白い そして 灰色
語るような 思い出させるような 文章
夢のような これは幻想か❔ と思わせるような文章
スペインの悲劇的絶望的な出来事に白い靄をかけて語る なんだか引き込まれるような、彷徨うような
ぜひ読むべきです 黄色い雨もすごく良いので買って読んでみてください
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狼たちの月 単行本 – 2007/12/15
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社ヴィレッジブックス
- 発売日2007/12/15
- ISBN-104789731871
- ISBN-13978-4789731874
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登録情報
- 出版社 : ヴィレッジブックス (2007/12/15)
- 発売日 : 2007/12/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 272ページ
- ISBN-10 : 4789731871
- ISBN-13 : 978-4789731874
- Amazon 売れ筋ランキング: - 828,708位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 197位スペイン・ポルトガル文学研究
- - 297位スペイン文学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年1月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
冒頭の一節を引用させて頂くと、このリャマサーレスのデビュー作は
「1937年秋、アストゥリアス地方で共和派の前線が潰走し、海によって退路を断たれた敗残兵は人の住まないカンタブリア山脈の木々がうっそうと生い茂る険阻な山の中に逃げ込んだ。---中略---(敗残兵は)人々の記憶の中に消えることのない伝説的な思い出を残した。」
というある民兵たちとそれに係わった人たちの1946年までの四つの異なった年の断片的なシーンから構成されています。
スペイン内戦とフランコの弾圧などに関する歴史/政治/社会的な蘊蓄を得る類いの作品ではありません。ドラマティックな兵士の派手なアクション活劇でもありません。孤独で静寂な月の光のもと狼のように静かに賢く強く生き延びることに人生の数年を費やすことになった普通の人々を淡々と描いた散文集です。身内や仲間の死、裏切りと報復劇などに対するリャマサーレスの慈しみのこもった言葉による咆哮集です。その咆哮が遠くから微かに聞こえてきて残虐な史実を静謐で透徹な世界で包み込んでいます。生き埋めになったまま死を待つような心境の敗残兵を月が優しく照らすようにです。激しく心を打つというよりは平静で叙事的な文章から悲愴な兵士の叙情が染み込んでくるという感じです。
言葉を噛み締めるための完成度の高い作品なのですが、やはり内戦前後の歴史的基礎知識や北部スペインの人文地理に対する最低限の共通認識がなければ多少入り込みにくい世界かもしれません。訳者あとがきにはその辺の歴史やそれに対する現代スペイン人の認識などに関する概説もあり非常に有り難く思いました。(ただし起伏に乏しい物語展開の核心となるような逸話が紛れていますので御注意を)
「1937年秋、アストゥリアス地方で共和派の前線が潰走し、海によって退路を断たれた敗残兵は人の住まないカンタブリア山脈の木々がうっそうと生い茂る険阻な山の中に逃げ込んだ。---中略---(敗残兵は)人々の記憶の中に消えることのない伝説的な思い出を残した。」
というある民兵たちとそれに係わった人たちの1946年までの四つの異なった年の断片的なシーンから構成されています。
スペイン内戦とフランコの弾圧などに関する歴史/政治/社会的な蘊蓄を得る類いの作品ではありません。ドラマティックな兵士の派手なアクション活劇でもありません。孤独で静寂な月の光のもと狼のように静かに賢く強く生き延びることに人生の数年を費やすことになった普通の人々を淡々と描いた散文集です。身内や仲間の死、裏切りと報復劇などに対するリャマサーレスの慈しみのこもった言葉による咆哮集です。その咆哮が遠くから微かに聞こえてきて残虐な史実を静謐で透徹な世界で包み込んでいます。生き埋めになったまま死を待つような心境の敗残兵を月が優しく照らすようにです。激しく心を打つというよりは平静で叙事的な文章から悲愴な兵士の叙情が染み込んでくるという感じです。
言葉を噛み締めるための完成度の高い作品なのですが、やはり内戦前後の歴史的基礎知識や北部スペインの人文地理に対する最低限の共通認識がなければ多少入り込みにくい世界かもしれません。訳者あとがきにはその辺の歴史やそれに対する現代スペイン人の認識などに関する概説もあり非常に有り難く思いました。(ただし起伏に乏しい物語展開の核心となるような逸話が紛れていますので御注意を)
2014年3月26日に日本でレビュー済み
日本でも直接的にしろ間接的にしろ戦争を契機に多くの小説が書かれたように、スペインにも内戦にまつわるたくさんの作品があります。しかも、隣国や大国が相手ではなく、隣人が敵となる内戦であったぶん、閉塞感であったり、遣る瀬無さであったりも一層であるような印象を受けます。殊更、意識して選んでいるわけでもないのですが、最近も、後れ馳せながら読んだハビエル・セルカスの「サラミスの兵士たち」がそうでしたし、本作もまた然りでした。ただ、地名や、四部構成の冠にある年号等の、かの地の読者であったなら、当然抱くであろう、長い時間をかけて醸成された共通認識をもち合わせていないために、「1946年」といった年を示されても、「あぁ、戦争が終わったんだな。いや、フランコは75年まで生きていたから、戦後と言っても、60年代までは、こんな感じだったんだ。」程度の感慨しか自分の中に持てなくて、すこし損をしているような気持ちになりました。具体的な内容には触れませんが、途中差し挟まれる狼に関する挿話や、いろいろな感情や状況の暗喩であるように読める月の光が、スペイン内戦を生きた様々な人々の在り様を浮き彫りにしているようでした。
2012年1月19日に日本でレビュー済み
スペイン内戦の敗残兵たちのための鎮魂歌的小説、なんだろうけど、あまり共感できませんでした。
主人公の「ぼく」(元小学校教師、二十代後半?)とその仲間の、希望のまったく見えない過酷な逃亡生活が描かれています。
が、「ぼく」が「詩的」すぎちゃって。えっ、この人ほんとに生きてるの!? ってくらい肉体というものがまったく感じられません。
戦争を題材にここまで肉体あるいは生々しさを感じさせない作品も珍しいのでは。
はたして実際の敗残兵たちがこの小説を読んだとき、鎮魂歌として受け入れることができるのか?
「現実」を知らない孫の世代がおれたちを勝手に詩に仕立てやがってと苦々しい思いをかみつぶすしかないんじゃないのではなかろうか……。
訳者は「清冽な透明感が作品全体をひたしていて、人物たちの救いようのない悲劇的な運命がみごとに昇華させられていて、読後に心が洗われたような思いにとらえられる」とあとがきに書いているけど、これを「昇華」と言っちゃっていいのか。
肝である「詩的」表現もなあ……。
「霧に包まれたブナの木々が幻の氷の軍隊のように山上に向かって行進してゆく」
「軽機関銃が暗闇の中で鉄の月のようにきらめく」
「一頭の犬が夜の闇に包まれた峠の凍りついた内臓をかじっているのだ」
こういう表現が好きな人には文句なくお薦めですけど。全編これ、こういうノリです。
おれは合わんなー。こういう表現をしたくてしたくてしょうがない多感な高校生が書いているみたいで。
それでも☆三つにしたのは、好みではないけど、たしかに美しくはあるので。
また、この肉体性の欠如は、もしかして、主人公たちが敗残兵となった時点ですでに生きる屍としてしか生き得なかったことを描かんとしたのかな、と思ったから。
亡霊のモノローグと思えば合点がゆきます。そういう形でしか描けぬ悲惨さだったのかもしれません。
主人公の「ぼく」(元小学校教師、二十代後半?)とその仲間の、希望のまったく見えない過酷な逃亡生活が描かれています。
が、「ぼく」が「詩的」すぎちゃって。えっ、この人ほんとに生きてるの!? ってくらい肉体というものがまったく感じられません。
戦争を題材にここまで肉体あるいは生々しさを感じさせない作品も珍しいのでは。
はたして実際の敗残兵たちがこの小説を読んだとき、鎮魂歌として受け入れることができるのか?
「現実」を知らない孫の世代がおれたちを勝手に詩に仕立てやがってと苦々しい思いをかみつぶすしかないんじゃないのではなかろうか……。
訳者は「清冽な透明感が作品全体をひたしていて、人物たちの救いようのない悲劇的な運命がみごとに昇華させられていて、読後に心が洗われたような思いにとらえられる」とあとがきに書いているけど、これを「昇華」と言っちゃっていいのか。
肝である「詩的」表現もなあ……。
「霧に包まれたブナの木々が幻の氷の軍隊のように山上に向かって行進してゆく」
「軽機関銃が暗闇の中で鉄の月のようにきらめく」
「一頭の犬が夜の闇に包まれた峠の凍りついた内臓をかじっているのだ」
こういう表現が好きな人には文句なくお薦めですけど。全編これ、こういうノリです。
おれは合わんなー。こういう表現をしたくてしたくてしょうがない多感な高校生が書いているみたいで。
それでも☆三つにしたのは、好みではないけど、たしかに美しくはあるので。
また、この肉体性の欠如は、もしかして、主人公たちが敗残兵となった時点ですでに生きる屍としてしか生き得なかったことを描かんとしたのかな、と思ったから。
亡霊のモノローグと思えば合点がゆきます。そういう形でしか描けぬ悲惨さだったのかもしれません。