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誤訳の構造 単行本 – 2003/4/1
中原 道喜
(著)
著者「はしがき」より
本書において対象とした訳書は,あらかじめ誤訳の多出が予想される類のものではなく,文学作品など練達の訳者の筆になる,概して賛嘆の気持ちをもって接しうる,すぐれた訳業がほとんどである.
それでもやはり,それらは例外なく,幾つかの啓発的な誤訳を提供してくれる.
それらの多くは,別に訳者の力量不足に由来するといった性質のものではなく,中には勘違いや slip of the pen に類するものもあるが,さすがは専門家,その誤訳は,受験生でも先生でも翻訳を志す人でも いやベテランの翻訳家でも,“なるほど”と感じるような,非常に参考になるものが少なくない.
この本には,そのような誤訳の中から,特に啓発性と活用性の高いものを選んで収めたが,本書は,誤訳をあげつらう本ではなく,誤訳から学ぶ本であり,誤訳を防ぐための本である.
だから,体系とか構造とかいえばやや大げさになるが,それなりに分類して系統だて,誤訳を例示するだけでなく,適宜,関連事項を解説し,文法的説明を加え,類例を示すなどした.
英文解釈と翻訳の両方に共通する,誤りやすい点がよくわかるはずである.
本書において対象とした訳書は,あらかじめ誤訳の多出が予想される類のものではなく,文学作品など練達の訳者の筆になる,概して賛嘆の気持ちをもって接しうる,すぐれた訳業がほとんどである.
それでもやはり,それらは例外なく,幾つかの啓発的な誤訳を提供してくれる.
それらの多くは,別に訳者の力量不足に由来するといった性質のものではなく,中には勘違いや slip of the pen に類するものもあるが,さすがは専門家,その誤訳は,受験生でも先生でも翻訳を志す人でも いやベテランの翻訳家でも,“なるほど”と感じるような,非常に参考になるものが少なくない.
この本には,そのような誤訳の中から,特に啓発性と活用性の高いものを選んで収めたが,本書は,誤訳をあげつらう本ではなく,誤訳から学ぶ本であり,誤訳を防ぐための本である.
だから,体系とか構造とかいえばやや大げさになるが,それなりに分類して系統だて,誤訳を例示するだけでなく,適宜,関連事項を解説し,文法的説明を加え,類例を示すなどした.
英文解釈と翻訳の両方に共通する,誤りやすい点がよくわかるはずである.
- 本の長さ262ページ
- 言語日本語
- 出版社聖文新社
- 発売日2003/4/1
- 寸法13 x 1.5 x 18.8 cm
- ISBN-104792217083
- ISBN-13978-4792217082
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
超プロの悪訳、名訳者の受験生的誤訳、知らねば危ない典型誤訳…。さまざまな誤訳の事例を通して、実践的に正しい英文の読み方を学ぶテキスト。英語を教える人、英文翻訳者必携。87年吾妻書房刊の再刊。
登録情報
- 出版社 : 聖文新社 (2003/4/1)
- 発売日 : 2003/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 262ページ
- ISBN-10 : 4792217083
- ISBN-13 : 978-4792217082
- 寸法 : 13 x 1.5 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 559,592位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年6月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年6月18日追記
定価が変わりました!
「構造」、「常識」、「典型」、各冊一律2,200円(税込)になりました。
--------以下は当初のレビューです--------
金子書房さんから定価1,980円(税込)で出版される予定です。
中原先生がお亡くなりになって、聖文新社さんも昨年廃業されてしまったので、この名著がもう書店に並ぶことが無いのかと落胆していたのですが、金子書房さんから「誤訳の常識」(1,760円税込)、「誤訳の典型」(1,760円税込)、も同日(2021年7月30日)に復刊されることになっていることをつい最近知りました。
金子書房さんの大英断には感謝するしかありません!
金子書房さんは今年に入ってから中原先生の「マスター英文法」、「マスター英文解釈」を復刊させ、11月には佐々木高政先生の「和文英訳の修行」を復刊させる予定になっております。
金子書房さんは本当に良いお仕事をされていると思います!
定価が変わりました!
「構造」、「常識」、「典型」、各冊一律2,200円(税込)になりました。
--------以下は当初のレビューです--------
金子書房さんから定価1,980円(税込)で出版される予定です。
中原先生がお亡くなりになって、聖文新社さんも昨年廃業されてしまったので、この名著がもう書店に並ぶことが無いのかと落胆していたのですが、金子書房さんから「誤訳の常識」(1,760円税込)、「誤訳の典型」(1,760円税込)、も同日(2021年7月30日)に復刊されることになっていることをつい最近知りました。
金子書房さんの大英断には感謝するしかありません!
金子書房さんは今年に入ってから中原先生の「マスター英文法」、「マスター英文解釈」を復刊させ、11月には佐々木高政先生の「和文英訳の修行」を復刊させる予定になっております。
金子書房さんは本当に良いお仕事をされていると思います!
2018年8月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
There is nothing to see.とThere is nothing to be seen.この二つを、どう訳し分けますか?
この本は、英文和訳の誤訳の本である。読むために高卒程度の英語力が必要である。誤訳から学ぼうとする本である。このレビューの冒頭の例など、物凄く実用的かつ面白い。
「誤訳辞典」(別宮貞徳・著、日本翻訳家養成センター・刊)に並ぶ名著である。
この「誤訳の構造」は、まず、「はしがき」と誤訳論のPART1がよい。PART2が本論であり、英文、誤訳、解説から成っている。誠に誠に読み応えがある。(「関係代名詞」の項と「比較」の項は、圧巻。)全体に、筆者の英文を正しく読もうとする姿勢が貫かれており、説明が、受験参考書のようなのも、却って小気味よい。
読み物としても優れている。翻訳をしない人でも、英語を読む・聞く人には、必ず役に立つ良書である。
この本は、英文和訳の誤訳の本である。読むために高卒程度の英語力が必要である。誤訳から学ぼうとする本である。このレビューの冒頭の例など、物凄く実用的かつ面白い。
「誤訳辞典」(別宮貞徳・著、日本翻訳家養成センター・刊)に並ぶ名著である。
この「誤訳の構造」は、まず、「はしがき」と誤訳論のPART1がよい。PART2が本論であり、英文、誤訳、解説から成っている。誠に誠に読み応えがある。(「関係代名詞」の項と「比較」の項は、圧巻。)全体に、筆者の英文を正しく読もうとする姿勢が貫かれており、説明が、受験参考書のようなのも、却って小気味よい。
読み物としても優れている。翻訳をしない人でも、英語を読む・聞く人には、必ず役に立つ良書である。
2013年1月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
じっくり時間をかけて読了した。これだけ多岐にわたる誤訳例をよくも渉猟したものだと感服する。著者の読書の幅、量、質が察せられる。翻訳を読み「おや?」と引っかかるたびに丹念に原書・原文にあたるという、恐ろしく地道な作業の積み重ねを思う。こうした態度にも学ぶところが多い。
しかし、疑問が一つ。悪文の典型である「順接の『が』」(「休日にはゴルフをするが、テニスもする」のたぐい)が、はしがきの冒頭から解説文まで至るところで頻出するのはどうしたものか。
"Variety is the spice of life."(多様性こそ人生の醍醐味)というが、年ごとに賑わいを増す翻訳の(まぎれ込んだとりどりの誤訳をあわせた)繚乱の趣も、やはり多様性の妙味に通じる。(「はしがき」の冒頭)
誤訳の指摘と解説の手並みが冴えれば冴えるほど、論旨曖昧な「が」に対する違和感がいっそう募る。
この点だけは留保したいものの、仕事でしばしば英語を取り扱う者として、常に手の届くところに置き、折りに触れて参照したい一冊である。続編の『常識』も購入した。
[追記 2013年2月5日]
最近の新聞で、本書P.188「否定」の節で取り上げられている「not 〜 any more than ...(〜でないのは...でないのと同じである)」の誤訳があり、訂正記事が出たという。ネタ元はGoHoo([・・・])。
●読売新聞 2013年1月23日付朝刊8面「オバマ米大統領就任演説全文」
(原文)
For the American people can no more meet the demands of today’s world by acting alone than American soldiers could have met the forces of fascism or communism with muskets and militias.
(訳)
かつての米兵は、小銃を携え、民兵とともにファシズムや共産主義に立ち向かうことが出来た。だが米国民はもはや、単独で行動していては、今日の世界の要求に応えることはできない。
●読売新聞2013年1月24日付朝刊6面
(訂正)
23日の「オバマ米大統領就任演説全文」訳で、「かつての米兵は、〜立ち向かうことが出来た。だが米国民は〜」とあるのは、「かつての米兵が、〜立ち向かうことが出来なかったように、米国民は〜」の誤りでした。
しかし、疑問が一つ。悪文の典型である「順接の『が』」(「休日にはゴルフをするが、テニスもする」のたぐい)が、はしがきの冒頭から解説文まで至るところで頻出するのはどうしたものか。
"Variety is the spice of life."(多様性こそ人生の醍醐味)というが、年ごとに賑わいを増す翻訳の(まぎれ込んだとりどりの誤訳をあわせた)繚乱の趣も、やはり多様性の妙味に通じる。(「はしがき」の冒頭)
誤訳の指摘と解説の手並みが冴えれば冴えるほど、論旨曖昧な「が」に対する違和感がいっそう募る。
この点だけは留保したいものの、仕事でしばしば英語を取り扱う者として、常に手の届くところに置き、折りに触れて参照したい一冊である。続編の『常識』も購入した。
[追記 2013年2月5日]
最近の新聞で、本書P.188「否定」の節で取り上げられている「not 〜 any more than ...(〜でないのは...でないのと同じである)」の誤訳があり、訂正記事が出たという。ネタ元はGoHoo([・・・])。
●読売新聞 2013年1月23日付朝刊8面「オバマ米大統領就任演説全文」
(原文)
For the American people can no more meet the demands of today’s world by acting alone than American soldiers could have met the forces of fascism or communism with muskets and militias.
(訳)
かつての米兵は、小銃を携え、民兵とともにファシズムや共産主義に立ち向かうことが出来た。だが米国民はもはや、単独で行動していては、今日の世界の要求に応えることはできない。
●読売新聞2013年1月24日付朝刊6面
(訂正)
23日の「オバマ米大統領就任演説全文」訳で、「かつての米兵は、〜立ち向かうことが出来た。だが米国民は〜」とあるのは、「かつての米兵が、〜立ち向かうことが出来なかったように、米国民は〜」の誤りでした。
2020年2月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本を読んで人生が変わる。変えようと思うということは、多々ある訳で。そうしたことを阻む原因として誤訳が挙げやれる。人はミスするとしても、それを前提として本を読むか読まないかで、中身から得られることは随分と変わるはず。だから誤訳がナゼ起きるのかを読み手として理解しておくなら、それは素晴らしいことだと思います。この本の良さは、ここに尽きます!
2016年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
誤訳がどうして生まれるのか。著者は悪訳と誤訳をはっきり区別して、語彙的、文法・構文的誤りによる誤訳(英文読解力不足による間違い)に焦点を絞って、実に多種多様な実例をもとに懇切丁寧に解説している。翻訳家は和訳(日本語としてこなれていない直訳)と翻訳(日本語として達意の意訳)を区別するが、中道氏のものはその前段階を扱っており、本当に勉強になる。確かに、直訳(正確な解釈)対誤訳(間違った解釈)と翻訳(達意の和訳)対悪訳(日本語として奇妙な和訳)は区別されるべきであろう。とにかく勉強になる。英文解釈に自信がある人も一読の価値あり。へぇ!そうなんだ、と気づかされることが一杯あるはず。