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描かれなかった十字架: 初期キリスト教の光と闇 単行本 – 2005/5/1

4.2 5つ星のうち4.2 8個の評価

キリスト教の根底を問い直す、挑発的講義。ローマ地下墓所の壁画に隠されたメッセージ、聖書外典の語るマリアの真実、反ユダヤ主義とアンチキリストなど、キリスト教の正統教義には語られなかった興味深いテーマを、豊富な図版資料とともにわかりやすく解き明かす。著者は古代ユダヤ思想史と初期キリスト教世界を専門とし、国際的にも高い評価を得る研究者だが、ヨセフスなど当時のユダヤ文献の翻訳紹介、バートン・マックなどの新しい聖書学や死海文書研究の紹介、そしていま「七十人訳ギリシア聖書」の翻訳という大業で知られる。その根底には、キリスト教揺籃期の思想的・文化的・政治的背景を広くかつ丹念に読み解くことによって、キリスト教に深く根付いてしまった「排他の思想」(反ユダヤ主義等)をときほぐそうとする学問的動機がある。本書は、これまでの研究成果を、はじめて一般向けに説き起こしたもので、すでに多くの読者や評者から好評を得た待望の単著である。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 青土社 (2005/5/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/5/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 393ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4791761928
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4791761920
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 8個の評価

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秦 剛平
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カスタマーレビュー

星5つ中4.2つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2013年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
イエス生誕を境にして、世界史は紀元前BC(Before Christ)或いは紀元 AD(Anno Domini)何年で表示される。このこと自体すごいことだと思うが、それほどにキリスト教は西欧社会に深く根をおろしたということだろう。(実際の誕生は、洗礼者ヨハネと同じ紀元前五年とするのが定説のようである。)

地中海沿岸と中東におけるこの時期(紀元をまたいで前・後数百年)は、人類史上稀に見る激動の時代であり、精神史上多産な時期である。政治・軍事権力はローマ人の手にあったが、高度の文化伝統を誇るギリシャ人、唯一神信仰と選民意識の下頑強に帝国に抵抗するユダヤ民族、そして芽生えたばかりの原始キリスト教徒、これらが舞台の主人公である。

この時代を考察するに当たり著者は様々な切り口を示すが、ここですべてを紹介できない。詳しくは本書を読んでいただくとして、70人訳ギリシャ語聖書の成立と、歴史家(著者によれば歴史物語作家)ヨセフスの著作がたどった運命に触れなわけにはいかない。著者によれば:

 * ヘブライ聖書のギリシャ語訳はアレクサンドリアに住むディアスポラのユダヤ人によってなされた。支配層のギリシャ人に対し、自分たちの先祖にはアブラハムやモーセのような人物がおり、その民族史はホメロスやトロイ戦争をはるかにさかのぼることを示し独自の伝統と民族の正統性を主張する必要があった。商業、軍隊、宮廷への浸透がすすむにつれ(多民族社会においてユダヤ人は常に成功するが孤立化する)、ユダヤ人蔑視と排除の機運がたかまったからである。

 * 新興のキリスト教には独自の文書は無かった。が、このギリシャ語訳を「眼を皿のようにして」精読して預言者達の文言にイエスの来臨を読み取り、十字架と復活を核心とする新たな教義を築いた。パウロ以下初期の伝道者は異邦人(ギリシャ化したユダヤ人・ローマ人)伝道にもっぱら本書を活用した。一世紀末には新約聖書の主要な文書が出そろってくるが、福音書記者が参照したのもこのギリシャ語訳であったし、ついにはユダヤ教へブル語原典ではなくこのギリシャ語訳こそがイエスの到来を予言した神の言葉(旧約)だとしてキリスト教の正典に取り込まれることとなる。詳しくは
乗っ取られた聖書 (学術選書)

 * ヨセフスはイエスとほぼ同時代の人。ユダヤ戦争を指揮官として戦うがローマ軍に投降し生き延び、なぜかその後厚遇を受け著述家として余生を送る。代表作に「ユダヤ古代誌」「ユダヤ戦記」 彼はユダヤ人から見れば転向者・裏切り者であるからその著作はユダヤ教徒からは無視される。

 * しかし後世ヨセフスはキリスト教世界で聖書同様の扱いを受ける。というのは著作中に、洗礼者ヨハネ、イエスや義人ヤコブについての言及があり(非キリスト教徒である同時代人が、聖書に現れるこれら人物たちの実在を証明したことになる)、また「キリストと呼ばれたイエス」という文言がオリゲネスやエウセビオスといった後の教会著作家によって潤色・拡大解釈された結果、彼は「キリスト殺し」の宿敵ユダヤ人にもかかわらず、キリスト教陣営に迎え入れられることとなった。

 * かくてキリスト教徒に取り込まれたヨセフスではあるが、二〇世紀、新興イスラエルにおいて彼の著作は脚光を浴び劇的な転換評価を得る。考古学者によるマサダ要塞発掘によりヨセフスの記述が詳細にして信憑性が高いこと、とりわけ要塞陥落時の同胞ユダヤ人の悲劇と勇気をつづった筆致がイスラエル人の胸を強く打ったからである。

「大反乱の初め、ヨセフスはガリラヤ方面のユダヤ人指揮官の一人であった。後に彼はローマ軍に寝返る。だが他のいかなる者も、七三年のあの運命的な夜にマサダの頂上で起こった出来事を、ヨセフスほどには魅力的な筆致で記述することはできなかったであろう。その理由が何であれーそれは良心の痛みであたかもしれないし、我々の窺いしれない何かほかの原因であったかもしれない・・・」 ヤディン(発掘調査隊のリーダー) 詳しくは
ヨセフス (ちくま学芸文庫) 参照。

その他、本書の「コンスタンティヌス帝をめぐる聖十字架伝説」、古都ラベンナのモザイク画の解説ーいずれも西洋古代史を学ぶ人には必須の知識ーも興味深いものである。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2013年10月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主婦や一般層を聴衆として行われた講演を編集した本で、話言葉で書かれている。ローマなどのカタコンベの初期キリスト教美術に描かれているキリスト像の変遷と解説。時代を追って、キリスト教会の壁画や彫像の中に見られる反ユダヤ的なものを、ヨーロッパ、特にドイツ地方の教会から解説している。ユダヤ教徒がどのようにして西欧で迫害されてくるようになったのかが理解できた。新約聖書のなかから、その元になった聖句などを引用したりしてある。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2011年2月15日に日本でレビュー済み
最初の数ページを読んで、「こんなこと書いて大丈夫なのか!?」とドキドキさせられました。
「キリスト教の根底を問い直す、挑発的講義」とありますが、個人的には少年のような心で純粋に「なんで!?」「どうして!?」の探求をしている印象を受けました。決して悪い意味ではなく。
読者への語り口調で書かれているため、読みやすいです。

本書には出てきませんが、本書を読むと、織田信長など、日本の過去の偉人たちが政治と宗教を切り離したことが、そのやり方は別として、いかに英断であったのか、痛感させられます。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2006年1月1日に日本でレビュー済み
週間ポストで嵐山光三郎が書評していたので購入しました。書評では、中世なら焚書ものの一冊とあったので、どんなものかと。内容は絵解きというか、色々な絵を元に初期キリスト教にまつわることで、色々な発見がありました。描かれなかった十字架」という本のタイトルですが、かなり文学的なものです。確かにこれまでに余り着目されなかった視点で、初期キリストとそれにまつわる絵画の関係が興味深く考察されていました。聖十字架の発見・検証や十字架のもとになる木を担いだ人の絵が出てきますし、アンチキリストや反ユダヤ主義にまつわる絵画はなかなかにすごいものでした。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年12月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これからの研究内容が出てくるか期待