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レクサスとオリーブの木 上: グローバリゼーションの正体 単行本 – 2000/2/1
- 本の長さ290ページ
- 言語日本語
- 出版社草思社
- 発売日2000/2/1
- ISBN-104794209460
- ISBN-13978-4794209467
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
傲慢きわまりない書物である。「ニューヨーク・タイムズ」のトップコラムニストが、世界を席巻するグローバリゼーションと地域の伝統文化との対立を分析し、解決のための処方箋までを提示したとの触れ込みだが、本書の内容をそのまま受け入れることのできる日本人がいるとすれば、よほど恵まれた立場にいるか、でなければ軽薄なアメリカかぶれのどちらかだろう。
何しろ著者は、こんなことを平気で書くのである。〈今や世界の指導者たちはみな、知事のような考え方をしなければならない。(中略)このグローバル時代の傑出した政治指導者が、知事の中の知事であるアメリカ合衆国の統治者、ウィリアム・ジェファーソン・クリントンなのだ〉。
マクドナルドがチェーンを展開している国同士は戦争をしないという。それだけの経済力を持てるようになれば、むしろハンバーガーを求めて行列に並ぶ方を選ぶのだという指摘は、確かに一面の真実ではあるかもしれない。が、人間とはそれだけの存在ではないはずなのだ。
伝統文化の重要性を、もちろん著者は忘れていない。市場競争に勝ち残ったからといって、どこに行っても、レストランと言えば「タコベル」しか選択の余地がないような世界はご免だと言い、一流選手が揃っているのにマイケル・ジョーダンがすべてを獲ってしまう(Winner Take All)米プロバスケットボール(NBA)のシカゴ・ブルズこそ現代世界の縮図と嘆きもする。
が、それらはあくまでも"王様の優しさ"、あるいは異国情緒を楽しむ観光客の目線でしかない。
本書によれば、未来の世界は何もかもアメリカの価値観に覆われることになる。中産階級がいくら抵抗したところで、富のほとんどを支配する上層と、そのおこぼれにあずかろうとする下層の利害は一致しているとでも言いたげな差別意識丸出しの記述には、正直言って腹が立った。市場はあくまで方便であって、普遍の真理などではないのに。
〈世界を旅して、費用は請求したい放題、ノルマは週一回のコラム執筆〉。著者のそんな境遇から起こした本書の書評が最近の「朝日新聞」に掲載されていて、妙な書き方をすると思っていたのだ。実際に読んでみて、評者の気持ちがよくわかった。
だがそれでも、いやそれだからこそ、日本のビジネスマンは本書を読んでおく必要がある。これが、アメリカだ。本書の結論から、ほんの少し外れたところに、きっと真実があるに違いない。
(ジャーナリスト 斎藤 貴男)
(日経ビジネス2000/3/20号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)
-- 日経ビジネス
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 草思社 (2000/2/1)
- 発売日 : 2000/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 290ページ
- ISBN-10 : 4794209460
- ISBN-13 : 978-4794209467
- Amazon 売れ筋ランキング: - 248,766位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 48位経済事情(一般)関連書籍
- - 1,052位国際政治情勢
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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ジャーナリスティックな事例を中心に読み物風にまとめているので、面白いですし、
枠組みもきちんと示されている本だと思います。
手垢のついた概念を、なるほど、そいうことなのね、という風に理解したい方向きです。
微妙にグローバリゼーションの負の部分を反省したりして見せるのですが、
著者の立場としては、グローバリゼーションとは
○アメリカがこの中心であり、不可避の現象であり、
○かつ物質的に豊かになるから良いことであり、
○反対する奴も所詮恩恵に蒙っているのだから文句を言う奴は卑怯であり、
○これからもアメリカががんばって欲しい、
というまとめ方になっています。
やっぱりアメリカ人って「面白いし、色々ものも知っていて、明るくてハンサムで、
正義感も強いんだけど、やっぱりちょっと独善的で、時々乱暴するし」っていう感じ
のどちらかといわれると、まあ「友人」と答えてしまう奴なんだなー、というを思い
を新たにしました。
グローバリゼーションという言葉が好きなヒトにも嫌いなヒトにも、考える材料
を提供してくれると思います(煮え切らないまとめ方だな。。。。)
ニューヨーク・タイムズの外交担当記者が、通商・経済外交という視点を有し、さらに技術革新の視点(半導体の進化やコンピューター、インターネットへの感覚)、あるいは金融の視点(伝統的なバンキングからヘッジファンドやインターネット投資などへの大きなマネー潮流の変化)を理解し、多層的な視座を持つに至ったのには敬服します。この時点でこれだけの視野を持ちうるのは、きわめて稀有なことだったでしょう。
フリードマン氏の立論に同意するにせよ、反対するにせよ、今日のグローバリゼーションを理解するには格好の書です。絶対のおすすめです。
思わせてくれる楽天性。2000年ぐらいに読めば、もう少し説得力あったのだが、
2009年に読むのはちょっと苦しい。
堅苦しい本でないのはいいところ。
インターネットで一気に拡張されたと漠然と感じていたグローバリゼーションと、その中での日本や自分の位置というのがわかる。
本書ではグローバリゼーション時代の国家の経済成長の原理原則を「黄金の拘束服」と表しているが、この要件に当たるものは政党にかかわらず共通であって、政権が変わっても変わることはない。従って政党の政策上の違いなどは、ペプシかコカコーラの違いに過ぎないのだ、と言い切るあたりは痛快な切れ味で、読んでいた楽しい。
ただ全体的には、東西二極化体制がなくなった現在、アメリカのみが、このグローバルなシステムを具現化して、世界を牽引できているのだと言及する場面が不愉快だ。「歴史はアメリカを選んだ」とは何たるおごりであろうか。
こういう考え方は単なる妬み、負け犬の遠吠えなのかもしれない。しかし、歴史の中では最後に登場して自分で作ったゲームのルールを先輩に強要して、テラ銭を巻き上げるようにしか思えない人も多いのではないかと思う。この辺りはグローバル化の脅威としてちゃんと分析されているところが、また腹立たしい。さらに、グローバルな流れをグローバルなものとして意識して取り込むことで、各国や各人の文化的アイデンティティを失わないことが重要だと、オリーブの木を尊重して保護すべきであることの主張も怠りない。こういう抜け目なさの無さも鼻についてしまう。
重要で避けられないテーマの内容である。読みやすく、反論を含めて色々と考えさせられる本だ。
インターネットという「第二の黒船」の意味を正しく知って、心の開国をする時期なのかもしれない。
本書オリジナルがリリースされたのが1999年で、あの事件はまだ、もちろん金融恐慌もまだ、黒人大統領もまだ、で、著者は10年後にあの「フラット化」を書かざるを得なかった。
ダイナミックな変化の最先端にあるものを「レクサス」にたとえ、不変のものを「オリーブの木」にたとえ、両者を併存させる道を模索し、提言する(訳者解説)のが本書である。で、著者はこの両者のバランスの取れている国はアメリカ以外にはない!と言っている。
2013年にこの本を読むと、すでに起こってしまったことの再読なので、速読の練習本に使える!って感じで、相当程度のスピード感を持って読み進めることができる。
あのテロを予測するようなコメントがなきにしもあらずだけど、こと経済面に関しては、日本を相当低く見ているので、現在のクールジャパンの状況まではこのユダヤ人には予想がつかなかったようではある。