とても良いです。
重要な判例についても噛み砕いて非常にわかりやすく解説されており、他の過去問集と比べてとりわけ親切です。例えば本書（299ページ）では、衆議院の解散が依拠する５つの学説の比較など、受験者が混乱しやすいポイントが各説の違いを表すキーワードを示したり、学説の背景にスポットを当てたりして、明快に説明しています。
特に、厳選された28問の「必修問題」については、回答解説やレジュメにて詳しく説明されているので、結論にいたる論理の流れを丁寧に理解できるので、記憶の定着が早く忘れにくいように思います。
ただし、必ず導入に薄い入門本（理解本）を読んでから、この本に取り掛かることをお勧めします。最初から憲法は過去問でいい、という意見も多いようですが、私は導入本で大枠をしっかり掴んでから、この本をやったことで、体系的に理解できたのでスムーズに理解できました。全体像を掴めないまま、いきなり闇雲に過去問に取り掛かり丸暗記するのでは、この本の解説やレジュメの詳しさが、逆効果に働くのではと思えてしまいます。例えば、学説問題が良い例です。しっかりと通説・判例を理解しないままに、他の少数説・有力説の情報まで学習することは、混乱を招き、かえって理解を妨げます。ですから、理解本を活用することで、本書をより迅速かつ確実に吸収していけるはずです。
薄い導入本 → スー過去4「憲法」→ 過去問をまわす
これが、「急がば回れ」でベストだと肌で実感しました。
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