★４の中。
著者の成コミ３冊目(通算４冊目)。
兄妹のえっち『イモオトイトシ…』。１冊目『淫モラル』収録作の続編『お兄ちゃんと私…』。
どーしよーもなく多淫症候群な女生徒とスカシタ男子生徒の、予めスレチガイな出逢い『憎ったらしーヤツ!!』。
いー歳こいて悪いヤツらの車に引き込まれ穴ぼこにされる女生徒の、投げっぱなし『逮捕激走 PUSSY WAGON』。
どーしよーもない●ンナ・ミラー●物語『めいど喫茶じゃアリマセン。』。
夢見る保母さんと、悪魔な園児たちの幸せドラマ『小悪魔たちのシエスタ』。
セクハラコーチに鬼のエロトレーニングを施されるテニス界期待の星と、彼女を心の姫と崇める三バカ男子生徒の、よかったね『テニ姫』。
壊れてしまった息子と、疲れてしまった母による、ザ・ラストデイ『暗黒…』。
描き下ろし9.5頁の『王姫凌辱』＆半ページの後書き。
その後書きに『だがアソビが多すぎる』『かたりの犠牲、これにて終了であります！』とあり、稀代のアンソロ作家『かたりの犠牲』は消滅し『ゆうきつむぎ』として転生することになるのだが…。
処女単行本の『淫モラル』から３冊目『禁断ゲーム』まで、シュールと紙一重の作風で、アートポップで過激なポエムを描いてくれてた著者の、その作風に大きな変化が顕れた本作。絶対無比の独自性を誇った漫画空間は、一般漫画的展開手法に緩和され、癖はあっても、普通のエロ漫画に近いスタイルな平地に降りてきた。
もの凄くヘンテコな例えで申し訳ないけど、『安住の地』や『堀田』という究極に辿り着いた『山本直樹』がニーズ諸々の事情で、作風を初期の『森山塔』時代まで落としたみたいな感覚にさえとらわれてしまう。
私自身が著者に出逢えたのが昨年で、リアルタイムで書評を書けなかったことが、悔しくて、いたたまれません。
『父の囚…』以来久々に重くセツナイ行き止まり系な『暗黒…』が胸をゆさぶりました。
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