当時の警察による報告・事件関係者の証言記録・諸検事による報告などを中心に、諸記録を淡々とつづるもの。
筆者の主観はほとんど排除されている。
それというのも、筆者は一大推理を掲げてやろうなどという気概によってではなく、犯人・都井睦雄や、それに関わった時代や風土などに関して、記録を残し知ってもらいたいという信念のもとに、これを執筆したからだ。(あとがき文言を再構成)
数多くの人々の言葉を繋いだ文章は、最初から最後まで、その事実を忘れさせるほどに読みやすい。
第一部は事件発生時の警察記録から始まり、事件後までのあらましをざっとまとめてから、第二部では都井の誕生からの人生と時勢・風土などを、1年ごとの時系列に再構成していき、事件発生、そして都井の自殺と共に終わる。
事件自体のもつ刺激性だけをもとめる方は、もっと他の刊行物を求められたほうがいいと思う。(新潮文庫版の帯の文言は、どうも頂けないと思います)
事件の正確な情報を得たい、あるいは、事件の起こった背景や、都井という人物を育てた環境を掘り下げたいと思う方には、強くお勧めする一冊。
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津山三十人殺し: 村の秀才青年はなぜ凶行に及んだか 単行本 – 1981/1/1
筑波 昭
(著)
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購入オプションとあわせ買い
昭和13年、津山市北郊の山村で起きた1時間30人殺しという記録的事件の全容を、新資料を含む膨大な資料を駆使して描き、謎に包まれていた真相に迫る。
- 本の長さ286ページ
- 言語日本語
- 出版社草思社
- 発売日1981/1/1
- ISBN-104794201338
- ISBN-13978-4794201331
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登録情報
- 出版社 : 草思社 (1981/1/1)
- 発売日 : 1981/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 286ページ
- ISBN-10 : 4794201338
- ISBN-13 : 978-4794201331
- Amazon 売れ筋ランキング: - 869,523位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 128,721位ノンフィクション (本)
- - 226,590位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年10月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もともと、この本にレビューを付けるつもりはありませんでした。しかし、この本を鵜呑みにしたと思われる読者が、石川清さんの『津山三十人殺し 最後の真相』を酷評しているのを見て考えが変わりました。
私は「事件関係ブログ」というブログでこの「津山三十人殺し=津山事件」について調べ、その結果を発表しています。この本の著者である筑波昭さんにも直接お会いしてインタビューもしました。また、この本の元になった司法省刑事局編『津山事件報告書』も閲覧・確認しました。それらの調査結果から、この本の多くの部分に、著者である筑波昭さんの創作が混入している可能性が高いと考えています。
具体的には、犯人である都井睦雄の作品とされる「雄図海王丸」、中学進学に際しての教師やおばやんとの会話、阿部定関係、「内山寿」、このあたりはほぼ筑波氏の創作で間違いないと考えます。個別の事例を本レビューの中で論証するのは字数的に難しいので割愛させていただきますが、私がインタビューした際の筑波さんの言葉を引用しておきます。
「あの本は、あまり深く調べないで書いてしまったので、良心が痛んでいるんですよ」
「現地には一度しか行っていません。バアさんと一緒に一週間。バアさんはホテルに残して観光に行かせて、私は取材に回って」
石川清さんは、現地に何度も行って調査を行い、その結果得られた事実と、著者による推測をきちんと弁別して著述されています。そういう、読者に対して真摯な著作に対して「粗雑なノンフィクション」という評を投げつけるのであれば、筑波昭さんが書いたこの本は「創作と捏造にまみれた駄本」ということになるのでしょう。しかし私は、この本が津山事件を世の中に知らしめた功績を高く評価し、その分で☆2つを追加します。私自身が津山事件に興味を持ったきっかけの一つもこの本でした。そういった、「歴史的に津山事件がどう扱われてきたか」を知る意味では、この本を読む意味があると思います。
ただし、ご自分が創作した内容も含めてノンフィクションであるかのような体で出版されたことについては、創作部分も含めてこの本に書かれていることがすべて「事実」であるかのように世間で扱われてしまっている現状を考えると、許されざることであると考えます。
私は「事件関係ブログ」というブログでこの「津山三十人殺し=津山事件」について調べ、その結果を発表しています。この本の著者である筑波昭さんにも直接お会いしてインタビューもしました。また、この本の元になった司法省刑事局編『津山事件報告書』も閲覧・確認しました。それらの調査結果から、この本の多くの部分に、著者である筑波昭さんの創作が混入している可能性が高いと考えています。
具体的には、犯人である都井睦雄の作品とされる「雄図海王丸」、中学進学に際しての教師やおばやんとの会話、阿部定関係、「内山寿」、このあたりはほぼ筑波氏の創作で間違いないと考えます。個別の事例を本レビューの中で論証するのは字数的に難しいので割愛させていただきますが、私がインタビューした際の筑波さんの言葉を引用しておきます。
「あの本は、あまり深く調べないで書いてしまったので、良心が痛んでいるんですよ」
「現地には一度しか行っていません。バアさんと一緒に一週間。バアさんはホテルに残して観光に行かせて、私は取材に回って」
石川清さんは、現地に何度も行って調査を行い、その結果得られた事実と、著者による推測をきちんと弁別して著述されています。そういう、読者に対して真摯な著作に対して「粗雑なノンフィクション」という評を投げつけるのであれば、筑波昭さんが書いたこの本は「創作と捏造にまみれた駄本」ということになるのでしょう。しかし私は、この本が津山事件を世の中に知らしめた功績を高く評価し、その分で☆2つを追加します。私自身が津山事件に興味を持ったきっかけの一つもこの本でした。そういった、「歴史的に津山事件がどう扱われてきたか」を知る意味では、この本を読む意味があると思います。
ただし、ご自分が創作した内容も含めてノンフィクションであるかのような体で出版されたことについては、創作部分も含めてこの本に書かれていることがすべて「事実」であるかのように世間で扱われてしまっている現状を考えると、許されざることであると考えます。
2009年1月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分の生まれ故郷はこの事件の現場から車で1時間ほどの岡山県北のいわゆる「寒村」である。津山三十人殺しは昭和44年生まれの私にとって、いつ初めて耳にした事件だったか…もう覚えていないがずいぶん昔から知っていたような気がする。自分がこの本を手にしたのは、地元に伝わる誰にとっても触れられたくない過去の事件の知識を得ておきたかったから。現代から数えると70年前の事件の記録。よくここまで調べたものだ。そしてここから得た事件に対する「現実」は非常に後味の悪いものだった。しかし、この事件の犯人に対してはなんのシンパシーも感じない。やはり彼は特異な異常人格者だったのだろう。彼の殺人動機には、百歩譲っても普遍性を感じなかいし、三十人もの殺人を躊躇なく完遂できる人格は、もはや人格とは呼べないだろう。彼の存在が、苫田郡西加茂村行重貝尾という小部落を、後世の人々の記憶にまで留める忌まわしい事件の舞台としてしまったのは確かだ。非常に酸鼻を極める事件であり、亡くなった方々の冥福を祈りたい。
2008年3月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
実話。だからこそ本気で怖い。「たすけてくれぇぇ」って叫んだのもホントなら腸がでた、首が飛んだ、などもホントの話。何も知らずにこの本に出会いびびりながらも最後まで読み進めてしまいました。こんな本に出会ったのは初めてかも。闇の黒、性のピンク、血みどろの赤、岡山山間部の緑、、さまざまな色が交錯してなんともいえない色を醸しだしています。さらにその社会状況にも触れているので(阿部定事件、間引き、夜這いetc)余計にリアル。淡々とそれに触れその背景がわかりやすいように資料を持ち出してきた筆者はスゴイと私は思います。
2013年8月13日に日本でレビュー済み
私もこの本を読み終えた後、Impromptuさんのレビューにある
「この本の多くの部分に、著者である筑波昭さんの創作が混入している可能性が高いと考えています」という意見と全く同じ見解を持った。
そもそも私がこの本を読もうとしたきっかけは、T.カポーティの「 冷血 」にあった。
「冷血」では、アメリカの閑静な一地方で起きた凄惨な殺人事件について
“ノンフィクション・ノヴェル”という手法により迫ることで
人間誰もがもつ心の奥底に潜む闇の性情が、種々の要因が重なってしまうことで、
ほんのささいなきっかけによって暴発的な犯意が誘発され、
非情で悲惨な犯罪へと表出する過程が描写されていた。
つまり、冷血の手法を、日本人の事件に当てはめ、日本人の心情に写し取ることで、
動かし難い人間の負のドス黒い心情というものが、日本に生きる私たちの身近にも存在するということを
否が応でも突き付けてくれることを期待していたのだが…
この事件は冷血の事件と異なり犯人の自殺により公判が開かれておらず、
また、著者の取材も犯行から数十年経過した後のものである。
そこから類推するに、ほんの少し残されたこの事件についての資料に、
当時起こった全く別のエピソードや著者の興味本位による創造が切り貼りされていると考えるほうが腑に落ちる。
逆にこの本の記述をすべてリアルに捉えてしまうと、ともすればこの事件を遠い時代の話として受け止めてしまい、
今の私たちの生活圏に、この事件の犯人と同じ性情を抱いている人間がウヨウヨいるという事実を想像できないのではと考えてしまう。
つまりこの事件を、当時の日本の陰鬱で閉鎖的な貧しい山村において、
一人の特異な人間によって起こされたというように「特殊化」するのは、本質を見誤った発想だということだ。
私は犯人が犯行前にゲートルをきちんと巻くなどの身支度を整えていく部分の記述に注目する。
犯行が起こった昭和13年は、日本と中国との戦闘が泥沼化したころ。
つまり、当時の中国大陸では、都井と同じようにゲートルを巻きながら戦意(殺意)を高め、
中国との戦闘に当たっていた日本人はそれこそ数えきれないほどいたはずで、
都井だけが特別に狂気だったという単純な話ではないのではないか。
ちなみに、火野葦平の 麦と兵隊 が発表されたのは、この事件が起こったのと同じ昭和13年。
麦と兵隊を読めば、この事件と同時代に、30人どころかもっと多くの中国人を殺していた日本人がいたと考えるのが自然だと思う。
だから、この本が「冷血」のように普遍性にまで迫りきれていないのが残念でならない。
両親を早くに亡くした後の祖母の溺愛や、都井個人の病歴や性愛遍歴などの特殊事情の影響ももちろんあるだろうけど、
都井の個人的な資質にのみ犯行原因を集約させるのではなく、
当時の日本人には、戦争などの時代背景によって、このような狂気が“誰もに”少なからずあって、
都井は何かのきっかけでそれが暴発したのだということ、
そして、戦争状態ではないものの、超競争社会という、ある意味似たような状況下を生きる
現代の私たちも含めて、その暴発を常に抑えてコントロールしていないと
とんでもない結果を誘発する危険を“誰もが”持っているのだ、ということを肝に銘じておくべきだ。
「この本の多くの部分に、著者である筑波昭さんの創作が混入している可能性が高いと考えています」という意見と全く同じ見解を持った。
そもそも私がこの本を読もうとしたきっかけは、T.カポーティの「 冷血 」にあった。
「冷血」では、アメリカの閑静な一地方で起きた凄惨な殺人事件について
“ノンフィクション・ノヴェル”という手法により迫ることで
人間誰もがもつ心の奥底に潜む闇の性情が、種々の要因が重なってしまうことで、
ほんのささいなきっかけによって暴発的な犯意が誘発され、
非情で悲惨な犯罪へと表出する過程が描写されていた。
つまり、冷血の手法を、日本人の事件に当てはめ、日本人の心情に写し取ることで、
動かし難い人間の負のドス黒い心情というものが、日本に生きる私たちの身近にも存在するということを
否が応でも突き付けてくれることを期待していたのだが…
この事件は冷血の事件と異なり犯人の自殺により公判が開かれておらず、
また、著者の取材も犯行から数十年経過した後のものである。
そこから類推するに、ほんの少し残されたこの事件についての資料に、
当時起こった全く別のエピソードや著者の興味本位による創造が切り貼りされていると考えるほうが腑に落ちる。
逆にこの本の記述をすべてリアルに捉えてしまうと、ともすればこの事件を遠い時代の話として受け止めてしまい、
今の私たちの生活圏に、この事件の犯人と同じ性情を抱いている人間がウヨウヨいるという事実を想像できないのではと考えてしまう。
つまりこの事件を、当時の日本の陰鬱で閉鎖的な貧しい山村において、
一人の特異な人間によって起こされたというように「特殊化」するのは、本質を見誤った発想だということだ。
私は犯人が犯行前にゲートルをきちんと巻くなどの身支度を整えていく部分の記述に注目する。
犯行が起こった昭和13年は、日本と中国との戦闘が泥沼化したころ。
つまり、当時の中国大陸では、都井と同じようにゲートルを巻きながら戦意(殺意)を高め、
中国との戦闘に当たっていた日本人はそれこそ数えきれないほどいたはずで、
都井だけが特別に狂気だったという単純な話ではないのではないか。
ちなみに、火野葦平の 麦と兵隊 が発表されたのは、この事件が起こったのと同じ昭和13年。
麦と兵隊を読めば、この事件と同時代に、30人どころかもっと多くの中国人を殺していた日本人がいたと考えるのが自然だと思う。
だから、この本が「冷血」のように普遍性にまで迫りきれていないのが残念でならない。
両親を早くに亡くした後の祖母の溺愛や、都井個人の病歴や性愛遍歴などの特殊事情の影響ももちろんあるだろうけど、
都井の個人的な資質にのみ犯行原因を集約させるのではなく、
当時の日本人には、戦争などの時代背景によって、このような狂気が“誰もに”少なからずあって、
都井は何かのきっかけでそれが暴発したのだということ、
そして、戦争状態ではないものの、超競争社会という、ある意味似たような状況下を生きる
現代の私たちも含めて、その暴発を常に抑えてコントロールしていないと
とんでもない結果を誘発する危険を“誰もが”持っているのだ、ということを肝に銘じておくべきだ。
2012年1月8日に日本でレビュー済み
現在新潮文庫から刊行されている筑波氏による「津山三十人殺し」は、この草思社版を加筆・修正したものです。新潮版ではこの草思社版にある事件を伝える合同新聞紙面の写真など、若干の写真が削除されています。
読みやすさでいえば平成になってから刊行された新潮版でしょうが、昭和の時代に刊行されたこの草思社版の方が、活字体やレイアウトなどから、題材になっている事件・事件の起きた時代の空気をよく伝えている気がします。
事件当時の調書などをもとに、できるだけ客観的・私見を排したと思われる構成で淡々と事件を説明していく。どのように感じるか、何を考えるかは、読んだ人の判断に任せられる書物です。万人に勧められる書物ではないでしょうが、人によっては非常に感じるところ・思うところ・考えるところのある、有益な書物となるでしょう。
津山事件が起きて74年が経ちました。世の中も大きく変わりました。しかし日本人の本質は事件当時となんら変わっていません。この本からは、それを痛感させられました。
好き嫌いはそれぞれあると思いますが、草思社版・新潮版の二冊を、ほとんど同じものと知らずに二冊購入してしまわないように注意して下さい。
読みやすさでいえば平成になってから刊行された新潮版でしょうが、昭和の時代に刊行されたこの草思社版の方が、活字体やレイアウトなどから、題材になっている事件・事件の起きた時代の空気をよく伝えている気がします。
事件当時の調書などをもとに、できるだけ客観的・私見を排したと思われる構成で淡々と事件を説明していく。どのように感じるか、何を考えるかは、読んだ人の判断に任せられる書物です。万人に勧められる書物ではないでしょうが、人によっては非常に感じるところ・思うところ・考えるところのある、有益な書物となるでしょう。
津山事件が起きて74年が経ちました。世の中も大きく変わりました。しかし日本人の本質は事件当時となんら変わっていません。この本からは、それを痛感させられました。
好き嫌いはそれぞれあると思いますが、草思社版・新潮版の二冊を、ほとんど同じものと知らずに二冊購入してしまわないように注意して下さい。
2003年4月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昭和初期、岡山県の津山地方で実際に起きた大量殺人事件のドキュメンタリー本。村の秀才青年が、村人を30人も殺しまくる。なぜ青年がこの凶行に至ったかを、元新聞記者の筆者が当時の新聞、公判記録、関係者の証言をもって迫る。「バトロワ」なんか目じゃない!真の(本当に真の)人が人を殺す理由がここにはつづられている。まさに事実は小説より奇なりだ。
2012年6月7日に日本でレビュー済み
津山事件に関するバイブル的地位を確立してしまった1冊。
読み物としてはよく書けているのは、他の皆さんのレビューの通り。他の関連書籍やウェブサイトでも多く引用されている。
しかし、近年の検証では、内容には著者による創作がかなり含まれていることが判明している。
著者自身、近年になって「よく調べないで書いてしまった」と認めているのである。
読み手としては、これをノンフィクションとして鵜呑みに出来ないことに注意すべきである。
もちろん、世間一般にこの事件への関心を集めたという功績は大きいところであるが、
ノンフィクションとしては残念ながら星1つである。
読み物としてはよく書けているのは、他の皆さんのレビューの通り。他の関連書籍やウェブサイトでも多く引用されている。
しかし、近年の検証では、内容には著者による創作がかなり含まれていることが判明している。
著者自身、近年になって「よく調べないで書いてしまった」と認めているのである。
読み手としては、これをノンフィクションとして鵜呑みに出来ないことに注意すべきである。
もちろん、世間一般にこの事件への関心を集めたという功績は大きいところであるが、
ノンフィクションとしては残念ながら星1つである。