この本を出版してくださった方々、翻訳者に感謝です。
この翻訳者があとがきに書いてあるこの本の要約がとてもよいので一部抜粋。
「健康な精神の発達のために、幼児期の親子関係を重視する。
もし親が子ども自身のために子供を愛するのではなく、自分の欲望のために(たとえば誇りにしたいために)子供を支配すると、子供は愛されたいがために自分の真の感情を抑圧し、表面的には従順な良い子を装うようになってしまう。偽りの自己の形成がこれである」
「その結果、外面的には正常な、現実順応型の人間が生まれるが、その人間の心は、内面(真の自己)と外面(服従して権力と結託した自己)とに分裂して、統合性が失われてしまう。
そして、真の感情と自己が抑圧された結果、共感性が失われて、代わって怒りと憎しみが生まれ、それらが発散されぬまま内部でうっせきし、やがて憎悪が外部に投射されて、残虐な攻撃や破壊行動が起こってしまう。
これが精神的健康という仮面を被った狂気であり、現代をこの例にこと欠かないと著者はいう。」
「両親の権力欲にこのように順応することは、子供の心的構造の分裂をもたらす。子供は自分の内面世界を、周囲の世界との相互作用から切り離してしまう。」
「現実の世界における人間的な価値の喪失にもはや耐えられない人々が「狂っている」とみなされる一方で、人間の本質を放擲してしまった人々には「正常性」の証明が与えられている。そして、われわれが権力を委ね、われわれの生活と未来とについて決定させるのは後者の人々なのだ。」
この本は、親との関係に問題を抱えている方にとって、よい本だと思います。そして、いまの社会の問題に深くかかわっていると思います。
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正常さという病い 単行本 – 2001/4/1
- 本の長さ294ページ
- 言語日本語
- 出版社青土社
- 発売日2001/4/1
- ISBN-10479175882X
- ISBN-13978-4791758821
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
両親の権力欲によって子供の内面世界と周囲の世界とが分離され、一見「正常」に見える精神分裂症が生れている。精神分析理論と豊富な臨床経験に基づき、具体的な例をあげながら現代社会の矛盾とその克服法を提示する。
登録情報
- 出版社 : 青土社 (2001/4/1)
- 発売日 : 2001/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 294ページ
- ISBN-10 : 479175882X
- ISBN-13 : 978-4791758821
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,001,854位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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