二年近くも前(2002年1月)から発売されていたこの有名な小説を、恥ずかしながら最近知り読むきっかけとなったのは、小説の中に登場する実在の人物、フォーブス誌アジア太平洋支局長であるベンジャミン・フルフォード氏(小説の中では東京支局長のフランクリン・ブルフィンチとなっている)の話題の本「ヤクザリセッション」の中でこの小説が紹介されていたからです。
「ヤクザリセッション」は、その題名通り、日本経済の不況(リセッション)の大きな原因がヤクザにあるとする、外国ジャーナリストだから言及できるのであろう興味深い内容の本です。その中で「雨の牙」を「小説とは思えない日本の現実を描いている」と紹介しています。
ヤクザリセッションを読んだ後だったこともあり、以前なら大げさと思える内容も現実味を帯びたものとして頭に入ってきました。日本の社会構造を詳細にリサーチした著者の努力だと思います。全体として現実にあってもおかしくない内容だと私は思いました。(主人公ジョン・レインと川村みどりの出会いは別にして)
また、日本の社会構造だけでなく、東京の街並みの描写も日本の作家以上に詳しく、米国人作家であることを疑ってしまいます。本の題名も、1989年の映画「ブラックレイン」(あの松田優作氏の演技が忘れられない)と関係があるように思えてなりません。
ジョン・レインは、日本のハードボイルドの元祖ともいえる「蘇る金狼」の主人公「伊達邦彦」を超えたかもしれません。映画化するのであれば主役は、その伊達邦彦を演じた松田優作氏にして欲しかったです。
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雨の牙 (ヴィレッジブックス F ア 1-1) 文庫 – 2002/1/1
全世界が注目する超大型新人の第一作! 東京の闇に渦巻く陰謀と裏切り。孤高の暗殺者が巨悪に挑む!!
山手線の車内で男は突然くずおれ、絶命した。それを見届けて、ジョン・レインは電車を降りた——作戦完了。
日米ハーフの男レインは、東京で幾度も政治がらみの暗殺を手がけてきた凄腕の殺し屋だった。ある夜、彼は美貌のピアニストみどりと出会い、心を奪われる。意外にも、彼女はレインが山手線で殺した男の娘だった。しかし、やがてレインが依頼されたのはみどりの暗殺。彼女を救う唯一の手段は、政界に潜む依頼主の謀略をレイン自ら暴くことだった!
東京の夜に謎と裏切りが輻輳し、愛と悲しみがたゆたう——全世界が注目する大型新人のデビュー作、世界に先駆けて日本で発売する究極のハード・サスペンス!
山手線の車内で男は突然くずおれ、絶命した。それを見届けて、ジョン・レインは電車を降りた——作戦完了。
日米ハーフの男レインは、東京で幾度も政治がらみの暗殺を手がけてきた凄腕の殺し屋だった。ある夜、彼は美貌のピアニストみどりと出会い、心を奪われる。意外にも、彼女はレインが山手線で殺した男の娘だった。しかし、やがてレインが依頼されたのはみどりの暗殺。彼女を救う唯一の手段は、政界に潜む依頼主の謀略をレイン自ら暴くことだった!
東京の夜に謎と裏切りが輻輳し、愛と悲しみがたゆたう——全世界が注目する大型新人のデビュー作、世界に先駆けて日本で発売する究極のハード・サスペンス!
- 本の長さ426ページ
- 言語日本語
- 出版社ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ
- 発売日2002/1/1
- ISBN-104789718026
- ISBN-13978-4789718028
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登録情報
- 出版社 : ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ (2002/1/1)
- 発売日 : 2002/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 426ページ
- ISBN-10 : 4789718026
- ISBN-13 : 978-4789718028
- Amazon 売れ筋ランキング: - 729,781位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2003年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2007年3月11日に日本でレビュー済み
日本社会の裏にある陰謀!なかなか面白い話でした。考えさせられます。
混血の殺し屋という設定も面白いです。第3部が一番の盛り上がりを見せます。
実際の東京を書いているそうで、実際に歩いてみたくなります。初めはやや場所の描写が細かすぎてマニアックな印象を受けましたが、しだいにストーリーに現実味を帯びさせるようになります。
アクションに迫力がないのと主人公がやや抜けているのが気になりますが、人間味のある主人公に魅力があります。
混血の殺し屋という設定も面白いです。第3部が一番の盛り上がりを見せます。
実際の東京を書いているそうで、実際に歩いてみたくなります。初めはやや場所の描写が細かすぎてマニアックな印象を受けましたが、しだいにストーリーに現実味を帯びさせるようになります。
アクションに迫力がないのと主人公がやや抜けているのが気になりますが、人間味のある主人公に魅力があります。
2019年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
英訳からの言い回しがくどくどとし過ぎ。
日本語表現が下手だと感じました。
日本語表現が下手だと感じました。
2002年6月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現代の日本をとりまく腐敗構造と、その裏側に潜むであろう権力への癒着、さらにはそれを支える男達のエゴイズムを主人公ジョン・レインと彼を取り巻く登場人物が実に上手く演出する。時に繊細に、時にスリリングに。刻々と変化する情景をディテールにこだわりながらも流れるようなタッチで描写される展開は、まさに我々の心のスクリーンに映像を映し出し、読者を小説の世界へと引き込むであろう。これが処女作とは思えないほどの著者の東京や日本文化の詳細な表現力には全くもって脱帽である。大都会の喧騒の中で過去のしがらみと現実との矛盾に向き合いながらも、孤独と権力構造へと果敢に立ち向かうジョン・レインの次のミッションは何か。第二作が待ち遠しい。
2002年2月8日に日本でレビュー済み
私が今まで読んだ本の中で1番面白かったです!!
1つ1つの描写が細かく、詩的(繊細)な表現で描かれているので、
まるで自分がその場にいるかのような、そんな臨場感が本の中から伝わってきて、吸い込まれるようでした。
みどりとの時間、彼女の奏でる音楽が、ジョンの心の闇を優しく包み込むように癒していく様子が、痛い程伝わってきて、とても感動しました。
読み終えた瞬間『あーー早く第2作目が読みたい!!買いに行かなきゃ』咄嗟にそう思ってましたね(笑)
ほんと、そんな気持ちにさせてくれる小説です。
第2作目で、またジョンに会えるのを、愉しみにしています♪
1つ1つの描写が細かく、詩的(繊細)な表現で描かれているので、
まるで自分がその場にいるかのような、そんな臨場感が本の中から伝わってきて、吸い込まれるようでした。
みどりとの時間、彼女の奏でる音楽が、ジョンの心の闇を優しく包み込むように癒していく様子が、痛い程伝わってきて、とても感動しました。
読み終えた瞬間『あーー早く第2作目が読みたい!!買いに行かなきゃ』咄嗟にそう思ってましたね(笑)
ほんと、そんな気持ちにさせてくれる小説です。
第2作目で、またジョンに会えるのを、愉しみにしています♪
2002年4月17日に日本でレビュー済み
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2005年8月25日に日本でレビュー済み
著者のバリー・アイスラーは、在日企業で働いたこともあるという大の親日家だそうで、このデビュー作も、本国であるイギリスに先駆けて日本で出版、と話題の一作。
日本に赴任していた頃に利用していたのであろう六本木が舞台となっていて、私にとっても馴染み深いジャズバーなどの店名がいくつも出て来る。
物語は、日米混血の元傭兵、殺し屋ジョン・レインの引き受けた仕事の遂行から始まり、殺した相手の娘との偶然の出会いから恋への発展、ジョンの生い立ちと傭兵時代の因縁とを絡め、ジョンの知らなかった裏事情が次々と明らかになってゆく運び。確かに肩の凝らないエンターテイメントであるとは思ったが、ハードボイルドとするには軟派だし、恋物語にするにはちと中途半端で、結末も含めて歯切れの悪いものになった様な気もする。確かに、親日家であることは良くわかったけれど。
日本に赴任していた頃に利用していたのであろう六本木が舞台となっていて、私にとっても馴染み深いジャズバーなどの店名がいくつも出て来る。
物語は、日米混血の元傭兵、殺し屋ジョン・レインの引き受けた仕事の遂行から始まり、殺した相手の娘との偶然の出会いから恋への発展、ジョンの生い立ちと傭兵時代の因縁とを絡め、ジョンの知らなかった裏事情が次々と明らかになってゆく運び。確かに肩の凝らないエンターテイメントであるとは思ったが、ハードボイルドとするには軟派だし、恋物語にするにはちと中途半端で、結末も含めて歯切れの悪いものになった様な気もする。確かに、親日家であることは良くわかったけれど。
2003年9月13日に日本でレビュー済み
2003年9月7日日本に来ていたアイスラーがインタビューで、この作品の映画化権利をジェット・リーが買った、と言っていました。
きっかけはそんなんで読み始めてみて、面白さにはまりました。
(著者自身の武道歴から)ファイティングシーンはリアル!どんな窮地に立たされてもレインは最後まであきらめない。英語と日本語をネイティブとして使うことができ、ジャズや、ライフスタイルへの憧憬も深い。グローバルな主人公は今の時代にぴったり。
きっかけはそんなんで読み始めてみて、面白さにはまりました。
(著者自身の武道歴から)ファイティングシーンはリアル!どんな窮地に立たされてもレインは最後まであきらめない。英語と日本語をネイティブとして使うことができ、ジャズや、ライフスタイルへの憧憬も深い。グローバルな主人公は今の時代にぴったり。