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吉本興業の正体単行本 – 2007/4/7

増田晶文 (著)

3.8 15個の評価

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購入オプションとあわせ買い

笑いを商品に年商460億円、百年近い歴史を持つ日本最古にして最強の芸能プロ。
創業期から現在までの軌跡を詳細に追いかけ、その怪しの正体に迫る決定版ノンフィクション作品。

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本の長さ

400ページ
言語

日本語
出版社

草思社
発売日

2007/4/7
ISBN-10

4794215835
ISBN-13

978-4794215833
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発売日 ‏ : ‎ 2007/4/7
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 400ページ
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増田晶文

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Noam

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2022年2月7日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

Arrived in the condition/time as described

2009年5月8日に日本でレビュー済み

　お笑いの吉本興業。その100年にもおよぶ歴史を丁寧に追ったルポ。読み応えがある。ダウンタウンのガキ使に女将役で出てくる藤原氏も、芸人のスケジュール管理だけのマネージャではない。「ホンマ松本さんの優しさは天井知らずやなぁ」や「乳、あげまっせー」、あの企画をむしろ積極的に進めるぐらいの立場なのである。

　吉本の強さは、マネージャが芸人をプロデュースし、メディアへの売り込みを積極的に図ることである。企画から制作まで手がける。テレビはそのお笑いコンテンツを流通させるパイプでしかない。かつて、娯楽の主役が寄席からラジオ、映画、テレビと変遷してきた。その度に吉本はお笑いというコンテンツを提供する対象を広げてきた。今後はブロードバンドや携帯電話へシフトする。吉本では制作までやっているので、コンテンツを自由に使用できる。このしぶとさと先見性、オモロイことを探して実現してみせる活力のルーツに迫る結構真面目な本である。
　
　荒物小売店をしていた吉本吉兵衛とその妻せいが明治45年に小さな寄席を買って、木戸銭5銭で商売を始めたことが吉本の始まりである。落語中心だった寄席に漫才その他をオモロイかどうかを基準に詰め込み、次第に成長していく。実際には、吉兵衛は10年ほどで亡くなり、せいとその弟(林正之介)たちが切り盛りする。だから吉本と言いながら、社長には林姓が多い。
　しかし敗戦ですべてを失う。ところがテレビの普及とともにケッタイな会社は吉本は復活する。何度かの漫才ブームが去っても、芸人を使ってオモロイことしたいという社員が勝手に動いて成長する会社。全く不思議な団体。その歴史に触れてみるのも面白い。特に大阪育ちの、年代が上の方々ほど懐かしい名前が出てきて楽しめる本ではなかろうか。

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コブク

挨拶する理由が分かった。

2014年12月28日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

挨拶するのはタダだし好印象を与える。と吉本は芸人に教えるらしく、自分も見習えると思った。
本は厚く読むのに長時間かかったが、もし自分が芸人目指すなら吉本に所属したいと思った

1人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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読む知る

日本の芸能界を牛耳る吉本の正体

2015年9月16日に日本でレビュー済み

吉本興業という怪物の正体をつきとめようとする、作者の執念にも似た姿勢に感服。
「単なる大阪のローカルお笑いプロダクションが、なぜ日本の芸能界を牛耳るまでになったのか？」
その答が本書にはぎゅうぎゅうに詰まっている。
それほど、作者は吉本の戦前の発祥から大阪時代、東京進出、全国制覇までをたんねんに、粘り強く追っている。
その道筋は大阪が育んだ独自の文化の軌跡であり、ひいては日本の笑芸の歴史でもある。
同時に、本当の意味で「芸人」が消え「タレント」ばかりが大手をふっている理由もよくわかった。
大阪文化の研究本としても深い意味があるはずだ。
昨今は、取材対象に遠慮したり媚びたり、内容がスカスカの本が多いがこの作品は違う。

似た最近は文庫本でもかなりのボリュームなのが多い。

11人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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逍遊さん

取材力に☆×５

2007年6月1日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

前作の「お笑い芸人就職読本」から続く吉本興業本ですが、緻密な取材に基づいた（と感じさせる）文章で、一気に読ませます。筆者の本はマラソンの早田選手が好きだったこともあり、「早すぎたランナー」からすべて読んでいますが、地道な取材をしているライターであることは間違いないと思います。何かとお騒がせな会社ですが、何処に向かおうとしているのかがよく分かります。

14人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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キートン砂糖

とても面白い。

2008年5月29日に日本でレビュー済み

少し厚い本だが非常に「オモロイ」本でした。表紙のデザインもすばらしい。

吉本が草創期から現在に至る間での軌跡。したたかな大阪商人の創業者たち。
事業戦略ではヨシモトブックス、キャスティなど出版、映像、そして映画まで手に伸ばしている。
吉本はたくさんの優秀な人材を抱えているからインフラを自前で用意できればすべて自社の利益にすることができるわけです。
とにかく貪欲であり、すごいなあと思わずにはいられません。

かつてテレビ大好き、お笑い大好きで、ＮＳＣに入所することを本気で考えており、自分は特別なセンスを持っていると錯覚し、中二病に罹患していた（失笑）、
私にはある意味痛すぎる青春を振り返るという意味でも非常に興味深かった。

吉本に入れば金も名誉も手に入るという幻想がダウンタウンによって作られたと思う。
彼らはいわば宝くじの当選者であり、彼らがいるからこそ、吉本側もえげつなくそのほかの芸人から搾取できるわけである。
「お前もダウンタウンを目指せ！」と。

「マネージメントという名目の合法的な人身売買、社会的良識など通じないアウトローの芸人どもにムチを入れる猛獣使いー要するにテキヤ稼業の巨大化したもんが吉本興業です。」

中田カウス氏の吉本評がとてもわかりやすい。

いつか大阪に行く機会があれば必ずなんばグランド花月へ行きたいと考えています。

22人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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ぽるじはど

吉本興業製作の、“社史”

2007年7月24日に日本でレビュー済み

　タレントの事より、“吉本興業”の歴史が描かれた本でした。子どもの頃から“ヨシモト”に慣れ親しんだ大阪人であれば、懐かしさ満点でしょう。
　しかし掘り下げという点から見れば、吉本を辞めた（俺たちひょうきん族で有名だった）横澤氏のインタビューはあれど、木村元常務のそれが無い（木村氏自身が触れたがらなかったのであろうとは、推察できるものの）のは、大変（☆1ヶ分ぐらい）残念でした。
　
　著者は、今年になって急に騒がれだした渦中のカウス氏と度々会っており、著者も多かれ少なかれ具体的にヤクザとの絡みも知っていたはずだと思われるが、そのような話題は、名物会長林正之助氏が「ヤクザと付き合うことはならん」と部下や芸人に厳命を下しつつも、山口組3代目の葬儀に出席していた写真を新聞からカウス氏が見つけ、問いただすと「あれは兄弟や」と話した、といった程度にしか出てこないので、その辺りを期待して読む本ではない。
　本書は“正史”としての役割を果たしており、別の著者による“裏史”が書かれるのを待ちたいところだ。

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miyajee

ビジネス書としても面白い

2008年1月19日に日本でレビュー済み

「笑いの都」大阪は、吉本によって仕込まれたのだということがよくわかりました。「吉本の笑いは、とにかく爆笑でなければならない」、笑いのためにはどんな変化球でも投げたもの勝ち、というその企業姿勢が、大阪を起点に全国を制覇していったのです。

そして、ビジネス論としては、今の吉本が放送と通信の融合を見据え、制作から配信までの、徹底的にパッケージ化されたコンテンツビジネスを志向している様も描かれます。インテルやアップルが、吉本の笑いは世界性を持つとして関心を持っているのだそうです。

吉本は経営者が代わっても、１００年にわたって成長し続けています。多くのエンタテインメント企業、興行系の企業が一代限りで衰退していくのに比べると驚くべきことです。関係した人たちが異口同音に、「吉本は組織なのか？」と口にするそうです。

吉本とは、究極のアメーバ組織といいますか、社員一人一人が考え、行動するという遺伝子を受け継ぎ、企業文化として定着しているのです。花月のチケット売り場の担当者が思いついたことでも社長にプレゼンすることができます。で、オモロイとなればすぐに採用されるのです。すごい会社だなあと思わずにいられません。

本書は、ビジネス書としても大変面白く読める本でもありました。その点大変に収穫。

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