが興味深い。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
シャープ「液晶敗戦」の教訓 単行本 – 2015/1/28
中田行彦
(著)
「一人負け」から抜け出せないソニー。
BtoBに活路を見出すパナソニック。 IGZOで起死回生を図るシャープ。
最終製品で世界に完敗の「日本のものづくり」。その敗北の真の原因とはいったい何なのか?
エレクトロニクス産業の最前線ともいえるスマホ市場では米アップルや韓国サムスン、中国シャオミがトップシェアを競い、日本陣営は蚊帳の外。トップを走った液晶事業でも台湾・韓国勢に惨敗。
なぜなのか。
理由を探るキーワードは、デジタル時代の「モジュール化」。ものづくりの現場は、最新のテクノロジーも数カ月で陳腐化するという後戻りがきかない不可逆的な大変化の波に洗われ続けているのだ。
日本陣営が、「世界で勝てない最終製品」を量産し、無駄な設備投資を続けた理由も、技術力のなかった新興企業がM&AとBtoBで技術を蓄積、低コストで競争力のある製品を生み出す理由も、ものづくりの劇的環境変化に対応できなかった者と対応した者との差である。
本書はシャープの元液晶技師長でもある論客が、「家電3社崩壊の深層」「中国シャオミがわずか4年でスマホ世界シェア3位に躍り出た謎」「液晶事業とその栄枯盛衰」「アップルとの確執」「ホンハイとの連携が壊れた本当の理由」「サムスンとの戦い」など、液晶事業という典型的な「日本のものづくり」を関係者の証言とともに徹底検証。
誰も気づかなかった日本ものづくり敗北の真の原因を炙り出し、世界で勝つための画期的ビジネスモデル「すり合わせ国際経営」を提唱する。
BtoBに活路を見出すパナソニック。 IGZOで起死回生を図るシャープ。
最終製品で世界に完敗の「日本のものづくり」。その敗北の真の原因とはいったい何なのか?
エレクトロニクス産業の最前線ともいえるスマホ市場では米アップルや韓国サムスン、中国シャオミがトップシェアを競い、日本陣営は蚊帳の外。トップを走った液晶事業でも台湾・韓国勢に惨敗。
なぜなのか。
理由を探るキーワードは、デジタル時代の「モジュール化」。ものづくりの現場は、最新のテクノロジーも数カ月で陳腐化するという後戻りがきかない不可逆的な大変化の波に洗われ続けているのだ。
日本陣営が、「世界で勝てない最終製品」を量産し、無駄な設備投資を続けた理由も、技術力のなかった新興企業がM&AとBtoBで技術を蓄積、低コストで競争力のある製品を生み出す理由も、ものづくりの劇的環境変化に対応できなかった者と対応した者との差である。
本書はシャープの元液晶技師長でもある論客が、「家電3社崩壊の深層」「中国シャオミがわずか4年でスマホ世界シェア3位に躍り出た謎」「液晶事業とその栄枯盛衰」「アップルとの確執」「ホンハイとの連携が壊れた本当の理由」「サムスンとの戦い」など、液晶事業という典型的な「日本のものづくり」を関係者の証言とともに徹底検証。
誰も気づかなかった日本ものづくり敗北の真の原因を炙り出し、世界で勝つための画期的ビジネスモデル「すり合わせ国際経営」を提唱する。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社実務教育出版
- 発売日2015/1/28
- ISBN-104788910861
- ISBN-13978-4788910867
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
1946年、京都生まれ。1971年神戸大学大学院卒業後、 早川電機工業(現・シャープ株式会社)に入社。以降、33年間勤務。太陽電池の研究開発に約18年、液晶の研究開発に約12年関わり、液晶事業本部技師長等を歴任。その間、3年にわたり米国に勤務。シャープアメリカ研究所研究部長等を務める。 2004年から、立命館アジア太平洋大学の教授として「技術経営」を教育・研究。 現在、立命館アジア太平洋大学大学院経営管理研究科教授(技術経営)兼同大学アジア太平洋イノベーション・マネジメント・センター(AP-IMAC)センター長。 2009年10月から2010年3月まで、米国スタンフォード大学客員教授。 工学博士(大阪大学)、博士(技術経営:立命館大学)。
登録情報
- 出版社 : 実務教育出版 (2015/1/28)
- 発売日 : 2015/1/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 288ページ
- ISBN-10 : 4788910861
- ISBN-13 : 978-4788910867
- Amazon 売れ筋ランキング: - 944,317位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 78,904位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

1946年、京都生まれ。1971年神戸大学大学院卒業後、
早川電機工業(現・シャープ株式会社)に入社。
以降、33年間勤務。太陽電池の研究開発に約18年、
液晶の研究開発に約12年関わり、液晶事業本部技師長等を歴任。
その間、米国のシャープアメリカ研究所研究部長等の3年間米国勤務。
2004年から、立命館アジア太平洋大学の教授として「技術経営」を教育・研究。
現在、立命館アジア太平洋大学大学院経営管理研究科教授(技術経営)兼
同大学アジア太平洋イノベーション・マネジメント・センター(AP-IMAC)センター長
2009年10月から2010年3月まで、米国スタンフォード大学客員教授
工学博士(大阪大学)、博士(技術経営:立命館大学)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2015年2月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年4月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
液晶がテレビからスマホやタブレットの部品と位置づけが変化する中で、
事業構造の変化に経営が追い付かなかったのではないか?
筆者も引用する「統合型企業の成功の罠」が、
半導体とは異なる敗戦の要因になったように読み取りました。
筆者の社内からの視点と分析者の視点は、読み物として新鮮でした。
もう少し提言に応用性があればよかったかと感じました。
事業構造の変化に経営が追い付かなかったのではないか?
筆者も引用する「統合型企業の成功の罠」が、
半導体とは異なる敗戦の要因になったように読み取りました。
筆者の社内からの視点と分析者の視点は、読み物として新鮮でした。
もう少し提言に応用性があればよかったかと感じました。
2016年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もう少し深堀してほしかった。おっしゃっていることは確かにすごく勉強になりました。が、日本の電機メーカーは全てそうじゃないじゃん、そこのシャープって会社の特異性はどうなのかって思いました。けど、すっごっくいい本で、買って読んで後悔はないと思います。
2015年3月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
シャープの事業戦略と技術レベルに興味があって買ったが、新聞に記載されているレベルしか記載されておらず、内容が浅くて本当につまらない。著者はシャープの開発に携わっていたというが、それを活かした文章になっておらず残念。
2016年4月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
その手の本のレビューには、シャープOBの方もしばしば投稿されているようだが、何を隠そう私も然りである。
BSプライムニュースに出演されていて、それなりの話をされていたので本書を手にしたのだが、一読してガッカリ。
液晶の技術史はよく分かるし、堺工場建設に至るプロセスも分からんではない。しかし、それって単なる言い訳ではないのか。
何よりも、自分だって片山さんを支えてきた当事者じゃないですか。シャープをガタガタにしたA級戦犯を支えて来た身ではないですか。
事業戦略の誤り、ユーザーニーズの読み誤り、なぜ国内であれだけ売れたのかという状況判断ミス。
これらに触れずに何の「教訓」が得られるのか。
アマゾンのサイトを見ていると、本書に加筆した版が売れているようだが、まず読む価値はないと言っていい。
BSプライムニュースに出演されていて、それなりの話をされていたので本書を手にしたのだが、一読してガッカリ。
液晶の技術史はよく分かるし、堺工場建設に至るプロセスも分からんではない。しかし、それって単なる言い訳ではないのか。
何よりも、自分だって片山さんを支えてきた当事者じゃないですか。シャープをガタガタにしたA級戦犯を支えて来た身ではないですか。
事業戦略の誤り、ユーザーニーズの読み誤り、なぜ国内であれだけ売れたのかという状況判断ミス。
これらに触れずに何の「教訓」が得られるのか。
アマゾンのサイトを見ていると、本書に加筆した版が売れているようだが、まず読む価値はないと言っていい。
2015年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全体的に平易な言葉で書かれており、技術的なこともよく判り、読みやすい。本書はものづくり、技術経営の立場から書かれております。しかし、技術経営が確実になされたとして、今後、経営的な危機は発生しないでしょうか、視点が違うかもしれませんが、いわゆる経営学における組織のあり方、経営者のマネジメント、経営者の責任等をもう少し、追求して論述して欲しかった。
2015年2月4日に日本でレビュー済み
私が、興味深いなぁと思ったのは、↓のポイントです。
・松下/ソニー/シャープの経営理念を比較して、そのどれもが、なぜ液晶産業では厳しい結果になったのか。
・韓国勢/台湾勢が、どういった戦略できているのか。
・液晶事業の立ち上げ時期、シャープ社内はどんな感じだったのか。
・亀山工場はどのように立ち上がったかについての、関係者へのインタビュー
・ホンハイとの交渉についての、同じく関係者へのインタビュー
最終章に書かれている、日本のもの作り対する提言は、概念はわかるんだけど、ちょっと消化不良という感じになっています。
・松下/ソニー/シャープの経営理念を比較して、そのどれもが、なぜ液晶産業では厳しい結果になったのか。
・韓国勢/台湾勢が、どういった戦略できているのか。
・液晶事業の立ち上げ時期、シャープ社内はどんな感じだったのか。
・亀山工場はどのように立ち上がったかについての、関係者へのインタビュー
・ホンハイとの交渉についての、同じく関係者へのインタビュー
最終章に書かれている、日本のもの作り対する提言は、概念はわかるんだけど、ちょっと消化不良という感じになっています。
2015年2月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本のエレクトロニクス・家電産業が一時の隆盛から崩壊に至った原因を分析し、それが他の産業の教訓になり得ることを示している。著者はシャープでの液晶技術者としての実務経験をもとに大学院での技術経営の研究を行うことで、実践と理論の両方に軸をおき足が地に着いた考察をしている。そのため示された知見に説得力がある。特に「シャープ液晶敗戦の内幕」という当事者しか知り得ない事実を巡る考察には、「なるほど、そうだったのか」と頷かされることが多くあった。「日本のものづくりの復活」が著作の動機だそうだが、今まさに企業や国を挙げて難渋している課題に対してタイミングの良い素材の提供といえる。示された今後への処方箋には多くの検討余地がありそうだが、投じた一石の価値は変わらない。