「事実を知ることが、世界を変える大切な一歩です」
そんな帯のメッセージがこの著者が最も伝えたかったことである。
「私は、これらの50の事実が世界を変えると確信している」とも。
全体的な論調はリベラルである。また、反グローバリズムの色調も濃い。
そもそもこういう発想の著作はリベラル派しか考えないような気もするが。
「はじめに」にある次の言葉を読めば著者の立場はほぼ理解できるのではないか。
「世界を取り巻く問題の多くは、富める先進国と貧しい途上国との、醜い不平等に起因している」「これまで富裕国は、途上国に高い障壁を課して自国の経済を下支えし、グローバリゼーションをさらなる搾取の手段にしてきた。企業も、貧困国の安価な労働力や資源を使ってますます利益を上げてきた」
「日本女性の平均年齢は・・・」「肥満の人の・・・」「タイガー・ウッズが・・・」といった先進国と途上国の格差に起因する問題を扱った章もあれば、「先進国で最も妊娠率が高い・・・」「英国のスーパーマーケット・・・」「アメリカ人の3人に1人は・・・」といった先進国の問題を扱った章があると思えば、「ケニアでは家計の・・・」「毎年、200万人の・・・」のような途上国の問題を扱った章もありバランスを取っている。
先進国といっても大半がアングロサクソン(さらに踏み込んでいえばほとんどがアメリカ)への批判というところは少し気になるが。テーマの扱いにはあきらかに著者の立場が反映されているが、それぞれの内容は事実に基づいた客観的な記述に徹底しているため、参考になるところも多かった。
私個人として最も気に入った章は「ブラジルには軍人よりも化粧品の訪問販売員のほうがたくさんいる」である。中産階級の発展とともに需要の増大した、グローバリズムの典型ともいえる外国の化粧品会社の商品をジャングルの奥深くまで訪問して販売する。ブラジルの女性が困難な状況の中での社会的経済的自立への工夫と熱意はグローバリズムの進展する世界の中においても状況切り開いていく人間のたくましさと未来への希望を感じさせるエピソードと感じた。
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世界を見る目が変わる50の事実 単行本 – 2005/4/22
ジェシカ・ウィリアムズ
(著),
酒井 泰介
(著)
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なぜ肥満の三人に一人が発展途上国に住んでいるのか? 具体的な数字から現れる意外な事実、その背景には驚くべき物語が! 世界のほんとうの姿が見えてくる書。
- 本の長さ269ページ
- 言語日本語
- 出版社草思社
- 発売日2005/4/22
- ISBN-104794214049
- ISBN-13978-4794214041
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商品の説明
著者からのコメント
世界を変えようとするのは、きわめてむずかしい。
何より、一片の情報にすぎない事実に、
そんなことができるとは考えにくい。
けれども私は、本書で述べる50の事実のいずれもが、
人々の意識を変えると固く信じている。
そしてそれこそ、世界を変えるために、最も大切な一歩だ。
——ジェシカ・ウィリアムズ(英国BBCジャーナリスト)
出版社からのコメント
肥満といえば、食料の豊かな先進国に多いように思われがちですが、実は、肥満の3人に1人は発展途上国にいる
・先進国の国民が年間に食べる食品添加物は7キロに達する
・世界の5人に1人が一日1ドル以下で暮らしている一方で、EUの牛は一頭につき一日2.5ドルの助成金をもらっていて、実は日本の牛はもっともらっているらしい
……等々、にわかには信じがたい意外な事実を、具体的な数字とともに集めたのが本書です。それら事実の背景には、さらに驚くべき物語が! 身近な話題から遠い国の事情まであるけれど、50の事実を読み終える頃には、世界はこんな風につながっているんだと実感できるはず。そしてきっと少し、世界の見方が変わっているはずです。
新聞にテレビにインターネット。情報はあふれているようでいて見えていないことがたくさんあります。私たちがどんな世界に暮らしているのか、ぜひ驚き、感じて下さい。
・先進国の国民が年間に食べる食品添加物は7キロに達する
・世界の5人に1人が一日1ドル以下で暮らしている一方で、EUの牛は一頭につき一日2.5ドルの助成金をもらっていて、実は日本の牛はもっともらっているらしい
……等々、にわかには信じがたい意外な事実を、具体的な数字とともに集めたのが本書です。それら事実の背景には、さらに驚くべき物語が! 身近な話題から遠い国の事情まであるけれど、50の事実を読み終える頃には、世界はこんな風につながっているんだと実感できるはず。そしてきっと少し、世界の見方が変わっているはずです。
新聞にテレビにインターネット。情報はあふれているようでいて見えていないことがたくさんあります。私たちがどんな世界に暮らしているのか、ぜひ驚き、感じて下さい。
登録情報
- 出版社 : 草思社 (2005/4/22)
- 発売日 : 2005/4/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 269ページ
- ISBN-10 : 4794214049
- ISBN-13 : 978-4794214041
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,080,782位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 857位地域研究
- - 20,686位社会学概論
- - 97,483位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とてもいい商品です・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(*'∀`)ノ
2015年10月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大学の英語の講義でこれの英語版が使用されていたので、訳の宿題等で活用するため購入、本当に大変役に立ちました。感謝感激です。
ただ、内容はしょーもないの一言。そもそも興味が無きゃ退屈極まりない話題ばかりですが、内容自体が眉唾だったり耳タコだったりして何かを学べるような気がまるでしない。
これはしょうがないことですが、出てから時間も経過していますのでデータも古いことがままあります。
無理して褒められる点を挙げるとすれば、いわゆるクリティカルシンキングの練習にはなるという事ぐらいでした。
あとすでに取り上げられていますが所詮はヘタな訳本ですので日本語があまりこなれていない。
とにかく読み物としては、ネットのニュースでも読んでた方がいいんじゃないかって程度のクオリティです。
結論
学参としては☆5、読み物としては☆1
総合して☆3ということで。
ただ、内容はしょーもないの一言。そもそも興味が無きゃ退屈極まりない話題ばかりですが、内容自体が眉唾だったり耳タコだったりして何かを学べるような気がまるでしない。
これはしょうがないことですが、出てから時間も経過していますのでデータも古いことがままあります。
無理して褒められる点を挙げるとすれば、いわゆるクリティカルシンキングの練習にはなるという事ぐらいでした。
あとすでに取り上げられていますが所詮はヘタな訳本ですので日本語があまりこなれていない。
とにかく読み物としては、ネットのニュースでも読んでた方がいいんじゃないかって程度のクオリティです。
結論
学参としては☆5、読み物としては☆1
総合して☆3ということで。
2005年6月18日に日本でレビュー済み
世界にはまだ奴隷が○人、拷問が行われる国は○カ国以上、
アメリカ人の○人に一人はエイリアンの地球訪問を信じる・・・。
面白くないこともないですが、50のトピックのうち
どこかでモトネタ聞いたような話が大半。聞く人が腰をぬかす
ようないわゆる「飲み屋ネタ」はありません。
まあお暇ならどうぞ、という程度の出来です。
アメリカ人の○人に一人はエイリアンの地球訪問を信じる・・・。
面白くないこともないですが、50のトピックのうち
どこかでモトネタ聞いたような話が大半。聞く人が腰をぬかす
ようないわゆる「飲み屋ネタ」はありません。
まあお暇ならどうぞ、という程度の出来です。
2014年9月13日に日本でレビュー済み
内容は玉石混合だが、読みやすい。
ブラジルの化粧員の数のすごさ、有史以来車の交通事故で死んだ数は2500万人にのぼるといったソフトな内容から、
世界で3人に一人は戦時下に暮らしている、戦争による死者よりも自殺による死者の方が多い等ハードな話も。
「50の事実」といっているが、それほどでもないネタもあるので、そんなに多くは感じなかった。
以下の3つは考えさせられた。
1、若年労働は無くすべきである。しかし、そんな労働が家族を支えている現状もある。
下記のような発言があるように、若者に教育を受けさせ、将来稼げるんだという意識を育てなくてはいけない。
「アメリカ人は私達が嫌いなんだね。私達が貧しくて教育も受けていないから、馬鹿にしてるんです。だから工場を潰したんだ」
2、それまでダイエットをすることなど文化的にありえなかったフィジーで、
アメリカドラマの影響で4分の3が自分は太りすぎると考え、無駄なダイエットをおこなっている。
3、アメリカでは徹底的に薬物を取り締まっているにもかかわらず、大麻を吸ったことがある人間は37%。
大麻がコーヒーショップでかえるオランダでは16%。この違いは、麻薬を禁止するのではなく、
害を軽減する事を第一とし、害が低い大麻とハードドラックを分け、また若者から大麻への興味を失うことに成功している。
ブラジルの化粧員の数のすごさ、有史以来車の交通事故で死んだ数は2500万人にのぼるといったソフトな内容から、
世界で3人に一人は戦時下に暮らしている、戦争による死者よりも自殺による死者の方が多い等ハードな話も。
「50の事実」といっているが、それほどでもないネタもあるので、そんなに多くは感じなかった。
以下の3つは考えさせられた。
1、若年労働は無くすべきである。しかし、そんな労働が家族を支えている現状もある。
下記のような発言があるように、若者に教育を受けさせ、将来稼げるんだという意識を育てなくてはいけない。
「アメリカ人は私達が嫌いなんだね。私達が貧しくて教育も受けていないから、馬鹿にしてるんです。だから工場を潰したんだ」
2、それまでダイエットをすることなど文化的にありえなかったフィジーで、
アメリカドラマの影響で4分の3が自分は太りすぎると考え、無駄なダイエットをおこなっている。
3、アメリカでは徹底的に薬物を取り締まっているにもかかわらず、大麻を吸ったことがある人間は37%。
大麻がコーヒーショップでかえるオランダでは16%。この違いは、麻薬を禁止するのではなく、
害を軽減する事を第一とし、害が低い大麻とハードドラックを分け、また若者から大麻への興味を失うことに成功している。
2006年10月22日に日本でレビュー済み
■「知ること」が、世界を変えるためのささやかだけれど大切な一歩。
世界の矛盾の多くは、
富める先進国と貧しい途上国との不平等に起因している。
そんな思いで、紹介されている50の事実。
あとがきで、訳者がこうコメントしています。
「知らない」ということは罪深い。
知らずにすませていることが、声なき人々の細い叫びを聞き逃し、
自らの快適な暮らしの付けを他者に押しつけ、
期せずして他者を収奪する結果を招くことになるからだ。
■私たちが愛用している携帯電話やパソコンを作るために必要な希少原料が、
「アフリカの世界戦争」の火種になっていたとは、
訳者同様、私もつゆ知らず、不明を恥じるばかりです。
・米国の防衛費(約3960億ドル)は、「ならず者国家」の防衛費の33倍
・米国は国連に対し、10億ドル以上の未払い金がある
こんな二つの事実を重ねあせてみると、
なぜ米国の防衛費の一部を国連負担金の未払い処理に回せないのかと、
憤らずにはいられなくなります。
■読み終えると、何かしなければ・・・との思いが内に湧いてきます。
一人でも多く、また子供たちにもぜひ読んで欲しい一冊です。
世界の矛盾の多くは、
富める先進国と貧しい途上国との不平等に起因している。
そんな思いで、紹介されている50の事実。
あとがきで、訳者がこうコメントしています。
「知らない」ということは罪深い。
知らずにすませていることが、声なき人々の細い叫びを聞き逃し、
自らの快適な暮らしの付けを他者に押しつけ、
期せずして他者を収奪する結果を招くことになるからだ。
■私たちが愛用している携帯電話やパソコンを作るために必要な希少原料が、
「アフリカの世界戦争」の火種になっていたとは、
訳者同様、私もつゆ知らず、不明を恥じるばかりです。
・米国の防衛費(約3960億ドル)は、「ならず者国家」の防衛費の33倍
・米国は国連に対し、10億ドル以上の未払い金がある
こんな二つの事実を重ねあせてみると、
なぜ米国の防衛費の一部を国連負担金の未払い処理に回せないのかと、
憤らずにはいられなくなります。
■読み終えると、何かしなければ・・・との思いが内に湧いてきます。
一人でも多く、また子供たちにもぜひ読んで欲しい一冊です。
2008年8月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まー確かに知らないことも多いのだが、いかんせん訳がいかん。こなれていない。原文である英文が想像できてしまう。読んでいて非常につらかった。
作者が「あとがき」に書いているように、この本は「50の事実」を「狭く深くではなくて、広く浅く」を通して全体像を描き出す、という手法を取っているのであり、訳者は「広く浅くにしては事象の集め方のセンスがよい」としているが、50の事実の中にはトリビアに終わるものも多く、全体を通して読み終えてみると未熟な訳もあいまって私には結局何も残らなかった(せめてテーマは絞るべきだった)。
それはなぜかと考えてみるに、確かに統計データは豊富なのだが、それだけが事実を述べる根拠であり、作者の主観的な意見はまったくなく、もしあったとしても専門家などの意見を引用する形で間接的に述べているので論点が希薄になっていることだと思う。
確かにタイトルが「事実」なのだから、あえて自分の意見を述べないで事実だけを伝えるということだとは思うのだが、あまりにも風呂敷を広げすぎて問題提起だけに終わり「じゃ、あんたはそれはどう思ってるの?」と、アクションまで言及されない。肝心な部分で作者の言いたいことが伝わってこなかった。
作者が「あとがき」に書いているように、この本は「50の事実」を「狭く深くではなくて、広く浅く」を通して全体像を描き出す、という手法を取っているのであり、訳者は「広く浅くにしては事象の集め方のセンスがよい」としているが、50の事実の中にはトリビアに終わるものも多く、全体を通して読み終えてみると未熟な訳もあいまって私には結局何も残らなかった(せめてテーマは絞るべきだった)。
それはなぜかと考えてみるに、確かに統計データは豊富なのだが、それだけが事実を述べる根拠であり、作者の主観的な意見はまったくなく、もしあったとしても専門家などの意見を引用する形で間接的に述べているので論点が希薄になっていることだと思う。
確かにタイトルが「事実」なのだから、あえて自分の意見を述べないで事実だけを伝えるということだとは思うのだが、あまりにも風呂敷を広げすぎて問題提起だけに終わり「じゃ、あんたはそれはどう思ってるの?」と、アクションまで言及されない。肝心な部分で作者の言いたいことが伝わってこなかった。
2008年3月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中国では4400万人の女性が行方不明、世界には2700万人の奴隷がいる、などセンセーショナルな表現が目立つが、事実を幾分誇大に表現している感があり、正直アジテーションを受けているという域を出なかった。
しかしながら、参考になる事例が多数あるのも事実である。
→寿命
この200年で人類の平均寿命は倍
ローマ帝国時代の平均寿命はたったの22年
1347年から51年までの黒死病の流行でヨーロッパの人口の4分の1が死亡
60年以内に、日本人の新生女児の平均寿命は100歳を超える
→10代の妊娠
経済的苦境、幼年時代の精神的混乱、学業不振、自分の母親も10代で出産、これらの条件をすべて満たした少女が10代の母親になる確率は40%を超える
→化粧品販売訪問員
ブラジルでは、化粧品会社エイボンが同国に擁するエイボン・レディ(訪問販売員)は70万人
エイボンのような訪問販売の仕事は、自己裁量、自主性の実感、そして自立をもたらしている
→インド
国民の5人に2人が絶望的貧困に暮らす
カースト制度に加えて教育の普及も遅れている
→食品添加物
ごく単純と思われがちバナナ風味やリンゴ風味でさえ、数百種類の化学反応の産物である
本物のイチゴと、数十種類もの化学合成物からできているイチゴ・フレーバーは同じなのだろうか?
→交通事故
交通事故死の70%は発展途上国で発生し、これら使者の65%は歩行者
→違法ドラッグ
世界中で2億人が麻薬を濫用しており、違法ドラッグ市場は年間4000億ドルに達する
しかしながら、参考になる事例が多数あるのも事実である。
→寿命
この200年で人類の平均寿命は倍
ローマ帝国時代の平均寿命はたったの22年
1347年から51年までの黒死病の流行でヨーロッパの人口の4分の1が死亡
60年以内に、日本人の新生女児の平均寿命は100歳を超える
→10代の妊娠
経済的苦境、幼年時代の精神的混乱、学業不振、自分の母親も10代で出産、これらの条件をすべて満たした少女が10代の母親になる確率は40%を超える
→化粧品販売訪問員
ブラジルでは、化粧品会社エイボンが同国に擁するエイボン・レディ(訪問販売員)は70万人
エイボンのような訪問販売の仕事は、自己裁量、自主性の実感、そして自立をもたらしている
→インド
国民の5人に2人が絶望的貧困に暮らす
カースト制度に加えて教育の普及も遅れている
→食品添加物
ごく単純と思われがちバナナ風味やリンゴ風味でさえ、数百種類の化学反応の産物である
本物のイチゴと、数十種類もの化学合成物からできているイチゴ・フレーバーは同じなのだろうか?
→交通事故
交通事故死の70%は発展途上国で発生し、これら使者の65%は歩行者
→違法ドラッグ
世界中で2億人が麻薬を濫用しており、違法ドラッグ市場は年間4000億ドルに達する