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紙の本が亡びるとき? 単行本(ソフトカバー) – 2009/12/22
前田塁
(著)
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- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社青土社
- 発売日2009/12/22
- 寸法13.1 x 1.8 x 19.2 cm
- ISBN-104791765311
- ISBN-13978-4791765317
登録情報
- 出版社 : 青土社 (2009/12/22)
- 発売日 : 2009/12/22
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 240ページ
- ISBN-10 : 4791765311
- ISBN-13 : 978-4791765317
- 寸法 : 13.1 x 1.8 x 19.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,372,309位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 295,497位文学・評論 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年12月27日に日本でレビュー済み
タイトルからは電子書籍に関する本であるような印象をうけるが,実際はおもに本のなかみ,とくに小説についての本だ. 「メロス」 もとりあげられているが,もっと最近の作品に関するものがおおい. 著者も 「「電子ブックの未来」 みたいな文章が含まれていない」 と書いているが,こういうタイトルをつけるなら,ケータイ小説くらいはとりあげてもよかったのではないかとおもう.
2010年3月22日に日本でレビュー済み
著者は「紙媒体の本が亡びること」を不可避の前提として、
その時、いったい日本語、文学がどうなるのか、
という見地に立っている点で、亡びるかどうかの議論よりも先に行っている。
デバイスとプラットフォームのグローバル化にともなう、
世界文学と日本語文学の関係性、
平野啓一郎や川上未映子のリーダブルな転向、
フォントのこと(写植からDTP)、
など、ハードとソフトの面で「本」「文学」に興味があるひとには、
非常におすすめである。
その時、いったい日本語、文学がどうなるのか、
という見地に立っている点で、亡びるかどうかの議論よりも先に行っている。
デバイスとプラットフォームのグローバル化にともなう、
世界文学と日本語文学の関係性、
平野啓一郎や川上未映子のリーダブルな転向、
フォントのこと(写植からDTP)、
など、ハードとソフトの面で「本」「文学」に興味があるひとには、
非常におすすめである。
2010年1月22日に日本でレビュー済み
新進気鋭の文芸批評家である著者の第2作目。
本書の前半部では、今大きな問題となっているグーグルが無断で書籍を電子化している一連の騒動をとりあげ、それを期に勃発したといっても過言ではない「本を紙で読むこととディスプレイで読むことの違い」ということについて本質的に、的確にまとめられています。こんなにネット上では様々な発言がされているのにもかかわらず、ある意味当たり前のことしか言っていない著者ほどきちんと問題点を整理して、状況を把握しこれからの流れを文章に出来ているひとはいないと思います。
後半は、平野啓一郎や大江健三郎といった作家をとりあげて論を展開していきます。一見前半と後半は関係ないように思えますが、そこには一本の軸が通っていて、紙の本が滅びる=文字が電子化される中で文章を読む時代というテーマが根底に流れています。つまり本書は一見出版論にや読書論に見えるタイトルながら、やはり文芸批評家、誰よりも真剣に急速にかわりつつある我々の社会の中で文学を読むこと・書くことについて批評していこうという気概が見られます。
社会学的な観点からの批評が横溢する現在ですが、ある意味社会が大きく変わっている状況で社会学的な視点で物を述べると言うことは安易とも言え、その点本書の著者はこれまでの文芸批評の枠を広げるような形で、新しい挑戦をされているように思え好感が持てました。
欲をいうのならば、慎重に紡がれて長くなる文章をもう少し短くして読みやすくして欲しい。しかしこれも文芸批評という名の読み物の特質ではあるのですが。
追記:
重版の刷りによって内容が変わっている部分があるそうな。どれくらいの変更かは分かりませんが、「ネット」上の無限のアップデートが可能な形態と、ある時点で思考を固着させる効用のある「本」の形態の対立を、わざわざ無効化させるその意図は……? 気になりますがわざわざもう一度購入する気にはなりません。
本書の前半部では、今大きな問題となっているグーグルが無断で書籍を電子化している一連の騒動をとりあげ、それを期に勃発したといっても過言ではない「本を紙で読むこととディスプレイで読むことの違い」ということについて本質的に、的確にまとめられています。こんなにネット上では様々な発言がされているのにもかかわらず、ある意味当たり前のことしか言っていない著者ほどきちんと問題点を整理して、状況を把握しこれからの流れを文章に出来ているひとはいないと思います。
後半は、平野啓一郎や大江健三郎といった作家をとりあげて論を展開していきます。一見前半と後半は関係ないように思えますが、そこには一本の軸が通っていて、紙の本が滅びる=文字が電子化される中で文章を読む時代というテーマが根底に流れています。つまり本書は一見出版論にや読書論に見えるタイトルながら、やはり文芸批評家、誰よりも真剣に急速にかわりつつある我々の社会の中で文学を読むこと・書くことについて批評していこうという気概が見られます。
社会学的な観点からの批評が横溢する現在ですが、ある意味社会が大きく変わっている状況で社会学的な視点で物を述べると言うことは安易とも言え、その点本書の著者はこれまでの文芸批評の枠を広げるような形で、新しい挑戦をされているように思え好感が持てました。
欲をいうのならば、慎重に紡がれて長くなる文章をもう少し短くして読みやすくして欲しい。しかしこれも文芸批評という名の読み物の特質ではあるのですが。
追記:
重版の刷りによって内容が変わっている部分があるそうな。どれくらいの変更かは分かりませんが、「ネット」上の無限のアップデートが可能な形態と、ある時点で思考を固着させる効用のある「本」の形態の対立を、わざわざ無効化させるその意図は……? 気になりますがわざわざもう一度購入する気にはなりません。