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金属バット殺人事件 単行本 – 1984/11/1
佐瀬 稔
(著)
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幸福な家庭の「よい子」がなぜ?昭和55年、川崎市で起きた二浪生による両親殴殺事件の謎を探り、現代っ子の意識に潜む狂気を暴く。推理作家協会評論賞受賞。
- 本の長さ230ページ
- 言語日本語
- 出版社草思社
- 発売日1984/11/1
- ISBN-104794202067
- ISBN-13978-4794202062
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登録情報
- 出版社 : 草思社 (1984/11/1)
- 発売日 : 1984/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 230ページ
- ISBN-10 : 4794202067
- ISBN-13 : 978-4794202062
- Amazon 売れ筋ランキング: - 278,775位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,040位社会病理
- - 54,543位ノンフィクション (本)
- - 80,405位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年9月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
両親を金属バットで撲殺した有名進学校の生徒の心の内を知りたいと思い購入しました。ご当人の気持ちが80%くらい書き込まれていると思いました。
2018年2月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とにかく、作者の力量不足が否めない作品。内容が抽象的で具体性に欠けるのでインパクトが弱い。
もっとシャープに切り込んで欲しかった。
特に、両親のバックボーンなどはもっと具体的に表現すべき。
もっとシャープに切り込んで欲しかった。
特に、両親のバックボーンなどはもっと具体的に表現すべき。
2005年7月29日に日本でレビュー済み
受験を控えた家庭
その中の浪人で行き詰まり
初めての挫折を味わう優等生の次男
父は順調にエリートコースを歩んでいたが
不況の到来により
家庭の中の雰囲気が悪くなる。
母はそんな中でも明るく振る舞おうとする
しかし
次男は父母を金属バットで殴り殺す。
その翌日隠蔽工作をするも
夕方には面倒になり
自白。
今ではありふれた
(昔からあったけど隠されていた?)
事件の走り。
自分の思春期を思い出しても
あまり差がないので
薄ら寒くなるね。
その中の浪人で行き詰まり
初めての挫折を味わう優等生の次男
父は順調にエリートコースを歩んでいたが
不況の到来により
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しかし
次男は父母を金属バットで殴り殺す。
その翌日隠蔽工作をするも
夕方には面倒になり
自白。
今ではありふれた
(昔からあったけど隠されていた?)
事件の走り。
自分の思春期を思い出しても
あまり差がないので
薄ら寒くなるね。
2022年3月22日に日本でレビュー済み
二十五年ほど前にこの本を読み、衝撃を受けました。少年と同世代の私と、この少年との違いはなんだろう?そんな思いにさせられ、当時、それまで少年のことをモンスターのような人物だと思っていたことの間違いに気づかされました。その後、コンクリート殺人など少年たちの犯罪が取り上げられた本を読んでいくきっかけになりました。
最近思うことがあって、読み直してみました。二十五年前に読んだときには不安(この国の若者は、どんどんわけのわからない人間になっていく)を感じたけれど、現在ならもっと少年の心に寄り添った分析ができるのではないか、という感想を持ちました。誰も自分を育ててくれた親の頭を金属バットで割りたいなんて思わないでしょう。それだけ少年は追い詰められ、心の中に抑圧された怒りや悲しみを、これまで表出されることなく抱えていたのだと思います。直接的は、カードから小遣いを引き出していたことがばれたことや、二浪しても頑張れない息子への厳しい叱責、そして「出て行け」という言葉だったと思います。しかし根深いところでは、それまで両親の期待に応えようとしてきた彼の苦しみを誰も理解してくれなかったこと、その上苦しんでいる彼に下された言葉は、人間として失格であるというようなこと、だから完全に見捨てられ世界が崩壊したように感じたのではないかと思います。人間的に未熟で幼い少年は酒を大量に飲んだことも手伝って、怒りにまかせて両親を殺害してしまいました。私は、小さな子どもが自分に振り向いてくれない母親に「おかあさんのバカ!」と言って母を叩いて泣き叫んでいる姿と重なって見えました。
自分の本心を言葉にできない、心の中に言葉があるのではなく、なにかもやもやがありその正体を言語化できない幼さ。それは、本人の特性もあるだろうけど、小さな頃から過保護過干渉で、言葉を奪われてきたのではないかと思います。そして、理想的な家族の理想的な息子を演じさせられ、自分の感情でものを考えたり話したりできなかった結果ではないかと思います。
彼は、一度、家出に失敗しています。そこから彼のふぬけな状態に拍車がかかっています。誰も、その時の彼の心の奥にあるものを見ようとしなかったのではないでしょうか。虚しさ。彼の心は虚しさに支配されていたのではないでしょうか。
今になって、この著作の足りない面を言えるのは当前です。
でも、二十五年前に、モンスターにもあたりまえの人間の心があり、それは彼自身の責任だけではないと、気づかさせてくれたこの本に敬意を表したいと思います。
ところで、相模原の殺傷事件を起こした容疑者の心も現在いろんな機関で、究明されていることだと思います。
私は、彼の場合も親から見捨てられたことに対する復讐心が、彼を狂気に走らせたのではないかと考えています。
やったことは許されることではありません。
しかし、犯罪者になってしまう過程を究明しなければ、犯罪はなくなりません。
最近思うことがあって、読み直してみました。二十五年前に読んだときには不安(この国の若者は、どんどんわけのわからない人間になっていく)を感じたけれど、現在ならもっと少年の心に寄り添った分析ができるのではないか、という感想を持ちました。誰も自分を育ててくれた親の頭を金属バットで割りたいなんて思わないでしょう。それだけ少年は追い詰められ、心の中に抑圧された怒りや悲しみを、これまで表出されることなく抱えていたのだと思います。直接的は、カードから小遣いを引き出していたことがばれたことや、二浪しても頑張れない息子への厳しい叱責、そして「出て行け」という言葉だったと思います。しかし根深いところでは、それまで両親の期待に応えようとしてきた彼の苦しみを誰も理解してくれなかったこと、その上苦しんでいる彼に下された言葉は、人間として失格であるというようなこと、だから完全に見捨てられ世界が崩壊したように感じたのではないかと思います。人間的に未熟で幼い少年は酒を大量に飲んだことも手伝って、怒りにまかせて両親を殺害してしまいました。私は、小さな子どもが自分に振り向いてくれない母親に「おかあさんのバカ!」と言って母を叩いて泣き叫んでいる姿と重なって見えました。
自分の本心を言葉にできない、心の中に言葉があるのではなく、なにかもやもやがありその正体を言語化できない幼さ。それは、本人の特性もあるだろうけど、小さな頃から過保護過干渉で、言葉を奪われてきたのではないかと思います。そして、理想的な家族の理想的な息子を演じさせられ、自分の感情でものを考えたり話したりできなかった結果ではないかと思います。
彼は、一度、家出に失敗しています。そこから彼のふぬけな状態に拍車がかかっています。誰も、その時の彼の心の奥にあるものを見ようとしなかったのではないでしょうか。虚しさ。彼の心は虚しさに支配されていたのではないでしょうか。
今になって、この著作の足りない面を言えるのは当前です。
でも、二十五年前に、モンスターにもあたりまえの人間の心があり、それは彼自身の責任だけではないと、気づかさせてくれたこの本に敬意を表したいと思います。
ところで、相模原の殺傷事件を起こした容疑者の心も現在いろんな機関で、究明されていることだと思います。
私は、彼の場合も親から見捨てられたことに対する復讐心が、彼を狂気に走らせたのではないかと考えています。
やったことは許されることではありません。
しかし、犯罪者になってしまう過程を究明しなければ、犯罪はなくなりません。