表紙の羽生選手を観た瞬間に予約しましたが(笑）買って良かったです。
表紙が羽生選手、裏表紙が町田選手、ページを開くと小塚選手、無良選手、そして巻頭特集の高橋選手の写真へと立て続けにつづき、
いずれの写真も美しく、フィギュア日本男子の豪華さを実感しました。中味の写真も各選手笑顔の写真が多く素敵です。
羽生選手の記事では、パトリック選手や高橋選手、町田選手の名前を挙げて「自分の短所を克服するために追いかけなければならないスケーターが絶対いる」そのことこそが、「フィギュアスケートをやっていて良かったこと」と語っています。
今期にかける思いの強さ。20才まであと少し、「怪我も減ってきた」と語る姿がせつない。
でもスケートが大好きな彼のことをスケートのほうでもきっと愛してくれると信じています。
能登さんの撮る笑顔満載の写真を観ると、日本にいてもこの笑顔が観られる環境を周囲が整えてくれるよう祈らずにはいられません。
個人的には織田さんの「教えて！ノブナリ先生」がツボでした。シニア、ジュニア男女問わず色々な選手が「ノブナリ先生」に演技のコツを質問しているのですが、そこに羽生選手も紛れ込み(笑）「おおう！なんやろ？」と先生、慌てながらもものすごく真面目に答えていて。彼のいい人キャラ全開です(笑）
ただインタビュー記事の中で「ジャンプが跳べなければ死ぬ！」｢人生だったり、命を賭けてやっている」四回転が跳べないと「自分が生きている価値があるのか」とまで思ってしまうと答えているのが胸に迫りました。
あくまで明るくあの織田節で語っているのですが、決して冗談には思えませんでした。
今回町田選手の記事の中にも「命を削って」という言葉がでてきます。この言葉は羽生選手の過去のインタビューでも語られましたが、重力に逆らって空中に跳び自分の筋力だけでその衝撃に耐える。不安定な氷の上で笑顔を浮かべながら･･･。フィギュアスケートというスポーツの厳しさをあらためて感じました。小塚選手のインタビューの中で記者が言っているように「人の防御本能･･･限界意識を解除」して演技する時代に（記者は未来形で語っていますが）もう突入している気がします。もっともっと選手に尊敬の念をもって接しなければいけないな･･･と感じました。
この本を買って良かったなと最も感じたのは編集構成のすばらしさです。
他の選手からの感謝の言葉や中2から今までの写真がちりばめられた高橋選手の特集から始まり、羽生選手町田選手無良選手小塚選手から田中選手村上選手日野選手など現役選手の熱い思いが語られ、途中にKENJI先生ノブナリ先生(笑）の楽しい読み物を挟んで、引退した佐々木選手中村健人選手が対談形式で現況と後輩へのメッセージ。最後にジュニアやノービスの選手達が、先輩達へのあこがれや未来への高ぶる思いを口々に語っています。ページをめくるごとに今の日本男子の興隆はいかにして作られ支えられているかが分かります。
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