手塚治虫さんの傑作漫画「アドルフに告ぐ」のベースになった、「ヒトラーの父・アロイスがユダヤ系商人フランケンベルガーの私生児であったという説」については本書は「歴史家は今のところ否定している」として中立の立場をとっています。
ただ、このヒトラーユダヤ人説がしつこく浮上する理由は、ヒトラー出生の経緯が極めて不透明であること。本書の前半は父アロイスのドロドロの女性遍歴を中心に。もちろんこれが「不透明さ」の所以なのですが。
後半はヒトラーの甥など子孫が中心。ナヌ?ヒトラーの甥は米軍に入ってナチスドイツと戦った?そのヒトラー甥の子孫はいまだにヒトラー姓を名乗ってアメリカに住んでいるって。反面、ヒトラーの生地に住むヒトラー子孫は「まがまがしい歴史との関連を隠すため」取材は困難な状況が続いているようです。
巷にヒトラー本は数あれど、ナチスでのヒトラーの狂気や最後の防空壕生活などを描いたものはあっても「ヒトラーの血縁」という切り口でヒトラーに迫った本はないと思います。そういう意味でヒトラー本をけっこう読んでいる人も新しい発見はたくさんあると思います。
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アドルフ・ヒトラーの一族: 独裁者の隠された血筋 単行本 – 2006/3/1
ヒトラーの一族について徹底的に調査して書かれたはじめての本。独裁者が終生隠しつづけたその出自を数々の未公開資料や証言などをもとに生々しく再構成する。
- 本の長さ309ページ
- 言語日本語
- 出版社草思社
- 発売日2006/3/1
- ISBN-104794214820
- ISBN-13978-4794214829
登録情報
- 出版社 : 草思社 (2006/3/1)
- 発売日 : 2006/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 309ページ
- ISBN-10 : 4794214820
- ISBN-13 : 978-4794214829
- Amazon 売れ筋ランキング: - 410,848位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 431位ドイツ文学研究
- - 6,259位世界史 (本)
- - 74,806位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2014年3月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いままであまり公けにならなかった、「有名人」のプライベート面がよくわかる本です。
ヒトラーの血縁者がこんな戦中戦後を過ごしていたのか、という目新しさと、
現在の今日もそういう人たちがまだ存命で、世界のどこかで我々と同じく日々を暮らしているという
当たり前の事実に目を向けさせられます。
DNA鑑定が発達したいま、下手なうそをついて親族のフリをすることも出来なくなりましたね。
ヒトラーの血縁者がこんな戦中戦後を過ごしていたのか、という目新しさと、
現在の今日もそういう人たちがまだ存命で、世界のどこかで我々と同じく日々を暮らしているという
当たり前の事実に目を向けさせられます。
DNA鑑定が発達したいま、下手なうそをついて親族のフリをすることも出来なくなりましたね。
2006年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本を読むとヒトラーの一族は近親結婚を繰り返していたことがわかる。
ヒトラー自身も姪に対して異常な愛情を持ち、
ついには自殺に追い込んでしまったりする。
しかし、姪以外の一族には非常に冷淡で
妹にヒトラー姓を名乗ることを禁止したりしている。
独裁者の複雑な心理に「血筋」の面からのアプローチで迫った本で
初めて知る事実が多く面白かった。
ヒトラー自身も姪に対して異常な愛情を持ち、
ついには自殺に追い込んでしまったりする。
しかし、姪以外の一族には非常に冷淡で
妹にヒトラー姓を名乗ることを禁止したりしている。
独裁者の複雑な心理に「血筋」の面からのアプローチで迫った本で
初めて知る事実が多く面白かった。
2012年2月1日に日本でレビュー済み
ユダヤ人の大量虐殺を行ったヒトラーには、「ヒトラー=ユダヤ人説」が生前から一部で囁かれていたが、この説を追究した『アドルフ・ヒトラーの一族――独裁者の隠された血筋』(ヴォルフガング・シュトラール著、畔上司訳、草思社)は、説得力のある興味深い一冊である。
ここではっきりさせておきたいことは、ユダヤ民族は存在するが、ヒトラーがこの世から抹殺しようとしたユダヤ人種というものは存在しないということである。人種というのは共通の遺伝的形質を持つヒトの自然的分類であり、あくまでも生物学的概念である。これに対し、民族は文化に基づいて他と区別される集団を意味する。そして、驚いたことには、ユダヤ民族とアラブ民族のルーツは一つだったのである。ごく大まかに言えば、紀元前2000〜1800年ごろメソポタミアから移動してきたセム語族に属する言語を話す人々のうち、パレスチナの海岸に近い地域に住み着いた半農半牧の民がユダヤ民族となり、砂漠を遊牧する民がアラブ民族となったのである。
さらに言えば、ユダヤ教、キリスト教、イスラームのルーツも一つである。これら3つの宗教では、それぞれヤハウェ、エホヴァ、アッラー(アラー)と呼称は異なるが同一の唯一神が信奉されている。キリスト教はユダヤ教の分派であり、イスラームはユダヤ教とキリスト教を土台としている。紀元前4年ごろに生まれたイエスは、自分たちユダヤ民族だけでなく人類すべてが神の前に平等であると説いて、ユダヤ教の民族主義的選民思想を批判した。これがキリスト教の始まりである。このためイエスはユダヤ教の指導者の怒りを買い、ローマの官憲の手で十字架に掛けられたと、キリスト教の聖典・新約聖書に記されている。一方、紀元571年ごろ生まれたムハンマド(マホメット)は、自らを、ユダヤ教を確立したモーセ(モーゼ)やイエスに続く最後の預言者(予言をする者ではなく、神の言葉を預かって語る者)と位置づけ、神の前には預言者も含めすべての人間が全く平等であると説いた。これらはイスラームの聖典・クルアーン(コーラン)に神の言葉として記録されている。
ここではっきりさせておきたいことは、ユダヤ民族は存在するが、ヒトラーがこの世から抹殺しようとしたユダヤ人種というものは存在しないということである。人種というのは共通の遺伝的形質を持つヒトの自然的分類であり、あくまでも生物学的概念である。これに対し、民族は文化に基づいて他と区別される集団を意味する。そして、驚いたことには、ユダヤ民族とアラブ民族のルーツは一つだったのである。ごく大まかに言えば、紀元前2000〜1800年ごろメソポタミアから移動してきたセム語族に属する言語を話す人々のうち、パレスチナの海岸に近い地域に住み着いた半農半牧の民がユダヤ民族となり、砂漠を遊牧する民がアラブ民族となったのである。
さらに言えば、ユダヤ教、キリスト教、イスラームのルーツも一つである。これら3つの宗教では、それぞれヤハウェ、エホヴァ、アッラー(アラー)と呼称は異なるが同一の唯一神が信奉されている。キリスト教はユダヤ教の分派であり、イスラームはユダヤ教とキリスト教を土台としている。紀元前4年ごろに生まれたイエスは、自分たちユダヤ民族だけでなく人類すべてが神の前に平等であると説いて、ユダヤ教の民族主義的選民思想を批判した。これがキリスト教の始まりである。このためイエスはユダヤ教の指導者の怒りを買い、ローマの官憲の手で十字架に掛けられたと、キリスト教の聖典・新約聖書に記されている。一方、紀元571年ごろ生まれたムハンマド(マホメット)は、自らを、ユダヤ教を確立したモーセ(モーゼ)やイエスに続く最後の預言者(予言をする者ではなく、神の言葉を預かって語る者)と位置づけ、神の前には預言者も含めすべての人間が全く平等であると説いた。これらはイスラームの聖典・クルアーン(コーラン)に神の言葉として記録されている。
2010年8月14日に日本でレビュー済み
知られざるヒトラーの親族を描く。横暴な父親アロイス、愛情ある弱き母親クララに育てられたという逸話は、『わが闘争』でもまず第一に触れられている事で本書でも確認されているが、他の親族については一般には配慮上もなかった、ヒトラー研究の盲点を突く、初めての書。
最後まで質素な生活を送り戦後は弟を擁護し独裁者の遺産相続人となった実妹パウラ・ヒトラー、権力の危ない階段を上り詰めていく過程で恐い母親のようなお目付役の異母姉アンゲラ・ヒトラー、恋仲が囁かれ自殺後によりアドルフを奮い立たせたその娘アンゲラ・ラウバル、英国米国に渡りアドルフの諸悪を世界に訴え自らも志願従軍した異母甥パトリック・ヒトラー、戦後無為にソビエト軍より糾弾され何人も獄死した母方の家系シュミット家、コッペンシュタイナー家の人々等々、アドルフ・ヒトラーなる人物の血筋に関わる人々の物語。
そもそも若年時の交友関係からが稀薄で、職に就かず画家を目指してぶらぶらしていた独りの人間が、兵役を拒否したり従軍したり、違法行為に関わりながら社会活動を開始しやがて何とか政治家に生まれ変わるのである。ヨーロッパから世界全体を震撼させる軍事独裁者にまで登り詰め、最終は一国の首都で完全包囲されて果てていくというあり得ない人生を送るヒトラー、彼自身の抱えていた盲点がここに今ようやく明らかになったとも言えよう。
最後まで質素な生活を送り戦後は弟を擁護し独裁者の遺産相続人となった実妹パウラ・ヒトラー、権力の危ない階段を上り詰めていく過程で恐い母親のようなお目付役の異母姉アンゲラ・ヒトラー、恋仲が囁かれ自殺後によりアドルフを奮い立たせたその娘アンゲラ・ラウバル、英国米国に渡りアドルフの諸悪を世界に訴え自らも志願従軍した異母甥パトリック・ヒトラー、戦後無為にソビエト軍より糾弾され何人も獄死した母方の家系シュミット家、コッペンシュタイナー家の人々等々、アドルフ・ヒトラーなる人物の血筋に関わる人々の物語。
そもそも若年時の交友関係からが稀薄で、職に就かず画家を目指してぶらぶらしていた独りの人間が、兵役を拒否したり従軍したり、違法行為に関わりながら社会活動を開始しやがて何とか政治家に生まれ変わるのである。ヨーロッパから世界全体を震撼させる軍事独裁者にまで登り詰め、最終は一国の首都で完全包囲されて果てていくというあり得ない人生を送るヒトラー、彼自身の抱えていた盲点がここに今ようやく明らかになったとも言えよう。
2010年2月15日に日本でレビュー済み
ヒトラー一族についての興味深いことが書かれている。
ヒトラーの甥のパトリックがヒトラーに反抗してアメリカ軍に協力し、現在でもその子孫がヒトラーをアメリカで名乗っているということ。
ヒトラーの遺産についてエヴァ・ブラウンの遺族とヒトラーの妹とが訴訟を起こしているということ。
また、ヒトラーの兄が戦後、ヒトラー姓からヒラー姓に改名したこと。
様々なヒトラーに対する裏話が出ていて興味深い一冊だった。
ヒトラーの甥のパトリックがヒトラーに反抗してアメリカ軍に協力し、現在でもその子孫がヒトラーをアメリカで名乗っているということ。
ヒトラーの遺産についてエヴァ・ブラウンの遺族とヒトラーの妹とが訴訟を起こしているということ。
また、ヒトラーの兄が戦後、ヒトラー姓からヒラー姓に改名したこと。
様々なヒトラーに対する裏話が出ていて興味深い一冊だった。