私がこの本を読もうと思ったきっかけは、私事で誠に恐縮だが、推理小説家、篠田真由美さんのある作品に、未亡人として登場したが実は男性で“過去にインドでヒジュラの集団に混じって生活していた”美貌の人物、が出てきたことにある。(気になる人は、建築探偵桜井京介シリーズ読んでください)
本書から、ヒジュラになるひとは、生まれつき半陰陽の者、男性同性愛者、同性愛者であるかないかにかかわらず不能者である男性などがいて、ヒジュラになるのはどういった人間か、という問いに対する答えがひとつでないことがわかった。
章立てを見てわかるように、この本では、ヒジュラについて学問的見地からの考察を述べ、そして著者がフィールドワークをした際に知り合ったヒジュラ4人について、ひ!とりにつき1章を割り当てて説明している。
著者が強調するのは、男女という二元論で語られる西欧のジェンダーに比べ、多様性とダイナミズムを持つインド文化において、ヒジュラが男女以外の第三のジェンダーであるという認識が伝統的に定着していることに対する驚き、斬新さ、である。
インド人でも、ヒジュラの実態についてよく知る人は少ないようだ。
読み物としては面白い。
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ヒジュラ: 男でも女でもなく 単行本 – 1999/11/1
- 本の長さ364ページ
- 言語日本語
- 出版社青土社
- 発売日1999/11/1
- ISBN-104791757785
- ISBN-13978-4791757787
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
ある時は宗教儀礼者、ある時は売春婦-インド社会の中でもその存在が秘密に包まれていた両性具有のアウトカースト=ヒジュラ。その証言に耳をすまし、比較人類学・フェミニズム理論を駆使して探る第三のジェンダーの可能性。
登録情報
- 出版社 : 青土社 (1999/11/1)
- 発売日 : 1999/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 364ページ
- ISBN-10 : 4791757785
- ISBN-13 : 978-4791757787
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,163,606位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,909位文化人類学一般関連書籍
- - 157,654位ノンフィクション (本)
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